目次
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの市場環境
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの市場環境
### 市場規模と成長
– 市場規模の拡大: IT専門調査会社IDCJapanによると、2019年のコンサルティング業界の国内市場規模は8217億円で、前年比7.3%増でした。2024年には1兆円に達すると予測されています。
– 成長傾向: コンサルティング業界は成長傾向にあり、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが市場規模の拡大に大きく影響しています。
### ITコンサルタントとSEの境界
– ITコンサルタントとSEの違い: ITコンサルタントとSEは、役割や仕事内容が異なりますが、近年では境界があいまいになってきています。
– ITコンサルタント:
– 役割: 顧客ニーズとシステム上の可能なことを上手く調整しながら、最終的に企業の経営課題を解決することが求められます。
– 仕事内容: 企業が抱える経営課題に対して、ITを武器に解決策を具体化し、支援を行うことがミッションとなります。システムの設計・構築に入る前までの議論・決定事項・プロセスを踏まえたうえで「システムの具体像」を描き、プロジェクトマネジメントもITコンサルタントの仕事の一つとなります。
– SE:
– 役割: 要件に沿って正確にシステムを開発し、システム構築で企業を支援することが求められます。
– 仕事内容: 企業が抱える課題に対して、システムを構築することで課題解決、支援を行います。システムの要件定義から実際プログラムを書いて構築、納品する業務がメインになり、「どのようなアプリケーションが必要か」「どの製品を使うのがベストか」「どういったプログラムを書くのが、もっともいいか」などの問題解決をしていきます。
### ITコンサルタントへの転職のメリット
– スキル・経験の活用: SEのスキル・経験はITコンサルタントと親和性が高いです。これは、SEとITコンサルの境い目があいまいになるにつれ、より顕著になっています。
– 上流工程での解決策: ITコンサルタントとしては、SEより上流工程で、かつ解決策にしばられずに顧客と向き合えることが特徴です。
### 市場動向とM&A
– M&Aの活性化: コンサルティング業界のM&Aは活性化しており、特に総合化を目的としたM&AやITノウハウの取り込みが加速しています。
– 総合化を目的としたM&A: 多様化する顧客にニーズに対応するため、戦略策定から組織人事まで、幅広い分野へのコンサルティング体制を整える動きが加速しています。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESのM&Aの背景と動向
SES業界のM&A動向と背景
近年、SES(システムエンジニアリングサービス)業界におけるM&A(合併・買収)活動は急速に活発化しています。以下に主要な背景と動向をまとめます。
### 人材不足の解消
人材不足が深刻化しているため、エンジニアを抱えるSES企業を買収する。IT業界における人材不足が深刻化しており、エンジニアを抱えるSES企業を買収することで、人材確保を図ることが目的です。
### 事業拡大と強化
事業拡大や強化を目的とした同業間のM&A。同業間のM&Aにより、多重下請け構造を解消し、受注の階層が上流に上がることで、労働環境や従業員待遇の改善が見込まれます。
### 技術力の強化
技術力の強化と新しい技術分野への対応。AI、データサイエンス、サイバーセキュリティなどの新しい技術分野への対応が求められており、SES企業が提供する専門的な人材サービスが企業の技術力を大幅に向上させる重要な手段と見なされています。
### 海外企業による参入
海外企業による日本市場への参入。海外の大手企業が日本のSES企業を買収することで、システム開発や管理、運用の効率化を図る動きが見られます。日本のSES企業は国内市場における強力なネットワークや、高品質なサービス提供力を持っているため、海外企業にとっても魅力的な投資対象です。
### 業界再編
中小規模のSES企業が大手企業に吸収される。2024年、特に中小規模のSES企業が大手企業に吸収されるケースが目立っています。優秀な技術者を抱えるSES企業は買収ターゲットとして非常に魅力的です。
これらの動向は、SES業界におけるM&Aが企業の競争力を強化し、技術革新や市場シェアの拡大を目的とした戦略的な動きとして捉えられています。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESのM&A事例
以下にコンサルファーム向けテクニカルコンサルSESのM&A事例をまとめます。
– コプロテクノロジーとピー・アイ・シーのM&A:
– SES事業の拡大: コプロテクノロジーがピー・アイ・シーのSES事業を譲受し、高スキルのITエンジニアの獲得を目指しました。
– プロジェクトカンパニーとアルトワイズのM&A:
– テクノロジーエンジニアの拡充: プロジェクトカンパニーがアルトワイズの株式を取得し、テクノロジー領域に精通したエンジニア人材を増やしました。
– プロジェクトカンパニーとクアトロテクノロジーズのM&A:
– システム開発ノウハウの獲得: プロジェクトカンパニーがクアトロテクノロジーズの株式を取得し、システム開発やソフトウェアテストのノウハウを獲得しました。
– エルテスとGLOLINGのM&A:
– エンジニア拡充とソリューション開発: エルテスがGLOLINGの株式を取得し、エンジニア拡充と各種ソリューション開発の内製化を目指しました。
– Branding EngineerとTSRソリューションズのM&A:
– ITエンジニアのクロスセル実現: Branding EngineerがTSRソリューションズの株式を取得し、ITエンジニアを双方の顧客に紹介できるクロスセルの実現を目指しました。
– ナレッジスイートとビクタスのM&A:
– 優秀なエンジニアの取得: ナレッジスイートがビクタスの全株式を取得し、優秀なエンジニアを増やすことで開発体制の強化を目指しました。
– キャスレーコンサルティングとISIDインターテクノロジーのM&A:
– 開発体制の強化: キャスレーコンサルティングがISIDインターテクノロジーの事業を譲受し、開発体制の強化を目指しました。
– FabeeeとデータセクションのM&A:
– ITインフラとセキュリティの融合: Fabeeeがデータセクションの事業を譲受し、ITインフラとセキュリティが融合することで、エンジニアが常駐してITセキュリティ面のサポートを行うサービスを展開しました。
– マイクロウェーブデジタルとLLLのM&A:
– 開発案件の強化: マイクロウェーブデジタルがLLLのSES事業を譲受し、開発案件の強化を目指しました。
– ファンリードと群青のM&A:
– 事業拡大: ファンリードが群青のSES事業を譲受し、事業拡大を目指しました。
– 方正と従来技術のM&A:
– 事業規模の拡大: 方正が従来技術のSES事業とソフトウェアの受託開発事業を譲受し、事業規模の拡大を目指しました。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの事業が高値で売却できる可能性
SES事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– エンジニアの技術力と数: SES事業はエンジニアの技術力と数に大きく依存します。優秀なエンジニアが多数在籍している場合、買い手企業にとって魅力的な対象となり、価格が高く評価されます。
– 独自の強み: AI・IoT技術など独自の強みを持つ企業は、買い手企業にアピールしやすく、価格が高く評価されます。
– 経営の強みを明確化: 自社の経営における強みを明確化することで、買い手企業にアピールしやすくなり、価格が高く評価されます。
– デューデリジェンスの準備: デューデリジェンス(買収監査・企業調査)の準備を徹底することで、問題となる項目を事前に対処し、価格が高く評価されます。
– 優秀なエンジニアの確保: 優秀なエンジニアを確保することで、デューデリジェンス時にさらに高く評価されます。
– 営業利益の加算: SES事業の売却相場は、時価純資産額に数年分の営業利益を加算することで算出されます。一般的には3~5年分の営業利益が加算されます。
これらのポイントを踏まえると、SES事業が高値で売却される可能性は高いと言えます。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの企業が会社を譲渡するメリット
SES企業がコンサルタントファーム向けのテクニカルコンサルティング事業を譲渡するメリットは以下の通りです。
– 事業譲渡の流れが簡単: 株式譲渡は手続きが比較的スムーズであり、売却の際にはよく選ばれる譲渡方法です。
– 買い手企業の選定が容易: SES業界に精通した企業が見つけられるため、事業譲渡を利用すれば買い手企業が見つけやすくなります。
– 従業員の雇用が継続できる: 事業譲渡では、自社にいる従業員の雇用を継続することが可能です。買い手企業に雇用を引き継いでもらえるため、従業員が職を失うことはありません。
– まとまったキャッシュが入手できる: 買い手企業からの譲渡金を現金で取引する手法を選べば、まとまったキャッシュを入手することが可能です。
– 新規事業・事業拡大が可能: SES事業を買収することで、需要の高いIT分野への新規参入が可能となり、企業は既存の事業に加えて新たな事業領域で収益を上げることができます。
– 節税効果が期待できる: 事業譲渡の取引の際、資産以上の営業権に対し支払った額に応じて、法人税の課税対象となる利益を5年間にわたり減らすことができます。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの事業と相性がよい事業
SES事業と相性がよい事業を以下にまとめます。
– システムエンジニアリングサービス(SES)は、経験豊かなITエンジニアを企業にマッチングし、プロジェクト単位の技術支援や開発支援、サーバー・ネットワーク構築などのインフラ支援を行うサービスです。
– エンジニアのスキル面と企業・参画現場との志向性のマッチングを行うことで、エンジニア本来のパフォーマンスを上げると共にノウハウを蓄積し、技術の向上を目指します。
– IT業界に精通した専属コンサルタントがマッチングから参画後のマネージメントやフォローまで対応し、エンジニアと企業双方のニーズを捉えたより良いマッチングを行います。
– SES営業コンサルティング事業は、SES事業者様の課題解決型コンサルティングサービスで、事業成長に向けた提案を行います。事業計画策定から実績の分析、新人営業の研修、営業支援、営業代行などを提供します。
– 顧客開拓、管理、営業アプローチの経験を活かし、SES営業担当への研修や具体的なアドバイスを提供します。
– 特定の経営課題に対する解決策を提供し、SES営業に関する専門知識やノウハウを提供します。
– SES契約と派遣契約の違いは、エンジニアに対する指揮命令権の差異です。SES契約ではエンジニアが所属している企業にあり、クライアントは間接的に要望を伝える形になります。
– SES契約の特徴として、エンジニアが所属している企業にあり、クライアントは直接指揮命令する権利がなく、契約しているSES企業を通じて要望を伝える必要があります。
これらの事業は、SESの特徴を活かし、エンジニアのスキルと企業のニーズをマッチングさせることで、効率的で安定した運営を支援し、技術の向上を目指すことができます。
コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの企業様にとって、M&Aの依頼先として非常におすすめです。譲渡企業様から手数料を一切いただかないという特徴があり、コスト面での負担を軽減することができます。また、豊富な成約実績を誇り、これまで多くの企業様のM&Aを成功に導いてきました。さらに、コンサルファーム向けテクニカルコンサルSESの業界にも深い知見を保有しており、業界特有のニーズや課題に対しても的確なサポートを提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。