目次
キャラIPライセンスコンサル業の市場環境
キャラクタービジネス市場は、2020年度から拡大の一途を辿っています。以下に大切なポイントをまとめます。
### 市場規模と成長
– 2020年度: キャラクタービジネス市場規模は、商品化権と版権で構成され、前年度比99.6%の2兆5,235億円となりました。
– 2023年度: 市場規模は前年度比2.2%増の2兆6,969億円と推計されました。
– 2024年度予測: 市場規模は前年度比1.8%増の2兆7,464億円と予測されています。
### 収益源と分野別構成比
– 商品化権: 2020年度の商品化権市場規模は前年度比98.4%の1兆2,335億円でした。
– 版権: 2020年度の版権市場規模は前年度比100.8%の1兆2,900億円でした。
### 拡大要因
– メディアミックス: さまざまなメディアに展開する「メディアミックス」が上手くいっているため、市場規模が拡大しています。
– SNSと動画配信: SNSや動画配信サービスの浸透により、広告やイメージキャラクターとしてIPを起用する機会が増加しています。
### ライセンサーとライセンシー
– ライセンサー: IPの権利を販売することで収益を得ています。ロイヤリティの支払いは定期的に行われ、権利を維持しています。
– ライセンシー: ロイヤリティやミニマムギャランティを払うことで、人気IPを使用する権利を得て収入を増やすことができます。
### 将来展望
– 新しいキャラクターの活躍: 動画から生まれた新しいキャラクターの活躍により、市場規模が底堅く推移することが期待されています。
– 体験型ビジネス: コロナ禍による外出規制の影響で、アニメ視聴が増えたことにより、アニメキャラクターを活用した版権ビジネスが盛り上がることが予想されています。
### 日本発キャラクターの収益力
– 世界的な人気: 日本発のキャラクターは世界的な人気を博し、多角的なビジネス展開によって高い収益を上げています。
### 権利管理と法的保護
– 権利管理: 商標登録などの法的な権利保護を確実に行い、IPを保護することが重要です。また、ライセンス先の選定やガイドラインの策定など、適切な管理体制を整えることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
キャラIPライセンスコンサル業のM&Aの背景と動向
キャラIPライセンスコンサル業のM&Aの背景と動向は、以下の要素にあります。
– アニメ制作会社のM&A: 近年、アニメ制作会社のM&Aが増加しています。これは、テレビアニメの制作本数の増加やコストの拡大、投資増大による経営圧迫から生じています。買収する側はスタッフの囲い込みや制作ラインの増加を目指し、事業売却する側は収支のバランス改善を期待しています。
– 異業種・新興企業の進出: アニメ業界への異業種・新興企業の進出も増えています。これは、アニメが日本国内のみならず世界的に「金脈」として見られているためです。
– IPの重要性: M&Aにおいても、IP(知的財産)の重要性が高まります。自社商品のデザインや仕様、ノウハウを認めることで、そのような知的財産をライセンスとして販売するIPビジネスが活用されます。具体的には、KADOKAWAとブシロードがキネマシトラスと包括的業務提携を結び、世界屈指のアニメ制作同盟を形成しています。
– ゲーム業界とのシナジー: ゲーム業界とのシナジーも重要です。例えば、ソニーは多角化戦略の一環でマルチプラットフォーム対応ゲームへの参入やサブスクリプション型ゲームを強化するため積極的なM&Aを行っています。また、IPの活用範囲はゲームに留まらず、映画やアトラクションなど様々です。
– 資本業務提携の活用: 資本業務提携も活用されています。例えば、Klabとぴえろが資本業務提携を締結し、映像コンテンツのモバイルゲーム化や各種グッズ・イベント展開を強化しています。
これらの要素が、キャラIPライセンスコンサル業のM&Aの背景と動向を形成しています。
キャラIPライセンスコンサル業のM&A事例
キャラIPライセンスコンサル業のM&A事例についてまとめます。
### 1. サンライズによるジーベックの買収
– 買収の背景: サンライズがジーベックの主要制作部門を買収し、100%出資の新会社SUNRISE BEYONDに引き継ぎました。
– 理由: 増加する制作ニーズに対応するため、実績のある制作会社を買収することでコストカットや制作までのショートカットが可能となりました。
– 結果: IGポートが赤字が長期化していることや収益分配では赤字をカバーしきれないため、サンライズの主導で経営体質の強化を図ることが事業と雇用を継続させる最善の方法と判断しました。
### 2. KADOKAWAによるVIC GAME STUDIOSとの資本業務提携
– 買収の背景: KADOKAWAが韓国のVIC GAME STUDIOSと資本業務提携契約を締結しました。
– 理由: アニメIPを活用した高品質なゲームポートフォリオを拡大し、海外を含めたモバイルゲームの開発を拡大・強化するため。
– 結果: 双方ともにシナジー効果を獲得し、ゲームアプリ開発技術の拡大を目指しました。
### 3. ソニーによるシルバーゲート・メディアの買収
– 買収の背景: ソニーの米映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントが米シルバーゲート・メディアを213億円で買収しました。
– 理由: 子ども向けコンテンツ事業の強化を目指し、人気アニメ『すすめ!オクトノーツ』の権利や人気TVシリーズ『ピーターラビット』の制作会社の持ち分を取得しました。
– 結果: ソニーは今後もアニメ事業を拡大していく見通しで、テレビシリーズにも事業を拡大することを発表しました。
### 4. サンリオとBrave groupによる資本業務提携
– 買収の背景: サンリオとBrave groupが資本業務提携契約を締結しました。
– 理由: IPのグローバル化およびバーチャル領域における事業拡大を図るため。
– 結果: 両社が所有するIPコラボレーション企画・製造・販売事業を強化し、デジタルPFサービス事業との連携やVTuberとの連携を図りました。
キャラIPライセンスコンサル業の事業が高値で売却できる可能性
キャラIPライセンスコンサル業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– アニメ業界の隆盛: 近年、日本のアニメ業界は再びピークを迎えており、制作ニーズの増加とコストの拡大により、M&Aが増加傾向にあります。
– IPの価値: 知的財産(IP)の価値が高まり、IPビジネスが重要な役割を果たしています。特に、自社商品のデザインや仕様、ノウハウを認めることで、そのような知的財産をライセンスとして販売することが可能です。
– 海外への進出: 日本のコンテンツは世界中で消費されていますが、海外のプレイヤーが権利を握っており、日本企業が関与できていないことが多いです。海外企業との提携や買収が必要な状況です。
– コンテンツ流通の課題: コンテンツの海外流通ができる基盤をもつ企業は少なく、海外企業との提携や買収が必要です。特に、流通を握られる状況になるため、提携よりも買収が推奨されています。
– 新しい価値の登場: ブロックチェーンゲームやNFTの登場により、デジタル資産化が進み、ゲーム内外での自由な譲渡や売却が可能になり、価格維持が期待できます。
これらのポイントを考慮すると、キャラIPライセンスコンサル業の事業が高値で売却される可能性は高いと考えられます。特に、IPの価値と海外への進出の重要性が高い状況です。
キャラIPライセンスコンサル業の企業が会社を譲渡するメリット
キャラIPライセンスコンサル業の企業が会社を譲渡するメリットをまとめると、以下のようになります。
– 経営権の維持: 会社分割を用いることで、売り手側の経営権はそのまま継続できます。具体的には、事業の一部のみを切り分ける方法なので、売り手側の経営権が維持される。
– 権利・義務の包括的な承継: 会社分割では、権利・義務を包括的に承継できるため、従業員や取引先との契約を再度結ぶ必要がない。
– 柔軟な組織再編: 会社分割を用いることで、組織再編が柔軟に行えるため、効率的な事業運営が可能。
– 資金の流入: 資金的に余裕のない中小企業がM&Aの売り手となる場合、株主や会社に資金が入ってくることがメリットを大きくしているとされています。
– 事業継続・発展の可能性: 大手の傘下に入った場合、事業継続・発展を目指せるため、企業の価値が向上する可能性があります。
これらのメリットを活用することで、キャラIPライセンスコンサル業の企業が会社を譲渡する際に、適切な手法を選択し、経営権の維持や資金の流入を図ることができます。
キャラIPライセンスコンサル業の事業と相性がよい事業
キャラクターIPライセンスコンサル業の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
### グッズ販売ビジネスモデル
– キャラクターライセンスの活用方法: キャラクターライセンスを活用して、グッズを製造・販売するビジネスモデルが有効です。例えば、サンリオのキャラクターを用いた文具やアクセサリー、キッチン用品などのグッズを販売しています。
### ライブイベントビジネスモデル
– キャラクターライブビジネスモデル: キャラクターライブイベントを開催し、チケット収入やグッズ販売、スポンサーからの広告収入などで収益を得ることができます。
### カードゲーム事業
– カードゲーム事業の立ち上げ: キャラクターを利用したカードゲームの企画、開発、販売を手掛けることができます。カードゲーム事業の立ち上げや生産、デザイン、販売先の管理も行うことができます。
### アニメーション制作
– アニメーション制作ガイド: キャラクターを活用したアニメーション制作を手掛けることができます。アニメーション制作ガイドや具体的なアニメーションの活用方法を公開しています。
### ライセンス営業
– ライセンス営業の活用: 他社とコラボし、自社のキャラクターを利用した商品やサービスを提供し、ライセンス料を獲得することができます。ライセンス営業は広告代理店でも活用されており、自社のクリエイティブディレクターがキャラクターやコンテンツを制作し、取引先企業に提案しています。
### 代理店活用
– 代理店の活用メリット: ライセンス契約の締結や使用料交渉を代理店に委託することで、専門的な知識やネットワークを持つ代理店が迅速かつスムーズに進めることができます。
### キャラクターマネジメント
– キャラクターマネジメントのサポート: 既存キャラクターマネジメントや個人クリエイターのマネジメントも行います。クライアント様のニーズにさまざまなサポートを提供します。
### ブランディングノウハウの提供
– 企業保有のキャラクタービジネスサポート: 企業保有のキャラクタービジネスをご検討されている企業様やお悩みの企業様にブランディングノウハウの提供やサポートをいたします。
キャラIPライセンスコンサル業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、キャラIPライセンスコンサル業の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由をいくつかご紹介いたします。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が大きな魅力です。これにより、コストを気にせずに安心してご依頼いただけます。また、豊富な成約実績を誇っており、多くの企業様にご満足いただいております。さらに、キャラIPライセンスコンサル業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なサポートが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。