目次
ITインフラ運営業の市場環境
国内ITインフラ運営業の市場環境
– エッジインフラ市場:
– 市場規模の予測:
2024年には前年比12.3%増の1兆6000億円に達する見通し。
2022年~2027年の5年間における年間平均成長率(CAGR)は12.4%で、2027年の同支出額は2兆3000億円に。
– ユースケース:
スマート倉庫、拡張現実技術(AR)を利用した保守、トレーニングAR/VR、交通管理、リアルタイム在庫管理。
Collaboration AR/VR、建設産業でのプロジェクト管理、在庫管理、プロセス製造での配管検査、デジタルアシスタンス。
– 社会インフラIT市場:
– 市場規模の予測:
2024年度には100億円規模を突破し、本格的な普及期に入るとの見通し。
2023年度は前年度比1.7%減の6315億円。
– 分野別の動向:
鉄道や防災/警察分野での落ち込みが大きいが、鉄道、空港、水関連分野での投資拡大が見込まれる。
5G/ローカル5G、LPWA、Wi-Fi HaLow、6Gなどの次世代型通信規格の登場も期待される。
– 国内ITサービス市場:
– 市場規模の予測:
2023年の市場規模は6兆5380億円で前年比7.3%増。
2028年には8兆8201億円にまで成長し、2023~2028年の年平均成長率(CAGR)は6.2%。
– 成長要因:
既存システムの変革や新規システム構築の需要の活発化、AIユースケースの発展。
プロジェクトベース市場(ITコンサルティング、システムインテグレーションなど)の高い成長。
– 世界のITサービス市場:
– 市場規模の予測:
2024年に1兆2,000億米ドルと推定され、2029年には1兆8,100億米ドルに達すると予測される。
予測期間中(2024年~2029年)のCAGRは8.38%で成長する見込み。
– 成長要因:
デジタルトランスフォーメーション、クラウドコンピューティングの採用、IoTデバイスの普及、ビッグデータ分析の急増。
ITインフラ運営業のM&Aの背景と動向
ITインフラ運営業のM&Aの背景と動向を以下にまとめます。
### 背景
1. 技術/サービスの獲得と人材不足の解消:
– IT業界では、技術やサービスを獲得し、人材不足を解消するためにM&Aが実施されています。
– 特に、通信インフラ業界ではモバイル端末の普及率が飽和状態であり、新たな収益源の確保や事業エリア拡大のためM&Aが行われています。
2. 顧客基盤拡大と成長戦略:
– M&Aは、顧客基盤の拡大や成長戦略の一環として実施されています。譲受企業と譲渡企業の両方が、技術力や顧客基盤を強化するためにM&Aを実施しています。
3. クラウド化とDX推進:
– システム開発業界では、クラウド化の進展やデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進が進んでおり、M&Aが活発化しています。
### 動向
1. システム開発会社のM&A:
– システム開発会社では、AIやクラウドを活用したDXソリューションの提供が増えており、M&Aが行われています。例えば、シーアイエスがフィニティを子会社化し、AI・クラウドソリューションサービスを強化しました。
2. ITインフラの維持管理:
– ITインフラの維持管理が中心的な業務である企業では、M&Aが行われています。例えば、NTTデータがMargeTysを完全子会社化し、オープンソースフレームワークやエンジニアスキルを活用して、顧客に幅広いサービスを提供しています。
3. 海外市場進出:
– IT企業では、海外市場進出のためのM&Aが増加しています。国内市場の人口減少や市場縮小に対応するため、海外の人材・技術・ノウハウを取り込み、海外市場に進出しています。
4. 異業種・他業種からの参入:
– IT企業では、異業種・他業種からの参入も増加しています。例えば、伊藤忠商事とフリークアウト・ホールディングスの資本業務提携や、電通によるDigital Evolution Group LLCのM&Aなどが挙げられます。
### 重要なポイント
– 技術力の強化と人材確保:
– M&Aは、技術力の強化や人材確保を目的として実施されています。例えば、富士通がFITECを買収し、古河電工のITシステムを統合的に支え、ITスキルや業務ノウハウを習得しました。
– DX推進と新事業開発:
– M&Aは、DX推進や新事業開発を目的として実施されています。例えば、日立製作所がリーンクラウドのパブリッククラウド関連のサービスの提供能力を獲得し、グローバルにクラウド関連サービス事業を拡大しました。
– 経営基盤の強化と海外進出:
– M&Aは、経営基盤の強化や海外進出を目的として実施されています。例えば、NTTデータがMargeTysを完全子会社化し、海外市場に進出するための人材・技術・ノウハウを取り込みました。
これらのポイントが、ITインフラ運営業のM&Aの背景と動向を理解するために重要です。
ITインフラ運営業のM&A事例
ITインフラ運営業のM&A事例を以下にまとめます。
– 2023年8月: 株式会社ビジネスサービスがスターティア株式会社を株式譲渡し、ITインフラ関連事業のスケールメリットを追求。
– 2023年8月: 株式会社電創が株式会社コアコンセプト・テクノロジー(株式会社カワサキシステム)を株式譲渡し、金融機関や製造業向けシステム開発及び運用、保守を手掛ける企業を買収。
– 2023年8月: 株式会社ヒューマンシステムが株式会社SHIFT(株式会社SHIFTグロース・キャピタル)を株式譲渡し、IT人材採用力に強みのある大手が、IT開発領域の更なる強化のために買収。
– 2023年5月: 株式会社ビー・テックが日本システム株式会社を株式譲渡し、介ITと環境の融合を目的とするサーキュラーエコノミー(CE)実現のため、キッティング技術やIT端末の保守サポートの実績を持つ企業を買収。
– 2023年3月: 株式会社アルトワイズが株式会社プロジェクトカンパニーを株式譲渡し、テクノロジー領域に精通したエンジニア人材を拡充するために、SES事業運営会社を買収し、DX支援の強化を狙う。
これらの事例は、ITインフラ運営業に関連するM&Aの動向を示しています。
ITインフラ運営業の事業が高値で売却できる可能性
ITインフラ運営業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– エンジニアの人数とスキルエンジニアの人数とスキルの質が高ければ、事業価値が高く評価されます。
– 技術力と独自性技術力が高く、独自の技術を持っていれば、買い手企業が期待するシナジー効果が高まります。
– 営業利益と成長性営業利益が高く、市場の成長性が高いと、事業価値が高く評価されます。
– 取引先の数と希少性多数の取引先を持つことで、事業の希少性が高まり、価値が評価されます。
– のれん代の評価技術やノウハウの「のれん」分が大きいと、事業価値が高く評価されます。
これらの要素を考慮することで、ITインフラ運営業の事業が高値で売却される可能性が高まります.
ITインフラ運営業の企業が会社を譲渡するメリット
ITインフラ運営業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです:
– 現金が手に入るので別事業に役立てやすい:事業売却でIT事業を譲渡すれば、現金で対価を貰えるので、譲渡で得た資金を別の事業に回しやすいです。
– 必要なエンジニアを会社に残せる:事業売却の場合、譲渡の範囲を自分で決められるので、必要なエンジニアを残すことができます。
– 売上に伸び悩むIT事業も売りやすい:事業売却なら、売上に伸び悩むIT事業を売れるチャンスが大きくなります。特定の事業を切り離す会社分割の場合、採算の取れていない事業が新規企業として今の会社から切り離し、完全に独立して経営してもらうのは困難です。
– のれん代を含めた対価を受け取れる:事業売却の場合、ノウハウや技術力などの「のれん」分の価値を含めて譲渡価格が出されるので、譲渡価格は高くなる傾向にあります。
– IT事業を求める多数の買い手に出会える:事業売却の方がM&A手法として一般的ですから、IT事業を求める多くの会社と出会えます。
– 事業規模の拡大や新規事業の立ち上げが容易:M&Aによって最新技術や優秀な従業員などの経営資源を確保でき、事業規模の拡大や新規事業の立ち上げが容易になります。
– リスクの低減:M&Aによって事業に必要な経営資源をまとめて獲得できるため、自社のみで挑戦する場合と比べて、より短期間・低リスクで目標を達成しやすいと考えられます。
– 経営資源の活用:M&Aによって獲得した最新技術や優秀な従業員、販売網、収益化のノウハウなどの経営資源を活用し、生産性・収益性などの向上を期待できます。
ITインフラ運営業の事業と相性がよい事業
ITインフラ運営業の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
1. データセンター事業
– データセンターの運営: データセンターは、企業のデータを安全に保存し、迅速にアクセス可能な環境を提供するため、ITインフラ運営業と相性がよい事業です。データセンターの運営には、サーバーの管理、ネットワークの監視、セキュリティの維持が必要です。
2. クラウドサービス事業
– クラウドサービス提供: クラウドサービスは、企業がリソースを効率的に利用できるようにするため、ITインフラ運営業と相性がよい事業です。クラウドサービスでは、サーバーの管理、データのバックアップ、セキュリティの維持が重要です。
3. ネットワークサービス事業
– ネットワークの設計・構築: ネットワークサービスでは、企業のネットワーク環境を安全かつ安定的に構築するため、ITインフラ運営業と相性がよい事業です。ネットワークの設計・構築には、障害対策やセキュリティ管理が含まれます。
4. セキュリティサービス事業
– セキュリティ対策: セキュリティサービスでは、企業のデータやシステムをセキュリティ上の脅威から守るため、ITインフラ運営業と相性がよい事業です。セキュリティ対策には、パスワードやアクセス権限の管理、セキュリティポリシーの管理が含まれます。
5. ITアウトソーシング事業
– ITアウトソーシング: ITアウトソーシングでは、企業がITインフラの運用・保守業務を外部に委託するため、ITインフラ運営業と相性がよい事業です。ITアウトソーシングでは、ネットワークやサーバの管理、監視などが行われます。
ITインフラ運営業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、ITインフラ運営業の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由がいくつかあります。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が大きな魅力です。これにより、コストを抑えつつ、安心してM&Aプロセスを進めることができます。さらに、豊富な成約実績を持っており、多くの企業様にご満足いただいております。ITインフラ運営業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なサポートを提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。