小糸製作所は、輸送機器向けの照明や信号機、街路灯などを製造するKIホールディングスを完全子会社化するためにTOBを実施することを決定した。KIホールディングスはTOBに賛同しており、小糸製作所の出資比率が50%の子会社である。買付価格は1株455円で、買付代金は最大93億8900円。買付期間は2019年4月24日~6月12日までを予定している。小糸製作所は、将来の自動運転車向けに信号機や街路灯などの道路インフラと車載システムを協調させる「インフラ協調型走行技術」の研究開発に、KIホールディングスと共同で取り組んでいる。完全子会社化により、同技術の開発を加速する考えだ。M&Aアドバイザーとしては、小糸製作所が自動運転車市場に参入するための戦略的な買収であると評価できる。また、KIホールディングスが上場廃止となることで、経営効率の向上が期待できる。