丸紅は、傘下の米穀物・肥料大手ガビロンの事業をカナダの穀物大手バイテラに売却することを発表した。譲渡価額は未確定だが、合計3000億~4000億円程度の資金回収を見込んでいる。丸紅は2012年にガビロンを買収したが、米中貿易摩擦の影響で穀物輸出が減少し、2020年3月期には800億円規模の減損損失を計上した。ガビロンの事業再編では、穀物エレベーターや肥料事業を丸紅に移管する。譲渡は2022年度中に完了する予定で、約4300億円を回収したと発表された。M&Aアドバイザーとしては、丸紅が穀物事業の見直しを進める中で、戦略的な判断を下したと評価できる。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。