JVCケンウッドによるJVC America, Inc.(JAI)の譲渡について
JVCケンウッドは、米国でCD・DVDディスクの製造・販売を手がけるJVC America, Inc.(以下、JAI)の全株式をカナダのCinram Group Inc.に譲渡すると発表いたしました。JAIはアラバマ州タスカルーサに所在し、売上高は51億5000万円、営業利益は△7億9000万円、純資産は16億9000万円を計上しています。インターネット環境のブロードバンド化に伴うダウンロード文化の浸透により、CD・DVDなどのパッケージ商品市場が縮小している状況を踏まえ、海外市場での需要減少が顕著なことが背景にあります。
譲渡に至った主要な理由
JVCケンウッドがJAIを譲渡する理由としては、ソフトパッケージ商品の市場縮小による供給過剰構造を緩和する目的が挙げられます。また、JAIの設備稼働率を向上させ、そこに働く人々の雇用維持につなげたいという意向も大きく影響しているとのことです。取得価額については非公表とされていますが、取得完了は2014年6月中旬を予定しています。
JAIの事業概要
JAIはCD・DVDディスクの製造・販売に特化しており、主に米国内の顧客を対象としています。昨今のダウンロード市場の伸長環境下でも業務を継続していましたが、市場構造の変化や競合の激化により厳しい経営状況にありました。JVCケンウッドは、この譲渡により事業再編を進めるとともに、JAI従業員の雇用を守る狙いを持っています。
今回の譲渡がもたらす影響
JVCケンウッドにとっては、不採算部門を整理することで経営資源をより効率的に活用できるようになります。また、Cinram Group Inc.が持つネットワークやノウハウを活かすことで、JAIが持つ製造設備と雇用を維持しながら収益性の改善が期待されます。
今後の展望
CD・DVDのパッケージ市場は縮小傾向にあるものの、ニッチな需要や地域的な需要は引き続き残ると想定されます。Cinram Group Inc.によるJAIの事業継続が、製品やサービスの品質維持につながるかどうか、引き続き注目していきたいところです。また、JVCケンウッドの事業戦略においても、今回の譲渡はさらなる事業再構築の一環として注目されます。
まとめ
JVCケンウッドは、市場環境の変化への柔軟な対応と、雇用維持の選択肢を両立させるためにJAIの譲渡を決めました。CD・DVD市場が縮小を続けるなかで、譲渡による再編が業界全体の構造変化を促す可能性もあります。
株式会社M&A Doのご紹介
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。