KDDIのラック完全子会社化を目的としたTOBについて
KDDIは7日、サイバーセキュリティーとシステム構築・運用を主力とするラックを完全子会社化することを目的に、TOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。KDDIはラックの株式を31.59%所有しており、AI(人工知能)・IoT(モノのインターネット)時代を見据えたサイバーセキュリティー事業を強化するために、両社の経営資源を集約する狙いです。買付代金は245億7300万円、買付価格は1160円で、TOB公表前日の終値742円に対して56.33%のプレミアムを加えたものとなっています。
株式の買付予定数と応募について
買付予定数は2118万4250株で、下限は所有割合34.42%にあたる1065万9600株とされています。第2位株主の野村総合研究所(NRI)は、所有する10.11%をTOBに応募する予定です。また、ラックはTOBに賛同しており、株主に応募を推奨すると発表しました。TOBが成立した場合、ラックは東証スタンダード市場への上場を廃止する見込みです。
ラックとKDDIのこれまでの経緯
ラックは2007年に旧ラックとエー・アンド・アイシステムの経営統合に伴い、「ラックホールディングス」として発足し、2012年に現社名に変更しました。2009年にジャスダック市場へ上場し、2022年4月に東証スタンダード市場へ移行しています。一方、KDDIは2007年から当時のラックホールディングスと資本提携を行い、セキュリティー市場の開拓を本格化してきました。2013年にはKDDIの持ち株比率が30%超に達し、両社は営業連携や商品開発を進めてきた経緯があります。
追記事項:TOB実施の詳細
2024年11月26日の発表によると、11月27日からTOBを開始し、買付期間は2025年1月15日までの30営業日となる見込みです。決済の開始日は2025年1月22日、公開買付代理人はみずほ証券が担当します。
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。