はじめに

本記事では、JVCケンウッドがイタリアのASK Industries S.p.A.(以下、ASK)を子会社化した事例についてご紹介いたします。車載用スピーカーからアンプなどの部品に至るまで幅広い製品を扱う企業の買収事例として、事業拡大の観点ではどのようなメリットがあるのかを解説してまいります。

JVCケンウッドによるASK買収概要

JVCケンウッドは、2015年4月を予定として、ASKの全株式を約36億7000万円で取得・子会社化することを決定しました。ASKは1967年に創業し、フォルクスワーゲンやダイムラー、フィアットといった欧州の主要自動車メーカー、さらにオーディオ関連機器メーカーを取引先としてきた企業です。

  • 売上高:216億円
  • 営業利益:9億3500万円
  • 純資産:43億3000万円

この買収によって、JVCケンウッドはASKのもつ取引先ネットワークを活用し、カーナビゲーションシステムやカーオーディオなどのカーエレクトロニクス関連システムの販売促進を期待しています。また、自動車メーカー向け車載用スピーカー市場においては、第2位のシェアをもつASKの技術力や顧客基盤を手に入れることが大きなメリットになるとされています。

買収の背景と目的

車載関連事業の強化

近年、自動車業界では高品質なオーディオ設備や高機能なカーナビゲーションの需要が高まっております。JVCケンウッドはASKの製品ラインナップや取引先を取得することで、車載関連事業のさらなる強化を狙っています。

グローバル展開の促進

ASKは欧州を中心に取引先を多数もっており、その顧客基盤を活用することで、JVCケンウッドは世界規模で販路を拡大する足がかりを得ることができます。特に欧州主要自動車メーカー向けの販売促進が今後期待されます。

シナジー効果

自動車メーカーとのパイプを太くするだけでなく、JVCケンウッドが得意とするカーナビシステムや車載オーディオの技術との組み合わせによるシナジー効果が見込まれています。すでにASKのシェアを活かし、より高品質なカーエレクトロニクス製品を開発・販売することで、市場での競争力を高める狙いがあります。

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