ANAホールディングスと日本貨物航空(NCA)の基本合意について

ANAホールディングスは7日、日本郵船傘下で国際航空貨物事業を手がける日本貨物航空(NCA、東京都港区。売上高1890億円、営業利益744億円、純資産△587億円)の全株式を取得し、子会社化することで基本合意したと発表しました。将来的にはANAグループの貨物事業会社であるANA Cargo(東京都港区)と統合・再編し、サプライチェーン(供給網)の高度化に対応した高品質で競争力のある航空貨物輸送サービスの提供を目指すとしています。なお、取得価額は未確定で、取得予定日は2023年10月1日または両社が別途合意した日とされています。

NCAは1978年に日本郵船など海運4社と全日本空輸(現ANAホールディングス)が共同出資して設立された国際航空貨物専門会社です。その後の経緯として、日本郵船は2005年にNCAを連結子会社化し、2010年に完全子会社化しました。ANAホールディングスはこの間、航空機整備部門における業務協力や、両社運航便での共同運航(コードシェア)、連帯運送などを通じて相互の協力関係を築いてきた経緯があります。

取得・株式交換の詳細経緯

ANAホールディングスによるNCAの子会社化は、株式交換という形で進められています。当初は2023年10月1日付での完全子会社化が予定されていましたが、その後さまざまな事情により延期が繰り返されています。以下に発表内容の主な追加事項をまとめました。

追記事項の経緯

  • 2023年7月10日:株式交換により10月1日付で完全子会社化すると発表。株式交換比率はANAホールディングス1:日本貨物航空0.009815。
  • 2023年9月26日:株式交換日を2024年2月1日に延期すると発表。
  • 2024年1月30日:株式交換日を2024年4月1日に延期すると発表。
  • 2024年3月22日:株式交換日が2024年7月1日になったと発表。国内外の関係当局による企業結合審査の完了に要する時間などを考慮し、延期することに。
  • 2024年6月10日:株式交換日を2025年3月31日に延期すると発表。

ANAホールディングスが目指す統合・再編

ANAホールディングスはNCAを取得し、統合・再編を進めることで、サプライチェーンの高度化に対応した質の高い航空貨物輸送サービスを提供すると発表しています。特に、グローバルな物流需要の高まりを受けて、競争力強化が急務となっており、NCAとの統合により効率的かつスムーズな運営が期待されています。

今後の展望

ANA CargoとNCAの一体的な運営により、国際航空貨物事業へのさらなる投資やサービス品質の向上が図られ、国内外の物流業界にも大きな影響を与えると考えられています。しかしながら、企業結合審査などのプロセスもあり、株式交換日に関しては延期が繰り返されているため、状況を注視する必要があります。

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