第一三共は、中国におけるニューキノロン系抗生物質「クラビット製剤」事業と関連する現地生産子会社の全株式を、重慶薬友製薬に譲渡することを決定した。譲渡価額は非公表で、譲渡予定は2022年8月末。クラビット製剤の特許が満了し、ジェネリック医薬品使用促進策が進められていることから、グループ外への譲渡が最適と判断した。DSBJで製造するクラビット製剤以外の製品については、中国国内のグループ会社に生産を移管し販売を継続、または生産を中止する予定としている。
M&Aアドバイザーとしてのコメント:第一三共のクラビット製剤事業の譲渡は、中国市場におけるジェネリック医薬品の普及による競争激化を受けた戦略的な判断である。グループ内での製品ラインナップの見直しや、新たな事業展開に注力することで、今後の成長につなげることが求められる。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。