NTTによるTOB実施の背景
NTTは、NTTドコモを完全子会社化するためにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しました。NTTは現在ドコモ株の66.21%を保有しており、TOBを通じて残りの33.79%を取得する計画です。買付代金は最大約4兆2544億円にのぼり、全てを取得できなかった場合には株式併合などの手続きを通じて完全子会社化を進める方針です。ドコモはTOBに賛同を表明しており、TOB成立後には上場廃止になる見通しです。
TOBの目的と狙い
移動体通信事業者間の競争が激化する中、NTTはドコモを完全子会社化することで経営の意思決定スピードを高める考えです。グループ全体が一丸となり、次世代通信規格「5G」をベースとした新サービスの創出や料金・サービスの競争力強化に取り組むほか、次世代通信技術に関する研究開発をより強化していく方針としています。
今回のTOBの概要
- 買付価格:1株あたり3900円(TOB公表前営業日の終値2775円に対して40.54%のプレミアム)
- 買付予定数:10億9089万6056株
- 下限:1468万6300株(0.45%)
- 買付期間:2020年9月30日から11月16日まで(33営業日)
- 買付代理人:三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- 決済開始日:2020年11月24日
NTTドコモの歩み
NTTドコモは、1991年にエヌ・ティ・ティ・移動通信企画として設立されました。1992年にはNTTから移動通信事業を譲り受け営業を開始し、1998年に東証一部へ上場しました。以来、日本を代表する移動体通信事業者として成長を続けてきました。
今後の見通し
TOB成立後に上場廃止が見込まれることで、ドコモの経営はNTTグループの下でさらなる効率化とサービス強化を図っていくと考えられます。5Gをはじめ次世代通信技術の研究開発により一層の力を注ぐことで、国内外の事業環境の変化に迅速に対応していく方針です。
株式会社M&A Doのご紹介
株式会社M&A Doは、売り手から一切の手数料をいただかないこと、そして売主様の譲渡後の資産を最大化することを強みとしている企業です。M&Aのプロフェッショナルとして、スムーズな譲渡・買収のサポートを行い、お客様の将来設計をしっかりと支えておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。