JSRによるInpria Corporationの子会社化について
JSRは17日、次世代EUV(極端紫外線)用メタルレジストメーカーである米国Inpria Corporation(オレゴン州。売上高2540万円、営業利益△13億6000万円、純資産17億5000万円)の株式を79%追加取得し、子会社化すると発表しました。これにより、現在21%である持ち株比率を100%に引き上げることになります。Inpriaの事業価値に関しては約565億円で合意しており、2021年10月末までに取得完了を予定していました。
次世代EUVフォトレジスト事情とメタルレジストの期待
半導体の微細化が進む中で、高解像度のEUVフォトレジスト(塗布剤)の需要は急速に高まっております。その中でも、メタルレジストは有望な素材として期待されています。Inpriaは2007年に設立されて以来、EUV用メタルレジストの開発に取り組み、スズ酸化物を主成分とした製品を開発することで、EUV露光系で世界最高性能の限界解像度を達成しているといわれています。
子会社化の手法と買収後の展開
今回の買収は、JSRが米国内に設立した特別目的会社(デラウェア州)をInpriaと合併させ、合併後の存続会社がInpriaとなる逆三角合併方式で行われます。これによりJSRはInpriaの経営に深く関与し、半導体用メタルレジスト事業のさらなる拡大と技術開発に取り組むことが見込まれています。
買収手続き完了に関する追記事項
2021年10月29日(米国時間)、当初の予定どおり買収手続きが完了したと発表されました。これによりInpriaはJSRの完全子会社となり、今後さらなる技術強化と事業拡大が期待されます。
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。