JEUGIAのMBOによる非公開化発表

JEUGIAは31日、経営陣による買収(MBO)を受け入れて非公開化すると発表しました。西村昌史社長が全額出資で設立した新会社「cross road」(京都市)がJEUGIAに対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、全株取得を目指します。

非公開化の背景と狙い

JEUGIAは楽器販売などの音楽事業とカルチャー事業を経営の両輪としてきましたが、国内市場の縮小傾向が続いています。そこで非公開化を通じて抜本的かつ機動的な意思決定を可能とする経営体制を構築し、今後の事業展開を強化することが狙いです。

TOBの概要

cross roadがJEUGIA株を1株あたり1720円で買い付けるTOBを実施し、全株取得を目指します。これはTOB公表前日の終値1272円に対して35.22%のプレミアムを加えた金額です。買付代金の最大額は約14億1400万円で、買付予定数の下限は所有割合67.95%に設定されています。買付期間は2月3日から3月17日までの30営業日で、公開買付代理人はみずほ証券、決済開始日は3月25日となっています。

主要株主の対応

JEUGIAはTOBに賛同しており、同社株の32.1%を保有する筆頭株主のヤマハミュージックジャパン(東京都港区)もTOBに応募を決めています。

JEUGIAの歴史と事業展開

JEUGIAは1898年、東京・銀座に本店を構えた十字屋が京都に置いた仮店舗から独立する形で、「十字屋田中商店」として創業しました。1952年に田中楽器店を設立し、1975年に十字屋を経て、1990年に現在の社名に変更しました。1991年には大阪証券取引所2部(現東証2部)に上場しております。

音楽事業とカルチャー事業

ヤマハ系の楽器販売を起点に、レコードやCDなどへ取扱商品を拡大し、1960年代からはヤマハ音楽教室の運営を始めました。その後、カルチャー事業へも積極展開を図り、近年はカルチャー事業が堅調な一方で、売上高の6割強を占める音楽事業の低迷が続いている状況です。

まとめ

JEUGIAは経営環境の変化に対応しながら、非公開化を通じて機動的な意思決定ができる新たな体制を整えようとしています。TOBの成立によって、同社が今後どのように事業戦略を展開するのかが注目されます。

株式会社M&A Doについて

株式会社M&A Doは、売り手様から手数料を一切いただかず、売主様の譲渡後の資産を最大化できることが強みのM&A支援会社です。経営体制の強化や事業承継などを検討される際に、親身なサポートと専門家ネットワークを活かした柔軟な提案を行っております。