INCLUSIVEの株式譲渡について
INCLUSIVEは、漫画家向けデジタルサービスを手がける子会社のナンバーナイン(東京都品川区。売上高6億5300万円、営業利益△1億1000万円、純資産6940万円)の株式62.8%を、家庭用ゲームソフト開発のサイバーコネクトツー(福岡市)など複数の事業会社・個人に譲渡することを決定しました。譲渡価額は6億9000万円で、譲渡予定日は2023年11月14日です。
譲渡の背景と狙い
INCLUSIVEでは経営資源の選択と集中を図り、宇宙領域や地方創生領域への投資を強化する方針を打ち出しています。ナンバーナインが手がけるデジタル配信サービス「ナンバーナイン」や確定申告代行サービス「no9tax」、WEBTOONの編集企画などは今後も大きな成長が見込まれるものの、人材やオリジナルIPへの継続的な投資が必要と判断し、グループ外の企業に経営を託すことを選択しました。INCLUSIVEとしてはナンバーナインの株式16%を継続保有し、一定の関与を残す考えです。
ナンバーナインの事業内容
ナンバーナインは2016年に設立され、INCLUSIVEが2022年1月に子会社化した企業です。漫画家が活動領域を広げられるよう、下記のような多角的なサービスを展開しています。
- デジタル配信サービス「ナンバーナイン」
- 確定申告代行サービス「no9tax」
- WEBTOON(縦読み漫画)の編集企画
特にWEBTOONは将来的に大きな成長が見込まれる分野として注目されています。しかし、他社に対する競争優位性を保つためにはクリエイター獲得やオリジナルIPの確立など、継続的かつ大規模な投資が必要となることから、今回の譲渡に至ったとされています。
譲渡のポイント
株式譲渡によってナンバーナインの主体はグループ外へ移るものの、INCLUSIVEが株式の一部を保有することで連携が完全に途切れるわけではありません。今後はINCLUSIVEが注力する宇宙領域や地方創生領域へ重点的に経営資源を配分しつつも、ナンバーナインとの共同施策が検討される可能性も考えられます。
お料理の視点で例えるなら
このマネジメント戦略は、料理のレシピを見直すようなものです。限られた食材や調理器具を効率よく使い、得意なメニューに集中することで、おいしさや品質を最大化する考え方と似ています。新しく伸びる領域にエネルギーを注ぐため、他に手がかかる部分は上手に外部に委託し、全体のバランスを整えるわけです。
料理と同様、企業経営でも「何を一番得意とし、どこに投資するか」をしっかり見極めることが、質の高い成果につながるといえます。
株式会社M&A Doのご紹介
株式会社M&A Doは、売り手から手数料を一切いただかず、
売主様の譲渡後の資産を最大化できることを強みとしております。
企業の譲渡に関わる様々な場面で、豊富な知識と経験を活かし、
お客様に合った最適なご提案を行っている企業です。

株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。