I-PEX、MBO(経営陣による買収)による株式非公開化を発表
I-PEXは7日、MBO(経営陣による買収)を通じて株式を非公開化すると発表しました。創業家一族の資産管理会社であるDMC(京都市)が設立した買収目的会社を介し、TOB(株式公開買い付け)を実施する形となります。買付代金は331億円とされ、I-PEXは非公開化によって今後の事業構造再編や新市場開拓を中長期視点で進めやすくなると判断しています。
買付価格と買付予定数
買付価格は1株につき2950円で、TOB公表前日の終値1565円に対して88.5%のプレミアムが付与されています。買付予定数は1122万5506株で、下限は所有割合27.18%にあたる504万2000株に設定されています。筆頭株主であるDMC(36.77%所有)や創業家関係者が所有する合計39.49%の株式はTOBに応募しない予定です。
TOBへの賛同と株式上場廃止について
I-PEXは今回のTOBに賛同し、株主に応募を推奨しています。TOBが成立するとI-PEXは東証プライム市場から上場廃止となります。買付期間は11月8日から12月19日の30営業日で、決済の開始日は12月26日とされています。なお、公開買付代理人は三菱UFJモルガン・スタンレー証券、復代理人はauカブコム証券となっています。
会社概要とこれまでの歩み
I-PEXは1963年、創業者の小西昭氏が精密金型製作を目的に「第一精工」として京都市で設立した企業です。現在はパソコンやスマートフォン、自動車などに用いられるコネクター事業を中心に、半導体樹脂封止装置などの設備事業も手がけています。2006年にジャスダック市場へ上場し、2011年には東証1部へ上場(2022年4月に東証プライム市場へ移行)しました。2020年に現社名「I-PEX」へと改称し、グローバルに事業を展開しています。
非公開化の背景と狙い
I-PEXはパソコンや自動車など、特定の市場に依存しない強固な事業構造を維持しつつ、新市場の開拓を中長期的に進めるためには非公開化が望ましいと判断しています。上場廃止後は、経営の柔軟性を高め、成長戦略をより機動的に実行していく方針とみられます。
今後の展望
TOBの成立後は大規模な事業再編や新技術開発への投資など、長期的な視点での取り組みが進められる見通しです。個々の事業領域で競争力をさらに強化し、国内外の競争環境を踏まえた上で、I-PEXが持続的に成長していくための戦略が期待されています。
株式会社M&A Doのご紹介
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。