FホールディングスによるフジフーズのTOB実施について
Fホールディングス(東京都千代田区)は、調理食品メーカーであるフジフーズを非公開化することを目的に、株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表しました。フジフーズはこのTOBに賛同の意見を表明しており、TOBの成立後は上場廃止となります。
TOBの背景と目的
今回のTOBは、Fホールディングスがフジフーズ経営陣と協同で行うMBO(経営陣による買収)の一環です。フジフーズは調理食品の製造・販売において、デイリーメーカーの先駆的存在として経営基盤を築いてきましたが、業績悪化の続く事業領域が拡大し、さらに業界全体の競争環境が厳しさを増していました。
このような状況下で事業構造改革を迅速に実行するにあたり、短期的な利益水準の悪化などが見込まれるため、上場を維持したままでの改革は難しいと判断されました。そこで、株式の非公開化が得策とされ、今回のTOBの発表に至ったのです。
TOBの内容
TOBの買付価格は1株あたり500円となっており、これは2010年6月17日の対象株式の終値266円に対して88.0%のプレミアムを加えた価格です。買付予定数は1,379万4,386株(下限は1,010万1,258株)で、買付額は最大68億9,000万円にのぼります。公開買付期間は2010年6月21日から8月2日まで予定されています。
今後の見通し
TOBが成立した場合、フジフーズは上場廃止となり、経営陣による買収(MBO)のもとで経営が進められる見込みです。非公開化により、短期的な株主への利益還元の圧力から解放されることで、フジフーズが抱える課題を解消する成長戦略をすばやく実施し、中長期的な企業価値向上をめざしていくと考えられます。
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。