ENEOSホールディングスによるJSRエラストマー事業買収について

ENEOSホールディングスは2021年11月11日、JSRからタイヤ素材のエラストマー事業を2022年4月をめどに買収すると発表しました。エラストマー事業は低燃費・高性能タイヤの主力製品であるSSBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)を扱っており、今後も自動車需要の拡大や動力源の変化にかかわらず、タイヤへの需要が見込まれることから、さらなる成長が期待されています。

買収の背景

世界的な自動車需要の高まりやガソリン車から電気自動車(EV)への移行など、自動車技術の変化に応じたタイヤの継続的な需要を鑑み、ENEOSホールディングスはエラストマー事業を重要な成長分野と判断しました。タイヤは自動車の動力源や形態が変化しても必要性が高いことから、エラストマーの需要は今後も安定的に拡大が期待されています。

買収金額

買収金額は企業価値1150億円をベースに、純有利子負債や運転資本などを調整したうえで確定される見通しです。2021年3月期におけるJSRエラストマー事業の売上高は1431億円(前期1787億円)、部門損益は114億円の赤字(前期は17億5800万円の赤字)となっています。

エラストマー事業の移管と新会社設立

JSRはエラストマー事業を会社分割して「日本合成ゴム分割準備株式会社」(東京都港区)を設立し、同社にエラストマー事業を移管したうえで、ENEOSホールディングスは傘下のENEOSを通じて新会社の全株式を取得します。これによりエラストマー事業を効率的に引き継ぎ、さらなる事業拡大が期待されています。

譲渡完了の追記事項

JSRは2022年4月1日付で譲渡が完了したと発表しました。これにより、ENEOSホールディングス傘下でのエラストマー事業は本格的にスタートし、グローバルな自動車市場のニーズに対応した将来的な成長が一層見込まれます。

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