ENEOSホールディングスによるジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)の買収について

ENEOSホールディングスは2022年1月11日、米金融大手ゴールドマン・サックス(GS)の傘下で太陽光など再生可能エネルギー発電大手のジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE)の全株式を取得し、子会社化すると発表しました。取得価額は約2000億円とされており、2022年度末までに再生可能エネルギー事業の発電容量を国内外で100万キロワット超に拡大する目標を掲げ、脱炭素化への取り組みを加速させる見通しです。取得完了は2022年1月下旬を予定しているとしていました。

JRE(ジャパン・リニューアブル・エナジー)の概要

JREは2012年に設立され、株主構成はゴールドマン・サックスが75%、シンガポール政府投資公社が25%を保有していました。全国40数カ所で太陽光を中心に陸上風力、バイオマスの再生可能エネルギー発電事業を展開しており、海外では2020年9月に台湾で太陽光発電事業を開始しています。2021年9月時点で運転中の再エネ発電容量は約37.9万キロワット、建設中を含めると約70.8万キロワットに達しており、今後は洋上風力発電にも進出する予定です。

ENEOSとの戦略的背景

ENEOSは2021年9月、ゴールドマン・サックスと共同で上場子会社のNIPPO(道路舗装最大手)に対してTOB(株式公開買い付け)を実施し、非公開化を図る計画を発表しました。これは親子上場を解消するとともに、得られる資金を脱炭素関連の成長分野に投資していく狙いがあります。NIPPO株の売却によりENEOSは約1900億円を得るとみられ、その資金をJRE買収の原資に充てるものとされていました。

買収の狙い

ENEOSは国内最大級の総合エネルギー企業として、石油やガスに加えて再生可能エネルギー分野へも積極的に進出し、脱炭素化を推進しています。本買収により、JREが持つ再エネ発電のノウハウや事業基盤を取り込むことで、組織としての再生可能エネルギー事業の拡充と2030年以降を見据えた事業構造転換が期待されています。

追記事項(2022/01/14)

2022年1月14日、ENEOSはJREの株式取得が完了したと発表しました。実際の取得価額は1912億4400万円となり、ENEOSが94.9%、ENEOS傘下の合同会社フォレストS(東京都千代田区)が5.0%、合同会社フォレストE(同)が0.1%を取得しました。

株式会社M&A Doのご紹介

株式会社M&A Doは、売り手企業様からは一切の手数料をいただかず、譲渡後の資産を最大化できることを強みとしているM&A仲介会社です。豊富な経験と専門性を活かしながら、売主様のご要望や状況に合わせた最適なM&Aをサポートいたします。