ENEOSホールディングスによるタツタ電線のTOBの概要
ENEOSホールディングスは2023年6月21日より、傘下のJX金属を通じてタツタ電線(東京都港区)の株式公開買い付け(TOB)を実施していました。今回、26日に買付価格を従来の720円から60円引き上げて780円にすることを発表し、TOBの成立確度を高める狙いがあります。
買付価格引き上げの背景
26日のタツタ電線株の終値は6円高の743円で、買付価格引き上げによって投資家にとっての売却メリットが増大することが期待されています。ENEOSホールディングスは、TOB成立までは複数の要因を考慮しながら買付条件の調整を行っており、今回の引き上げもその一環とみられます。
TOB期間の延長
あわせて、TOBの買付期間も8月2日から8月19日まで10営業日延長されました。これは2度目の延長となります。TOBは当初、2023年6月をめどに開始予定でしたが、中国当局の審査が長引き、予定より1年遅れてのスタートとなりました。
ENEOSの狙いとタツタ電線の完全子会社化
ENEOSは2022年12月にタツタ電線をTOBによって完全子会社化する計画を発表しました。今後、タツタ電線の技術力や市場での優位性を取り込み、グループとしての成長を目指す見込みです。TOBが成立すれば、タツタ電線はENEOSグループの一員としてさらなる事業拡大に取り組むことが期待されています。
今後の見通し
間近での株式市場の動向や海外当局の審査状況など、TOBの行方を左右する要因はいくつか考えられます。買付価格を引き上げたことで投資家の応募が増える可能性がある一方で、TOBの成立には一定の応募率を満たす必要があるため、今後の動向にも注視が必要です。
株式会社M&A Doのご紹介
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株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。