はじめに

近年、事業承継や会社の売却を検討する中小企業の経営者にとって、M&A(合併・買収)は有力な選択肢となっています。専門のM&A仲介会社に依頼すれば、適切な買い手企業の探索や交渉のサポートなど、円滑なM&A成約に向けた手厚い支援を受けることができます。しかし一方で、M&A仲介会社に支払う手数料の高さが経営者にとって大きな課題となっています。実際、一般的なM&A仲介会社を利用する場合、譲渡企業(売り手)は数千万円規模の仲介手数料を負担するケースも少なくありません。これは売却金額がそれほど大きくない中小企業にとって、決して無視できないコストです。

本記事では、経営者の視点からこのM&A仲介手数料の問題について解説します。まず仲介会社の手数料体系とその問題点を整理し、次に高額な手数料が譲渡企業(売り手側)にもたらす影響を考察します。その上で、株式会社M&A Doが提供する売り手手数料無料モデルの仕組みとメリットを紹介し、高額な手数料問題の解決策としてどのような価値を提供しているのかを見ていきます。最後に、経営者がM&A仲介会社を選ぶ際の重要性とポイントについて触れ、事業承継を成功させるための選択肢を提案します。M&Aを検討中の経営者の方々にとって、有益な情報とメッセージとなれば幸いです。

M&A仲介会社の手数料体系とその問題点

一般的なM&A仲介会社では、複数種類の手数料が設定されています。主な手数料には以下のようなものがあります。

  • 着手金(契約時の固定費用)
    正式に仲介契約を結ぶ際に発生する費用です。主に買い手候補の探索や企業評価・資料作成など初期業務にかかる人件費等をまかなう名目で請求されます。金額は仲介会社によって様々ですが、一般的な相場は50~300万円程度とされています。注意すべき点は、この着手金はM&Aが不成立に終わっても返金されないことです。つまり、途中で相手が見つからなかったり交渉が破談になった場合でも、一度支払った着手金は戻ってこないリスクがあります。

  • 成功報酬(レーマン方式による成果報酬)
    M&Aが成約(クロージング)した際に支払う成功報酬です。多くの仲介会社がレーマン方式と呼ばれる料率テーブルに基づき算出します。レーマン方式では譲渡価格の金額帯に応じて料率(パーセンテージ)が設定され、一般的に取引金額の数%(約1~5%)が成功報酬の相場です。特に譲渡価額が5億円以下の中小型案件では、一律で5%前後の高い料率が適用されるケースが多く、譲渡企業にとって負担が大きくなりがちです。成功報酬はM&A成立時のみ支払う成果連動型の費用ですが、譲渡代金が大きくなるほど絶対額も巨額となります。

  • 最低手数料(成功報酬の下限額)
    仲介会社によっては、成功報酬に最低額が定められています。最低手数料とは、レーマン方式で計算された成功報酬額が一定額に満たない場合でも必ず支払わねばならない下限額のことです。一般に大手仲介会社では1,000万円~3,000万円程度の最低手数料が設定されている場合が多く、中堅・中小の仲介会社でも500万~1,000万円前後が下限として定められることがあります。たとえ計算上の成功報酬額がそれより少額でも、その最低額を支払う契約になっているため、譲渡金額が小さい場合には実質的に非常に高い手数料率を負担する結果になりかねません。例えば譲渡価格が1億円程度の小規模M&Aでも、最低手数料が2,000万円なら20%もの手数料を支払う可能性があるということです。

(※この他にも、仲介会社によっては月額報酬(顧問料)や中間報酬(基本合意契約締結時など一定の段階で発生する報酬)が設定される場合もあります。ただし近年は「完全成功報酬制(成功時以外は無料)」を掲げる仲介会社も増えており、月額報酬や中間金を請求しない所も多くなっています。)

以上のように、M&A仲介会社の手数料体系は多岐にわたり複雑です。その結果、譲渡企業が負担する総コストも高額になりがちであり、いくつか問題点が指摘されています。

高額化する理由:成功報酬の料率 & 最低手数料

第一に、手数料総額が高額化する理由として、成功報酬の料率設定と最低手数料の存在が挙げられます。レーマン方式では中小規模の譲渡であっても一律5%程度の成功報酬率が適用されるため、小さい案件ほど依頼者(譲渡企業)の負担が大きくなる傾向があります。さらに最低手数料が高額に設定されている場合、譲渡規模に関係なく一定額以上の支払いが発生するため、取引額が小さい案件では成功報酬率以上に重い手数料負担となってしまいます。仲介会社側の論理としては、極端に規模が小さい案件では通常の料率計算だと採算が取れないため下限額を設けるという狙いがありますが、売り手からすれば少額の案件ほど割高な費用を請求される不公平感につながります。

着手金等の固定費リスク

第二に、着手金等の固定費が発生する場合のリスクです。着手金は契約時に支払う固定費用ですが、前述の通りM&Aが不成立でも返金されません。そのため「もし良い相手が見つからなかったら、ムダなお金になってしまうのではないか」という心理的・経済的リスクを経営者に背負わせることになります。また月額制の顧問料などがあれば、成立までの期間が長引くほど費用総額が増えてしまいます。これらの成果と無関係に発生する費用は、譲渡企業にとってM&A着手へのハードルを上げる要因となります。

不透明な手数料体系

第三に、手数料体系の不透明性も問題視されています。多くの仲介会社では成功報酬の料率(レーマン方式の%)は公表していても、最低手数料の額までは公式サイト上で開示していないケースが見られます。そのため、実際に相談を進め契約段階になって初めて「最低◯◯万円の手数料」が存在することを知る経営者も少なくありません。また仲介会社によって手数料の内訳や条件はまちまちで、相場の幅も非常に広いため、「どのくらいの費用が妥当なのか」「提示された条件は高すぎないか」を判断しにくい状況があります。こうした不明瞭さは譲渡企業側の不信感につながりやすく、「知らないうちに不利な条件を飲まされるのでは」という懸念を生む要因となっています。

なお、この手数料体系の不透明さや仲介会社の利益構造については、公的にも問題点が議論されています。政府内でも「M&A仲介事業者の利益相反構造」や「高額な最低手数料」といった問題が取り上げられており、M&Aを円滑に進めるために仲介業者の手数料体系の開示を進める方針が打ち出されています。つまり、仲介会社の収益モデルが売り手・買い手双方から手数料を得る現行の形(両手取引)では利害対立の懸念があり、特に不透明な報酬形態は是正すべきだと指摘されているのです。こうした背景もあり、経営者側としては仲介会社の提示する手数料条件を冷静に見極める必要性が一段と増していると言えるでしょう。

以上のように、従来型のM&A仲介会社の手数料体系には「高額になりやすい構造」と「譲渡企業から見た不透明さ」の両面で課題があります。では、そうした高額な手数料を支払うことで具体的にどのような影響が譲渡企業にもたらされるのか、次の章で詳しく見ていきます。

高額な手数料が譲渡企業に与える影響

M&A仲介手数料が高額になると、譲渡企業の経営者(オーナー社長)が受け取る売却対価の手取り額が大きく減少する結果となります。苦労して築き上げた会社を譲渡して得られる対価は、本来であれば今後のご自身の生活資金や新たな挑戦の原資、あるいは創業家や社員への還元など様々な目的に充てられる貴重な財産です。しかし、その中から仲介会社へ数千万円規模のフィーを支払えば、オーナーの手元に残る資金は大きく目減りしてしまいます。

例えば、譲渡価格が1億円のM&Aを成立させた場合を考えてみましょう。成功報酬5%の契約であれば500万円を仲介手数料として支払うことになります。さらに最低手数料が1,000万円と設定されていれば、仮に5%計算では500万円で済むはずの案件でも倍の1,000万円を支払わなければなりません。結果として、売却益1億円に対し実質的な手数料率は10%にも達し、オーナーの手取り額は9,000万円程度に減ってしまう計算です。実際、「譲渡代金3,000万円に対し仲介手数料2,500万円を請求された」という極端な事例も報告されており、小規模M&Aでは手数料が売却額に迫るほど占めてしまうケースすらあり得ます。そのような事態になれば、譲渡企業オーナーにとってM&Aを行う経済的メリットは半減どころか、ほとんど失われてしまうでしょう。

このように売却後に手元に残る資産が減少することは、経営者にとって大きな痛手です。特に中小企業の事業承継では、オーナー自身の老後資金や家族への財産承継として売却益に期待する部分も多いだけに、手数料で何千万円も差し引かれるのは看過できない問題です。また、仮に会社に残して従業員への慰労金や退職金原資に充てようと考えていた場合でも、手数料分だけそれらに充当できる資金が減ることになります。要するに、高額な仲介手数料は譲渡企業オーナーの得られるべきリターンを直接的に棄損することになるのです。

手数料負担が重いことは、経営者の心理面にも影響を与えます。本来M&Aは、後継者不足の解消や事業の存続発展のために有効な手段ですが、費用面のハードルが高いと「それだけ払うぐらいなら、無理にM&Aしなくてもいいのではないか」と二の足を踏んでしまうことがあります。事実、仲介手数料が高額すぎる場合、M&Aによるメリットを上回るコスト負担が発生し、本末転倒だとしてM&Aそのものを断念せざるを得ないケースも少なくありません。特に中小企業では経営資源に限りがあるため、費用対効果を慎重に考えた結果、「見合わない」と判断してM&Aを見送る例が多く見られます。

また、高額な手数料の存在は事業承継プロセスに悪影響を及ぼす可能性があります。オーナーにとって、ただでさえ自社を手放す決断は簡単ではありませんが、そこに数千万円もの費用負担リスクが加われば、なおさら決断を先延ばしにしがちです。「もう少し自分で経営を続けてみよう」「後継者探しはもう少し様子を見よう」といった具合に、M&Aのタイミングを逃してしまう恐れがあります。その結果、社長の高齢化が進み事業の衰退が始まってからでは、せっかくM&Aをしようと思っても会社の価値が下がりすぎて買い手がつかない、といった悪循環に陥るリスクもあります。

実際のところ、仲介手数料の高さが事業承継を遅らせる原因となっていたケースは少なくありません。M&Aは本来、会社の存続や成長の大きなチャンスですが、中小企業にとって仲介手数料は非常に大きなハードルとなり得ます。そのハードルゆえに事業承継の機会を逃し、結果的に廃業や経営縮小に至ってしまうのは、経営者本人にとっても従業員や取引先にとっても望ましくない結末です。

さらに、手数料負担が大きい状況では交渉上のジレンマも生じ得ます。売り手としては少しでも高く売却したい一方で、手数料がその一定割合で差し引かれるとなれば、「希望額で売れても○○万円は手数料で消えるのか…」という思いが頭をよぎります。場合によっては「それならもう少し売価を上乗せしてもらわないと納得できない」と強気になり、交渉が難航する原因になるかもしれません。しかし買い手からすると、提示価格に加えて高額な仲介手数料も支払わなければならない(買い手側にも手数料が課される場合)ため、「そこまでのプレミアムは出せない」と折り合わなくなる可能性もあります。つまり、高額な手数料は売り手・買い手双方の心理に影響を与え、合意形成を妨げる要因にもなりかねないのです。

総じて、従来型の高額な仲介手数料体系の下では、譲渡企業オーナーは経済的リターンの目減りと意思決定の停滞という二重のマイナス影響を被る恐れがあります。では、この問題を解消しうる仕組みはあるのでしょうか?――その一つの解決策として注目されるのが、**株式会社M&A Doが導入している「譲渡企業から手数料を一切取らないモデル」**です。次の章では、M&A Doの手数料無料の仕組みと、それが譲渡企業オーナーにもたらすメリットについて詳しく説明します。

株式会社M&A Doの手数料無料の仕組みとメリット

上記のような背景から、「売り手企業の手数料負担をゼロにする」という画期的なビジネスモデルを打ち出したのが株式会社M&A Doです。M&A Doはその名の通りM&A仲介事業を行う企業ですが、従来型の仲介会社と決定的に異なるのは、譲渡企業(売り手)からは一切手数料を受け取らない点にあります。つまり、M&A DoにM&Aの仲介を依頼しても、着手金・月額報酬・成功報酬といったあらゆる手数料が売り手には発生しません。このモデルは国内でも非常に珍しく、業界初の取り組みとして注目されています。

では、M&A Doはどのようにして事業を成り立たせているのでしょうか。同社は買い手企業からのみ手数料を受け取る収益モデルを採用しています。具体的には、M&A成約時に買い手側から成功報酬を頂くことで運営費用をまかなっているのです。言い換えれば、M&A Doは売り手企業に対して完全無料でサービスを提供し、その対価を買い手企業からの仲介手数料(成功報酬)で得ている形になります。したがって、M&Aが成立しても譲渡企業オーナーは仲介手数料を1円も支払う必要がありません。これは売り手にとって大きなメリットです。

M&A Doがこのようなモデルを採用した背景には、「誰でも気軽にM&Aの選択肢を検討できる環境を整えたい」という理念があります。従来、仲介手数料の負担が経営者にとって心理的・金銭的な壁となり、事業承継型M&Aの一歩を踏み出せないケースが多々ありました。そこでM&A Doは譲渡企業からの仲介手数料を一切求めない完全無料モデルを導入し、その壁を取り払おうとしているのです。これにより、譲渡企業は費用負担を気にすることなくM&Aに着手できるようになります。経営者にとって「まずは話だけでも聞いてみよう」「良い相手がいれば検討してみよう」と気軽に相談できる環境が整うわけです。

では、M&A Doの「売り手手数料無料モデル」によって具体的にどのようなメリットが得られるのか、主なポイントを整理してみましょう。

  1. 譲渡オーナーの売却益を最大化できる
    最大のメリットは、何と言っても売り手オーナーの手取り額が増える(目減りしない)ことです。従来なら成功報酬として差し引かれていた数%~数千万円の費用負担がゼロになるため、その分まるごと譲渡代金を自分のものにできます。M&A Do自身、「譲渡オーナー様の譲渡後の資産を最大化」することを使命に掲げており、実際に数千万円規模の手取り増加を実現した売り手の例も報告されています。仲介手数料が無料になれば、本来仲介会社に支払っていたはずの資金を退職後の生活資金や次のビジネスへの投資、社員への功労金など好きな用途に充てることができます。これは経営者にとって非常に大きな経済的メリットです。

  2. 手数料負担ゼロの安心感で事業承継に踏み出せる
    費用面の不安がないことで、経営者はタイミングを逃さずに事業承継の一歩を踏み出しやすくなります。前章で述べたように、高額な手数料負担への懸念からM&Aの決断を先延ばしにしてしまうケースは少なくありません。しかしM&A Doであれば、「相談してもお金がかからない」「相手が見つかっても自分は損しない」という安心感があるため、躊躇なく早期に行動を起こせるようになります。これは後継者問題の早期解決につながり、結果的に事業承継をスムーズに進める効果が期待できます。経営者にとっては、費用の心配をせずにベストなタイミングで第三者承継に踏み切れるという心理的メリットは計り知れません。

  3. 小規模企業ほど恩恵が大きい
    規模の小さい譲渡案件ほど、M&A Doのモデルは最適に機能すると考えられます。なぜなら、先述の通り小規模M&Aでは従来型仲介の最低手数料適用により手数料負担が相対的に非常に重くなりがちですが、M&A Doであればその心配が一切ないからです。実際、地方の小さな老舗企業や年商数億円規模の会社でも、手数料無料モデルであれば安心してM&Aに臨めるでしょう。仲介手数料が重荷になりがちな小規模企業のオーナーにこそ、「売り手負担なし」は朗報と言えます。

  4. 不成立の場合でも経済的リスクがない
    M&A Doでは売り手からは着手金すら徴収しません。そのため、万一買い手が見つからなかったり交渉がまとまらなかった場合でも、売り手は金銭的な損失を被りません。他社であれば着手金や中間金が無駄になるケースでも、M&A Doならノーリスクで撤退可能です。これは「良い話がなければ売らなくてもいい」というスタンスで気軽に相談できることを意味し、経営者にとって大きな安心材料です。最終的に売却しない判断をしてもノーコストで済むので、まずは情報収集だけでも…と気軽に相談できる柔軟性があります。

  5. 買い手にもメリットが及ぶ可能性
    M&A Doは買い手から成功報酬を受け取るモデルですが、だからと言って買い手側の負担が過度に重いわけではありません。同社は「譲受企業様の負担も軽減することを目指す」と明言しており、買い手にも利用しやすい手数料水準を設定しているようです。実際にM&A Do経由で買収を行った企業の声として、「買い手からの最低手数料も大手仲介会社の半分以下なので助かった」との事例も紹介されています。このように買い手にとっても利用しやすい費用体系とすることで、売り手・買い手双方にメリットのあるマッチングを実現している点もM&A Doモデルの特徴です。結果として、譲渡条件の交渉も双方納得の上で進めやすくなり、成約までのハードルが下がる効果が期待できます。

  6. サービス品質と中立性の確保
    「売り手無料」と聞くと、「タダほど高いものはない」という言葉もあり、サービス品質に不安を感じる方もいるかもしれません。しかしM&A Doは買い手からの成功報酬を基盤に、弁護士・公認会計士・税理士など各種専門家と提携して質の高いサービスを提供する体制を整えています。売り手から報酬をもらわないからといって手を抜けば、今度は支払い主である買い手企業からの信頼を失いビジネスが成り立たなくなるため、むしろ質の高さを維持することが当社の生命線と述べています。実際、M&A Doは中立的な立場でサポートすることを掲げており、売り手から手数料をもらっていないからと言って買い手寄りになるわけではないと明言しています。売り手が満足いく条件でなければ買い手に紹介できずビジネスが続かない以上、売り手・買い手双方が納得できる条件の成約を目指す姿勢に変わりはないということです。したがって、「無料だから質が低いのでは」「売り手無料だと売り手の味方をしてくれないのでは」といった心配は不要でしょう。

以上のように、M&A Doの手数料無料モデルは、譲渡企業オーナーにとって経済的・心理的な数多くのメリットをもたらします。まとめれば、**「譲渡企業の利益を最優先に考えた仲介モデル」**だと言えるでしょう。実際、同社代表も「円滑なM&Aを実現し業界全体の発展に貢献していく」と述べており、この新しいモデルが中小企業の事業承継問題を解決する一助となることが期待されています。

M&A仲介会社選びの重要性

以上を踏まえると、経営者にとってどのM&A仲介会社を選ぶかが極めて重要であることが分かります。仲介会社ごとに手数料体系やサービス内容は異なり、その違いが最終的にオーナーの手取り額やM&Aプロセスのスムーズさに直結します。したがって、M&Aを成功させるためには仲介会社選びで失敗しないことが肝要です。

まず、伝統的な仲介会社を利用する場合でも、提示された手数料条件を十分に理解・比較することが欠かせません。契約前に必ず手数料の内訳や発生条件を確認し、不明瞭な点は遠慮なく質問すべきです。具体的には、以下のポイントに注意しましょう。

  • 着手金の有無と金額
    契約時に初期費用(着手金)が必要か、その金額はいくらかを確認します。着手金が高額だと不成立時のリスクが大きくなるため注意が必要です。可能であれば着手金無料の仲介会社を選ぶ方が、経済的リスクは低減できます。

  • 成功報酬の料率(レーマン方式)
    譲渡金額に対して何%の成功報酬が課されるのか、その料率と計算方法を把握します。大半の仲介会社はレーマン方式で5億円以下なら5%、以降段階的に料率逓減…といったテーブルを採用しています。自社の想定譲渡額に照らし、成功報酬額のおおよその見積もりを出してみましょう。料率自体は各社ほぼ似通っていますが、中には一律○%など独自の設定をしている場合もあります。

  • 最低手数料の有無と条件
    見落としがちなのが最低手数料です。最低〇〇万円という下限額が設定されていないか、設定されている場合はいくらかを必ず確認しましょう。多くの仲介会社ではこの最低手数料を公式に明記していないため注意が必要です。仮に最低手数料1,000万円なら、どんなに小さな案件でも成功時に1,000万円は支払わねばなりません。「自社の規模・売却金額だとレーマン計算より最低手数料の方が高くなりそうだ」という場合、その仲介会社に依頼すると想定以上の出費となる可能性が高いです。

  • 買い手側の手数料負担
    仲介会社によっては買い手にも成功報酬を請求する(両手取り)場合と、売り手からのみもらう(片手)場合があります。両手の場合、仲介会社は売り手・買い手双方から手数料収入を得る構造になり、利益相反の懸念も指摘されています。片手の場合は依頼主一方からのみですが、その分料率が高めに設定されていることもあります。自社が売り手の場合、買い手側にも手数料が発生するかは交渉のスムーズさに影響し得ますので、念頭に置いておきましょう。

以上の点を総合的に勘案して、「この仲介会社に任せれば費用面で大きなリスクはなさそうだ」「費用に見合った価値を提供してくれそうだ」と判断できる先を選ぶことが重要です。特に最低手数料については中小企業のM&Aでは見逃せないポイントで、規模に比して高すぎる手数料を支払うリスクは絶対に避けねばなりません。

そして何より、昨今はM&A Doのように売り手から手数料を取らない仲介会社という選択肢も現れています。こうした新しいモデルを利用すれば、従来型の仲介会社に比べて圧倒的な費用節減効果を得られるのは前述の通りです。実際問題、譲渡金額の5%もの手数料がゼロになるというのは、売り手オーナーにとってこれ以上ない経済的メリットでしょう。浮いた資金を次のステージに活用したり、会社や従業員への還元に回したりできる意義は非常に大きいものがあります。

さらに費用面のメリットだけでなく、「自分(売り手)の味方になってくれる仲介相手か」という視点も大切です。手数料体系はその仲介会社の姿勢を映す鏡とも言えます。売り手から高額な手数料を取る会社は、自社の利益も当然優先するでしょう。一方、M&A Doのように売り手からは1円も取らない会社は、「まず売り手に損をさせない」という強い意思表示をしていると言えます。経営者にとって、自分の立場に立って親身にサポートしてくれる仲介会社かどうかは、安心して任せられるかの判断基準になるでしょう。その意味で、M&A Doを選ぶことは経済的メリットだけでなく精神的な安心感も得られる選択肢なのです。

もちろん、仲介会社選びでは手数料以外にも実績や専門性、担当者の相性など考慮すべき点はあります。しかし最終的な手取り額に直結する手数料条件の有利不利は、とりわけ重視すべき要素です。経営者として、会社を託す相手(買い手)を選ぶのと同じくらい、そのM&Aを託すパートナー(仲介会社)選びにも慎重になるべきでしょう。適切な仲介相手を選ぶことで、事業承継を成功させる可能性は格段に高まります。

まとめ

本稿では、M&A仲介会社の手数料が高すぎる問題について、経営者向けに解説しました。従来、多くのM&A仲介会社では着手金・成功報酬・最低手数料といった仕組みにより、譲渡企業が支払う費用が数百万円から数千万円に上ることも珍しくありません。こうした高額な手数料体系は、譲渡企業オーナーの手取り資産を大きく減らし、事業承継の意思決定を鈍らせる一因となってきたのも事実です。

M&A Doのモデルは、譲渡企業からは一切手数料を取らず、買い手企業からの成功報酬のみで運営するという革新的なものです。その結果、譲渡企業オーナーは仲介手数料負担ゼロでM&Aに臨むことができ、売却後に手元に残る資産を最大化することが可能です。手数料の心配がない分、適切なタイミングで安心して事業承継の一歩を踏み出せるメリットも生まれています。

経営者にとって、自社を誰に託すか(買い手選び)と同時に、誰に橋渡しを託すか(仲介会社選び)は極めて重要です。高額な手数料を払ってでも実績ある仲介会社に任せる道もある一方で、M&A Doのように売り手に寄り添ったモデルを選ぶことで費用負担なく安心して任せる道も開けました。事業承継は企業にとって一度きりの大事なイベントです。そのパートナー選びにおいて、本記事で述べた手数料の仕組みと影響をぜひ参考にしていただきたいと思います。

最後に、M&Aを検討中の経営者へのメッセージとして強調したいのは、「手数料がネックで事業承継を諦める必要はない」ということです。仲介手数料が完全無料のM&A Doのような選択肢が登場した今、経営者は従来の常識にとらわれずより有利な条件でM&Aに挑戦することが可能になっています。株式会社M&A Doが提供する価値は、まさに「経営者が安心して大切な会社を次世代に引き継ぐ」ためのサポートと言えます。高額な手数料に悩むことなく、ぜひ積極的に第三者承継(M&A)の扉を叩いてみてください。それが、あなたの会社の未来とご自身の納得のいく幸福な引退の両方を実現する近道となるでしょう。