- 1. 日本調剤<3341>による薬栄・新栄メディカル・センチュリーオブジャスティスの子会社化
- 2. 綜合警備保障<2331>による介護事業ウイズネット買収
- 3. 東宝<9602>、コンサート用舞台装置製造のエイシン工芸(埼玉県越谷市)買収
- 4. 大石産業<3943>によるクラフト紙袋メーカー柳沢製袋(埼玉県熊谷市)買収
- 5. 積水化成品工業<4228>、カネカ<4118>子会社のPSP事業を取得(埼玉県蓮田市)
- 6. 明光ネットワークジャパン<4668>、埼玉などで学習塾を運営するMAXISホールディングスを買収
- 7. 日立ハイテクノロジーズ<8036>、熊谷市のボンディング装置事業を売却
- 8. 武田薬品工業<4502>、開発・製造事業の一部を武州製薬(川越市)へ譲渡
- 9. 廣済堂<7868>、物流倉庫向け人材派遣会社エヌティとNeoを買収(埼玉県鴻巣市)
- 10. 廣済堂<7868>、ゴルフ場関連会社「廣済堂埼玉ゴルフ倶楽部」などを富士に譲渡
- 11. 東宝舞台によるエイシン工芸(越谷市)買収(再掲)
- 12. 大伸化学<4629>、危険物製品輸送の山崎梱包運輸(埼玉県越谷市)を子会社化
- 13. 大栄環境<9336>、埼玉や千葉で廃棄物収集運搬業の浦安清運・アイアを子会社化
- 14. 大栄環境<9336>、栄和リサイクル(東京都新宿区ながら埼玉一円で産廃収集運搬)買収
- 15. 大栄環境<9336>、建物解体業の海成を子会社化し関東廃棄物事業強化
- 16. 日成ビルド工業<1916>、埼玉県加須市の小澤建設を子会社化
- 17. 西武ホールディングス<9024>、西武建材を東和アークスに譲渡(埼玉県所沢市拠点)
- 18. 日立物流<9086>、スミダロジネット(埼玉県春日部市)の物流事業を取得
- 19. 日成ビルド工業<1916>、東和工建(埼玉県蕨市)の立体駐車場事業を取得
- 20. 日立物流<9086>、DIC<4631>の子会社DICロジテック(埼玉県春日部市)を買収
- 21. 廣済堂<7868>、エヌティとNeoに続き、ゴルフ場3社を富士へ譲渡(埼玉県秩父市物件含む)
- 22. 総合メディカル<4775>によるみよの台薬局グループ取得(埼玉県川口市など)
- 23. 東日カーライフグループ<8291>、ジャガー東京をセブンフィールズ(埼玉県川口市)に譲渡
- 24. 大伸化学<4629>、山崎梱包運輸と同様に越谷市での物流強化
- 25. 名古屋電機工業<6797>、第一メカテック(埼玉県川口市)から検査装置事業を取得
- 26. 大崎電気工業<6644>、大崎エンジニアリング(埼玉県入間市)を完全子会社化
- 27. 富士紡ホールディングス<3104>、金型設計・製造の東京金型(埼玉県越谷市)を子会社化
- 28. カインズ(埼玉県本庄市)による東急不動産HD傘下・東急ハンズの買収
- 29. 名学館<2455>、フランチャイジーであるエスワイテーセミナー(埼玉県越谷市)を買収
- 30. 萩原電気ホールディングス<7467>、大崎電気工業<6644>傘下の大崎エンジニアリング(埼玉県入間市)を買収
- 31. 中小企業投資機構<2318>、ユメックスアイプラス(埼玉県深谷市)をMBOで譲渡
- 32. 日本エスコン<8892>、戸建分譲のワンズオウンハウス・ライズホーム(さいたま市)を傘下に
- 33. 大栄環境<9336>、浦安清運・アイア買収(再掲)
- 34. 成友興業<9170>、埼玉県川口市で産業廃棄物中間処理を行う栄興産業買収
- 35. 平和<6412>、埼玉県鳩山町の「武蔵ゴルフクラブ」などをアコーディア系から取得
- 36. 朝日工業<5456>、砕石事業の神鳳興業から埼玉県近郊の事業取得
- 37. 日立金属<5486>、熊谷工場のアルミホイール事業撤退を光生アルミニュームへ譲渡
- 38. 森精機製作所(現DMG森精機)<6141>、ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(埼玉県久喜市)から計測機器事業を取得
- 39. 虹技<5603>、アルミ合金鋳造の小口合金鋳造所(埼玉県川口市)買収
- 40. 三井金属鉱業<5706>と住友金属鉱山<5713>の伸銅事業統合、埼玉県上尾市に三井住友金属鉱山伸銅設立
- まとめと展望
1. 日本調剤<3341>による薬栄・新栄メディカル・センチュリーオブジャスティスの子会社化
売り手:薬栄・新栄メディカル・センチュリーオブジャスティス(東京都新宿区・武蔵野市・渋谷区だが埼玉県など複数県で調剤薬局を展開) 2019年11月18日、日本調剤は調剤薬局19店舗を運営する薬栄、新栄メディカル、センチュリーオブジャスティスの3社の全株式を取得し、子会社化しました。東京・千葉・埼玉・神奈川での店舗網を拡充し、特に埼玉県内での顧客基盤拡大を狙ったM&Aとなります。取得価額は非公表、取得予定日は2019年12月25日。今後は日本調剤の持つ調剤ノウハウと3社の地域密着展開を組み合わせ、首都圏全域でのさらなるシェア向上を目指す動きです。
2. 綜合警備保障<2331>による介護事業ウイズネット買収
売り手:ウイズネット(埼玉県さいたま市) 綜合警備保障(ALSOK)は2016年4月5日、埼玉県を中心にグループホームや有料老人ホームなど介護施設の運営を行うウイズネット株式69.54%を取得すると発表しました。取得価額は非公表で、予定日は2016年5月6日。警備事業に加え、高齢者・在宅向けサービスを強化する狙いが大きい案件です。ウイズネットは埼玉県拠点ということもあり、同県内の高齢者向け事業のさらなる拡張に寄与するとみられます。
3. 東宝<9602>、コンサート用舞台装置製造のエイシン工芸(埼玉県越谷市)買収
売り手:エイシン工芸(埼玉県越谷市) 2023年9月1日、東宝は子会社の東宝舞台を通じてエイシン工芸の全株式を取得し、同日付で子会社化しました。エイシン工芸は軽量鉄骨・アルミ加工を強みとする企業で、主にコンサートなどの舞台装置を製造しています。埼玉県越谷市に拠点があり、木工技術に優れた東宝舞台と組み合わせることで、ライブ・エンターテインメント分野でのサービスを拡張する狙いです。取得価額は非公表です。
4. 大石産業<3943>によるクラフト紙袋メーカー柳沢製袋(埼玉県熊谷市)買収
売り手:柳沢製袋(埼玉県熊谷市) 2019年5月24日、大石産業はクラフト紙袋製造販売の柳沢製袋を完全子会社化すると発表しました。関東エリアの供給体制を強化し、紙袋事業のさらなる拡大を目指すM&Aです。取得価額は非公表で、2019年5月31日付で株式を取得。大石産業は九州発祥の企業ですが、埼玉県熊谷市の柳沢製袋を取り込み、関東近郊でのサプライチェーン拡充を図ります。
5. 積水化成品工業<4228>、カネカ<4118>子会社のPSP事業を取得(埼玉県蓮田市)
売り手:サンポリマー(埼玉県蓮田市) 2008年7月11日、積水化成品工業はカネカグループの合成樹脂製品メーカー・サンポリマー(埼玉県蓮田市)からポリスチレンペーパー(PSP)事業を取得すると発表しました。原料ポリスチレン高騰など厳しい環境に対し、事業を強化・効率化するのが目的です。譲渡価額は未定で、2009年1月末を予定。埼玉県蓮田市の拠点が食品容器の素材供給で重要な役割を担ってきました。
6. 明光ネットワークジャパン<4668>、埼玉などで学習塾を運営するMAXISホールディングスを買収
売り手:MAXISホールディングス(東京都新宿区、埼玉県含む61教室を展開) 2014年9月1日、明光ネットワークジャパンは個別指導塾「明光義塾」の最大フランチャイジーであるMAXISホールディングスを子会社化すると発表しました。東京都、埼玉県などで合計61教室を運営し、埼玉県内の学習塾需要にしっかり根付いていた同社を取り込むことで、直営教室との連携やチェーン全体の競争力強化を図る事例です。取得価額18億1000万円、予定日は2014年9月2日。
7. 日立ハイテクノロジーズ<8036>、熊谷市のボンディング装置事業を売却
売り手:日立ハイテクインスツルメンツ(埼玉県熊谷市) 2014年12月22日発表。日立ハイテクノロジーズとその100%子会社・日立ハイテクインスツルメンツ(埼玉県熊谷市)は、半導体後工程装置のボンディング装置事業を新設会社へ承継のうえ、TYホールディングスに譲渡しました。熊谷市の工場は高い技術をもっていましたが、事業選択と集中の一環として売却。半導体装置市場の再編に伴う埼玉県拠点の再編事例となります。
8. 武田薬品工業<4502>、開発・製造事業の一部を武州製薬(川越市)へ譲渡
売り手:武田薬品工業(大阪市) 2017年5月15日、武田薬品工業はファーマシューティカルサイエンス部門が行う治験薬の開発・製造事業の一部を新設子会社スペラファーマに分割し、埼玉県川越市に本拠を置く武州製薬へ譲渡しました。武州製薬は医薬品受託製造事業を強化する形となり、埼玉県の医薬品製造集積にも影響を与えたM&Aです。
9. 廣済堂<7868>、物流倉庫向け人材派遣会社エヌティとNeoを買収(埼玉県鴻巣市)
売り手:エヌティ、Neo(いずれも埼玉県鴻巣市) 2021年4月15日、廣済堂は物流倉庫業への人材派遣を手がけるエヌティとNeoの全株式を取得し、合計4億1900万円で子会社化すると発表しました。宅配・巣ごもり需要の高まりを受け、埼玉県の倉庫群を支える人材派遣会社を取り込むことで業績拡大を狙う事例となっています。取得予定日は2021年4月28日。
10. 廣済堂<7868>、ゴルフ場関連会社「廣済堂埼玉ゴルフ倶楽部」などを富士に譲渡
売り手:廣済堂(東京都中央区) 2013年3月27日、廣済堂は子会社の廣済堂埼玉ゴルフ倶楽部(埼玉県秩父市)など3社を富士へ譲渡すると発表しました。ゴルフ場の経営再編が進む中、事業の選択と集中により財務体質強化を狙っています。埼玉県秩父エリアのゴルフ場譲渡も、ゴルフ場業界で進む再編の一環です。譲渡価額は26億円と公表。
11. 東宝舞台によるエイシン工芸(越谷市)買収(再掲)
売り手:エイシン工芸(埼玉県越谷市) 同内容につき2023年9月1日取得。東京の娯楽産業と隣接県の高い製造技術との連携例として改めて注目されています。アルミや軽量鉄骨を強みとする地方中小企業を大手が買収することでライブシーンの品質向上に寄与します。
12. 大伸化学<4629>、危険物製品輸送の山崎梱包運輸(埼玉県越谷市)を子会社化
売り手:山崎梱包運輸(埼玉県越谷市) 2022年6月29日、大伸化学はタンクローリーなどで化学溶剤を運送する山崎梱包運輸の全株式を取得すると発表しました。シンナー類製造を主力とする大伸化学が東日本地域の配送網を固める戦略です。越谷市は首都圏物流の要所であり、危険物輸送の安定化が期待されます。取得価額は非公表、予定日は2022年10月3日。
13. 大栄環境<9336>、埼玉や千葉で廃棄物収集運搬業の浦安清運・アイアを子会社化
売り手:浦安清運、アイア(いずれも千葉県浦安市が本社だが埼玉県事業拠点とも関連) 2024年7月1日、大栄環境は浦安清運とアイアの全株式を取得し、関東地区での廃棄物処理能力を増強しました。2020年には埼玉県上尾市の共同土木を傘下に収め、首都圏の処理シェアを高めています。取得価額は非公表。
14. 大栄環境<9336>、栄和リサイクル(東京都新宿区ながら埼玉一円で産廃収集運搬)買収
売り手:栄和リサイクル(東京都新宿区:埼玉県内を中心に展開) 2024年1月24日発表。大栄環境は同年4月1日付で、栄和リサイクルを子会社化します。建設廃棄物などを主に埼玉・首都圏で収集運搬しており、中間処理施設を持つ共同土木(上尾市)との連携で処理効率を向上させる考えです。取得価額非公表。
15. 大栄環境<9336>、建物解体業の海成を子会社化し関東廃棄物事業強化
売り手:海成(千葉市だが埼玉県内解体案件も多数) 2024年12月6日、大栄環境は解体工事を手がける海成の全株式を取得すると発表しました。予定日は2025年1月6日。解体工事から埼玉県を含む首都圏での廃棄物受け入れ量を増加させ、処理シェア拡大を狙う動きです。
16. 日成ビルド工業<1916>、埼玉県加須市の小澤建設を子会社化
売り手:小澤建設(埼玉県加須市) 2012年9月10日、日成ビルド工業は大手流通店舗企業の建設実績を持つ小澤建設を取得しました。売上高15億円規模、取得価額は2億4800万円。日成ビルド工業はシステム建築やプレハブ事業を主力とし、地場建設会社のノウハウを取り込むことで流通店舗へのサービス拡充を目指します。
17. 西武ホールディングス<9024>、西武建材を東和アークスに譲渡(埼玉県所沢市拠点)
売り手:西武建設傘下・西武建材(埼玉県所沢市) 2021年5月13日、西武HDは建築材料などを製造する西武建材(売上高117億円)を東和アークスへ譲渡すると発表。所沢市に本拠を置く西武建設グループの事業整理の一環で、財務改革およびアセットライト化を進めています。譲渡価額は非公表、譲渡日は2021年7月1日予定。
18. 日立物流<9086>、スミダロジネット(埼玉県春日部市)の物流事業を取得
売り手:スミダロジネット(埼玉県春日部市) 2008年12月22日、日立物流は靴卸売りのトークツ・グループ傘下スミダロジネットから、シューズ共同配送などの物流事業を取得すると決議。春日部市拠点を「シューズロジネット営業部」として統合し効率化を図りました。取得価額は非公表。
19. 日成ビルド工業<1916>、東和工建(埼玉県蕨市)の立体駐車場事業を取得
売り手:東和工建(埼玉県蕨市) 2013年3月29日、日成ビルド工業は駐車場設計施工・管理運営の東和工建を完全子会社化すると発表。駐車場事業のトータルサービス化を目指す動きで、取得価額は非公表で同日付実行。首都圏の立体駐車場需要に対応するためのシナジーが期待されています。
20. 日立物流<9086>、DIC<4631>の子会社DICロジテック(埼玉県春日部市)を買収
売り手:DIC(東京都中央区)の子会社DICロジテック(埼玉県春日部市) 2010年10月21日、日立物流はDICロジテック株の90%を取得し子会社化すると公表。化学品物流大手を取り込むことで3PL(物流一括受託)事業を拡大。取得後は「日立物流ファインネクスト」に社名変更予定です。取得価額は非公表、2011年1月1日付実行。
21. 廣済堂<7868>、エヌティとNeoに続き、ゴルフ場3社を富士へ譲渡(埼玉県秩父市物件含む)
売り手:廣済堂(東京都中央区)、子会社が埼玉県でゴルフ場運営 既出事例と重複しますが、2013年3月27日のゴルフ場譲渡では「廣済堂埼玉ゴルフ倶楽部(秩父市)」も対象。ゴルフ場再編が埼玉県内でも進んでいるケースとして象徴的です。
22. 総合メディカル<4775>によるみよの台薬局グループ取得(埼玉県川口市など)
売り手:みよの台薬局グループ(東京都北区) 2016年11月24日、総合メディカルは関東圏に91店舗を持つみよの台薬局グループ6社を81億2000万円で買収し子会社化。同グループのうちツカサ調剤薬局は埼玉県川口市にあり、在宅医療対応が評価されました。地域包括ケアを推し進める目的であり、埼玉県内の在宅訪問服薬指導体制強化にもつながっています。
23. 東日カーライフグループ<8291>、ジャガー東京をセブンフィールズ(埼玉県川口市)に譲渡
売り手:東日カーライフグループ(東京都) 2010年9月22日発表。ジャガー・ランドローバー販売を担うジャガー東京を、輸入車ディーラー事業のセブンフィールズ(埼玉県川口市)へ譲渡しました。輸入車販売網再編の一例であり、川口市が輸入車販売の拠点機能を担うこととなりました。譲渡価額は非公表、譲渡予定日は2010年9月29日です。
24. 大伸化学<4629>、山崎梱包運輸と同様に越谷市での物流強化
売り手:山崎梱包運輸(埼玉県越谷市) 前述の通り2022年6月29日の発表。化学製品物流の要所として越谷市が注目され、大伸化学はリスク管理と安定輸送を高める狙いがあります。
25. 名古屋電機工業<6797>、第一メカテック(埼玉県川口市)から検査装置事業を取得
売り手:第一メカテック(埼玉県川口市) 2015年2月18日、名古屋電機工業は第一メカテック毛呂山事業所の検査装置事業部門(売上高約5.8億円)を取得。川口市に本社を置く第一メカテックは外観検査装置や半導体試験装置など、ユニークな技術を保有。産業機器分野の拡充例として埼玉県の技術企業が買収された事例です。
26. 大崎電気工業<6644>、大崎エンジニアリング(埼玉県入間市)を完全子会社化
売り手:大崎エンジニアリング(埼玉県入間市) 2016年5月11日、大崎電気工業はFPD関連装置を展開する大崎エンジニアリング株の公開買付けを行い完全子会社化を目指しました。FPD製造装置での成長戦略とリスク低減のため一体経営化を狙う案件です。埼玉県入間市に開発拠点を持つ同社の技術を最大限活用し、装置事業強化を図ります。
27. 富士紡ホールディングス<3104>、金型設計・製造の東京金型(埼玉県越谷市)を子会社化
売り手:東京金型(埼玉県越谷市) 2018年8月31日、富士紡HDは東京金型を子会社化すると決議。研磨材や化学工業品に加え化成品事業を重点領域とする富士紡HDが、プラスチック射出成形品の品質向上のため金型技術を手中に収める狙いです。取得価額は非公表で、2018年10月1日に完了。
28. カインズ(埼玉県本庄市)による東急不動産HD傘下・東急ハンズの買収
売り手:東急不動産ホールディングス(東京都渋谷区) 2021年12月22日、埼玉県本庄市に本社を置くホームセンター大手カインズは、東急不動産HDが保有する東急ハンズ株式を取得すると公表。DIY商品を中心に新たな販路拡大や独自ブランドの開発を強化する狙いがありました。譲渡価額は非公表、2022年3月31日付で譲渡完了。埼玉県発のカインズが都心の有力DIYブランドを取り込んだ好例です。
29. 名学館<2455>、フランチャイジーであるエスワイテーセミナー(埼玉県越谷市)を買収
売り手:エスワイテーセミナー(埼玉県越谷市) 2015年3月19日、名学館は埼玉県で学習塾3教室を運営するエスワイテーセミナーの全株式を取得し子会社化。エリア内の入塾需要を直接取り込むための施策で、取得価額は227万円。埼玉県は都心からのアクセスが良く学習塾需要が高まるため、積極的に展開を進めた一例となります。
30. 萩原電気ホールディングス<7467>、大崎電気工業<6644>傘下の大崎エンジニアリング(埼玉県入間市)を買収
売り手:大崎電気工業(東京都)保有株式、対象は大崎エンジニアリング(埼玉県入間市) 2022年8月25日発表。萩原電気HDは17億9600万円で大崎エンジニアリングを買収。自動車関連FAの一貫対応や顧客基盤拡大を狙う事例です。入間市にある製造拠点と萩原電気の計測ソリューションが連動し、半導体や車載関連ビジネスの拡大が見込まれます。
31. 中小企業投資機構<2318>、ユメックスアイプラス(埼玉県深谷市)をMBOで譲渡
売り手:中小企業投資機構(東京都)保有株式 2010年8月31日、中小企業投資機構はユメックスアイプラスの全株式を経営陣に売却するMBOを実施。深谷市でプリント基板製造を行っており、売上高8億円規模でした。支援終了に伴い、オーナーに戻す形で経営の独立性を確保する事例となります。譲渡価額は8000万円、譲渡日は2010年9月15日。
32. 日本エスコン<8892>、戸建分譲のワンズオウンハウス・ライズホーム(さいたま市)を傘下に
売り手:ワンズオウンハウス・ライズホーム(さいたま市) 2019年6月26日、日本エスコンは戸建分譲のワンズオウンハウスと戸建建築工事のライズホームを取得。埼玉県が都心のベッドタウンとして需要拡大が続く中、戸建分野で事業シェア向上を目指すものです。取得価額は非公表、予定日は2019年7月1日。
33. 大栄環境<9336>、浦安清運・アイア買収(再掲)
前述の通り、大栄環境は関東エリアでの廃棄物処理事業強化のため、2024年7月1日に2社の株式を取得。埼玉県上尾市の施設との連携も踏まえた首都圏シェア拡充を狙います。
34. 成友興業<9170>、埼玉県川口市で産業廃棄物中間処理を行う栄興産業買収
売り手:栄興産業(東京都江戸川区だが主要事業所は埼玉県川口市) 2024年7月16日発表。解体コンクリートの中間処理を行う栄興産業を成友興業が買収。都心近郊の解体廃棄物処理の円滑化とグループ全体の対応強化が狙いです。取得価額は非公表で、実行予定日は2024年9月2日。
35. 平和<6412>、埼玉県鳩山町の「武蔵ゴルフクラブ」などをアコーディア系から取得
売り手:アコーディア・ゴルフグループ(東京都品川区) 2020年10月30日、平和はパシフィックゴルフマネージメントを通じてアコーディア系列のゴルフ場4カ所を取得。埼玉県鳩山町にある「武蔵ゴルフクラブ」も含まれ、同県のゴルフ場再編・大型買収として注目されました。取得価額非公表、予定日は2020年12月1日。
36. 朝日工業<5456>、砕石事業の神鳳興業から埼玉県近郊の事業取得
売り手:神鳳興業(群馬県) 2016年11月1日、朝日工業は子会社の上武(埼玉県皆野町)を通じて神鳳興業の砕石事業を取得すると発表。上武の砕石事業拠点とあわせ、埼玉県・群馬県近郊で資源採取・加工を拡大する例です。取得価額は非公表。
37. 日立金属<5486>、熊谷工場のアルミホイール事業撤退を光生アルミニュームへ譲渡
売り手:日立金属 熊谷工場(埼玉県) 2018年12月17日発表。日立金属はアルミホイール事業から撤退し、米国工場とともに熊谷工場の生産設備を含む事業を売却。2020年9月末をめどに国内事業を停止し、埼玉県に根付いた製造ラインが縮小されました。譲渡価額非公表。
38. 森精機製作所(現DMG森精機)<6141>、ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(埼玉県久喜市)から計測機器事業を取得
売り手:ソニーマニュファクチュアリングシステムズ(埼玉県久喜市) 2010年1月8日発表。森精機製作所はマグネスケールやレーザスケールなど計測機器事業を譲り受け、新設会社を設立して全株式を取得。60億円での取得とされ、久喜市の生産拠点が高精度計測機器の開発に寄与しています。
39. 虹技<5603>、アルミ合金鋳造の小口合金鋳造所(埼玉県川口市)買収
売り手:小口合金鋳造所(埼玉県川口市) 2024年1月9日、虹技はアルミ合金鋳造製品を手がける小口合金鋳造所の全株式を取得し子会社化しました。川口市は昔から鋳物産業の集積地として知られ、虹技は新素材・軽量化需要を取り込むことで市場拡大を見据えています。取得価額は非公表です。
40. 三井金属鉱業<5706>と住友金属鉱山<5713>の伸銅事業統合、埼玉県上尾市に三井住友金属鉱山伸銅設立
売り手・統合主体:三井金属鉱業の圧延加工事業部(埼玉県上尾市) 2010年3月30日発表。伸銅事業の再編により、上尾市にある三井金属の設備を住友金属鉱山の子会社に承継させ、統合新会社「三井住友金属鉱山伸銅」を設立。およそ500億円の売上規模となる見込みで、埼玉県が伸銅産業の拠点として再編に巻き込まれた好例です。
まとめと展望
東京都版のM&A動向と同様、埼玉県でも多種多様な企業がM&Aを活用し、事業再編や成長戦略を進めています。ここで紹介した案件は一例ですが、以下のような特徴がうかがえます。
- 医薬品・調剤薬局・ヘルスケアの再編
埼玉県内には武州製薬やエーザイ・武田薬品系の工場など製薬関連の拠点が多く、調剤薬局や介護事業をめぐるM&Aも活発です。高齢化による需要増を踏まえ、大手が地域の中規模事業者を傘下に収める流れが進んでいます。 - 物流・廃棄物・包装資材など、首都圏近郊の立地を生かした再編
越谷市や春日部市などは物流拠点として要衝であり、化学品輸送や倉庫運営、人材派遣などの取引が多い点が目立ちます。廃棄物処理関連でも大栄環境や成友興業が積極的に企業買収を行い、埼玉県内の施設や運搬ネットワークを強化しています。 - ゴルフ場やレジャー施設での再編
秩父や鳩山町など、都心から近くアクセスしやすいゴルフ場をめぐる売買が引き続き盛んです。バブル期に誕生したコースの再編や経営再生が進み、大手ゴルフ運営会社が埼玉県の魅力的なコースを買収する例がみられます。 - 事業承継や選択と集中による中小企業の売却
川口市や深谷市など、埼玉県下の製造業が後継者問題や構造不況への対応として大手に譲渡・MBOを行うケースも増えています。古くから続く鋳物やアルミ加工など地域の強みを生かした中小企業を、大企業が技術確保の目的で買収する傾向がうかがえます。 - 東京圏からの波及効果と県内企業の積極的買収
カインズ(本庄市)やウイズネット(さいたま市)など、埼玉県企業が他県へ拠点を拡げたり、逆に首都圏大手が埼玉に本社を置く企業を買収したりと相互の動きがあります。特にベッドタウンとして人口が増えたエリアはサービス・小売・介護需要が高いため、さらなるM&A拡大が見込まれます。
総じて、埼玉県は首都圏の一角として人口や企業数も多く、製造業からサービス業まで幅広いセクターが存在します。事業承継や拠点集約、物流機能拡充など、さまざまな目的で企業がM&Aを活用しており、今後も活性化が続く見通しです。大手企業やファンドによる買収だけでなく、地場企業同士の統合や外資系参入などがさらに進めば、埼玉県全体の産業構造に変化をもたらすでしょう。

株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。