結婚式場業の市場環境

結婚式場業の市場環境は、コロナ禍後の回復期に突入しています。以下に大切なポイントをまとめます。

– 市場規模の回復:
– 2023年度: 1兆9708億円と推計され、前年比111.2%の増加。
– 2024年度: 2兆400億円と予測され、2019年度以来5期ぶりに2兆円台に。

– 挙式披露宴市場の回復:
– 回復基調: コロナ禍での制約・制限から解放され、平時と変わりなく、2桁伸長による回復が続いている。
– 新規出店や施設リニューアル: コロナ禍で抑制していた投資が2023年から再開しており、大手企業ではホテルへの業態転換や新事業展開が進められている。

– ブライダルジュエリー市場の成長:
– 商品価格の上昇: 素材価格高騰により市場が拡大している。
– 成長が横ばい: 断続的な商品価格の上昇が落ち着くことで成長が横ばいとなる予測。

– 結婚相談所・仲介業サービス市場の伸び:
– オンラインサービスと対面サービス: コロナ禍で浸透したオンラインサービスや、アフターコロナにおける対面での出会いに関連するサービスが盛況。
– 需要の高まり: オンラインと対面の双方のサービスが充実することで、利用者の需要が高まり続け、微増する見込み。

– フォトウェディングの増加:
– 実施率の増加: コロナ前の2019年より4.6%も増加しており、最も多く行われているウェディングイベントの一つ。
– 多様化: カップルが結婚式を挙げる理由に向き合うきっかけとなり、その結果、ウェディングイベントの多様化が加速している。

– 市場の動向:
– 都市部と地方の差異: 都市部では新規来館が2019年比で9割、地方では7割とされる。
– 式場集客のマルチチャネル対応: 式場集客はマルチチャネル対応が必須で、コアになるサービスコンセプトの設計が必要。

これらのポイントをまとめると、結婚式場業の市場環境は回復期に突入しており、各分野が異なる動向を示しています。

結婚式場業のM&Aの背景と動向

結婚式場業界のM&Aの背景と動向は、以下の通りです。

### 背景
– 少子化・晩婚化: 婚姻率の減少と「なし婚」の増加により、市場規模が縮小しています。
– 収益減少: 結婚式場を使用したブライダル離れによる収益減少が経営に影響しています。

### 動向
– M&Aの増加: 業界の厳しい先行きを見据えた経営戦略として、M&Aが活用されています。収益の拡大や事業の変化をもたらすため、同業者や周辺事業を取り込むことが増えています。
– 事業拡大: 同業者を買収し、市場シェアを高めるか、未進出のエリアで事業を展開することで、事業規模を拡大しています。
– 差別化戦略: 周辺事業を行っている会社を自社グループに加えることで、競業相手に打ち勝つための差別化戦略を実施しています。

### 事例
– くふうカンパニーによるフルスロットルズのM&A: 2019年6月、くふうカンパニーはフルスロットルズの株式を取得し、孫会社化しました。目標は「みんなのウエディング」などのブライダル情報サイト運営から結婚式当日のサービスまで、トータルに手がけられる体制づくりです。
– エスクリによるストーリアのM&A: 2015年12月、エスクリはストーリアの全株式を取得し、完全子会社化しました。ストーリアを買収することで、さらなるマーケットシェア拡大と収益向上を図りました。
– パートナーエージェントによるpmaのM&A: 2020年4月、パートナーエージェントはpmaの全株式を取得し、完全子会社化しました。pmaは挙式披露宴後の二次会プロデュース事業を行っており、パートナーエージェントはこの事業を譲受しました。

### メリット
– 後継者問題の解決: M&Aにより後継者問題を解決できるため、中小企業庁が定期的に発行している「中小企業白書」でも取り上げられています。
– 競争から解放: 売却側の場合、競争から解放され将来の不安がなくなるため、市場規模の縮小を乗り越える手段としてM&Aが活用されています。
– コスト削減: 周辺事業を取り込み、自社で完結させることでコスト削減および利益回収速度の効率化を図ることができます。
– 譲渡・売却益: 売却側であれば譲渡・売却益を獲得できるため、新しく手掛ける事業や新生活の資金などに活用することが可能です。

結婚式場業のM&A事例

結婚式場業のM&A事例を以下にまとめます。

– エスクリによるラヴィマーナ神戸のM&A:エスクリは2020年1月にラヴィマーナ神戸の運営と同施設の衣裳事業を譲受しました。両社のノウハウを融合し、効率的かつ質の高いサービスを提供し、マーケットシェアの拡大と企業価値の向上を目指しています。
– くふうカンパニーによるアールキューブのM&A:くふうカンパニーは2018年11月にアールキューブの株式を取得し、子会社化しました。両社では「みんなのウェディング」を軸に連携し、より多くのカップルが結婚式を挙げられるよう事業を強化しています。
– ブラスによるビーラインのM&A:ブラスは2017年7月にビーランの事業を譲受しました。特に「ヴィラエッフェ 沼津」を取得し、完全貸切のハウスウェディング会場へとリニューアルしました。これにより、静岡県における営業基盤を強化しています。
– ゼットンによるエルフラットのM&A:ゼットンは2020年3月にエルフラットから、三重県四日市の「YOKKAICHI HARBOR尾上別荘」を取得しました。これにより、ゼットンのコンセプトと合致する点やドミナントエリアが評価され、さらなる事業拡大を目指しています。
– ブラスによるアロウブライトのM&A:ブラスは2022年9月にアロウブライトの全株式を取得し、連結子会社化しました。アロウブライトは静岡県浜松市に拠点を置くフォトウエディングスタジオで、静岡県最大規模の撮影セットを完備しています。今回のM&Aにより、ブラスはブライダル領域のさらなる拡大を目指しています。
– aedamによるラビアンローゼとウィンクルのM&A:aedamは2020年8月にラビアンローゼとウィンクルから事業譲渡を受けました。譲受した事業は、ラビアンローゼのホテルアークリッシュ豊橋衣装室事業と、ウィンクルの結婚式場スウィートローゼスクラブ岡崎運営事業です。これにより、aedamは事業拡大と関連事業への進出を同時に行いました。

結婚式場業の事業が高値で売却できる可能性

結婚式場業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。

### 婚礼・ウエディング事業の売却価格算定

1. 企業評価に基づく評価
結婚式場業の売却価格は、企業評価によって適正に評価された企業価値に準じて行われます。

### 婚礼・ウエディングを高値で売るポイント

1. 買収側のビジョンに合った施設
結婚式場やブライダル会場が買収側のニーズに合っているかどうかが重要です。地方の結婚式場やブライダル会場が都市部を中心に事業展開している大手の拡大計画に合うと、高値で売却できる可能性が高まります。

2. 従業員の接客技術の評判
従業員の接客技術が良いと、顧客満足度が高まり、買収側の評価も高まります。

3. 施設・設備の修繕
施設・設備の修繕がこまめに行われていると、評価が高まります。老朽化が激しい施設は評価が低くなるため、定期的な手入れが重要です。

4. 財務状況
財務状況が健全な状態にあると、買収側の目論見に合い、高値で売却できる可能性が高まります。黒字経営が望ましいですが、赤字経営の場合は強みをもっていないと低く評価されがちです。

### 売却で起こるメリット

1. 後継者問題の解決
売却により後継者問題が解決し、事業の存続が可能です。

2. 従業員の雇用保証
売却により従業員の雇用が保証され、従業員の安定した雇用が確保されます。

3. 売却益の獲得
売却益を獲得し、経営者が抱える不安や悩みからの解放が可能です。

### 婚礼業界の現状とM&Aの動向

1. 経営改善のための売却
売却により非採算事業から撤退し、経営改善を図ることができます。少子高齢化の影響で業績が悪化し、売却が必要なケースが増えているのが現状です。

### 結婚式場業の売却タイミング

1. 業績の回復期
売却タイミングを見誤ると、評価額が下がる可能性があります。業績が回復期にあれば、将来価値が高まり、評価額も高くなるため、売却タイミングを適切に選ぶことが重要です。

以上のポイントを踏まえると、結婚式場業の事業が高値で売却できる可能性は、買収側のビジョンに合った施設、従業員の接客技術の評判、施設・設備の修繕、財務状況が健全な状態にある場合に高いです。

結婚式場業の企業が会社を譲渡するメリット

結婚式場業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです:

– 後継者問題を解決できる:中小企業の後継者問題が深刻化しており、結婚式場業も同様です。M&Aや事業承継を通じて後継者問題を解決することができます。
– 従業員の雇用先を確保できる:M&Aによって買収を行う際、事業規模拡大が含まれており、新たな人材を欲しているため従業員をそのまま引き継ぐ事例が多いです。また、事業承継であれば会社がそのまま存続するため従業員の失業に関する心配が不要です。
– 競争から解放され将来の不安がなくなる:市場規模が縮小し、顧客の奪い合いが激しさを増しているため、売却側の場合、競争から解放され将来の不安がなくなることがメリットです。
– 個人保証や担保をなくせる:中小企業の場合、経営者が個人保証や担保を提供しなければ融資を受けることが難しい傾向があります。M&Aや事業承継によって経営者を降りれば、こういった悩みからも解放されます。
– 結婚式場・ブライダル会場を取り壊す費用が不要になる:同業種へのM&Aや事業承継によって会社が存続するのであれば、結婚式場やブライダル会場をそのまま活用できるため、わざわざ取り壊す必要がなくなります。
– 譲渡・売却益を獲得できる:株式譲渡の場合、株式の取得対価の支払いによりM&Aが成立し、取得対価は株主個人に支払われるため、新しく手掛ける事業や新生活の資金などに活用することが可能です。

結婚式場業の事業と相性がよい事業

結婚式場業の事業と相性がよい事業は以下の通りです。

– 結婚式場事業:
– ホテル・専門式場・ゲストハウス:主に結婚式の会場を提供します。
– レストラン:結婚式の食事やウェディングケーキを提供します。
– プロデュース会社:結婚式のプロデュースやプランニングを手がけます。

– 関連事業:
– 婚礼衣装:ドレス・タキシード・和装を提供します。
– フラワー:ブーケ・装花を提供します。
– 美容:ヘアメイク・エステ関連のサービスを提供します。
– 演出:写真・映像・音響・照明・司会などのサービスを提供します。

– マーケティング:
– オウンドメディア:商品・サービスの集客に加えて、自社の認知度向上やスタッフの採用活動に役立つ情報媒体です。

– ビジネスモデル:
– BtoCモデル:一般的な結婚式場のビジネスモデルで、新郎新婦から結婚式の費用をもらい、ドレスや写真などアイテムのパートナー企業に仕入れ分の費用を支払います。
– BtoBモデル:結婚式場が「結婚式を挙げる人=パートナー企業にとっての顧客」を集めてくるプラットフォームとしての位置づけになります。

– サポートシステム:
– Unipos:サロン間のコミュニケーションを活発化させ、プランナーと裏方として支えるサポートメンバーの一体感を高めます。

結婚式場業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由

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