目次
教育関連イベント運営業の市場環境
教育関連イベント運営業の市場環境は、以下の点が特徴です。
– 市場規模の安定性:教育関連市場は、少子化の影響を受けながらも、需要が継続的に存在するため、景気の波に左右されにくいです。2021年度の教育産業全体の市場規模は、前年度比5.0%増の2兆8,399億1,000万円で、コロナ前の規模に戻っています。
– オンラインサービス普及:コロナ禍でオンライン学習サービスが普及し、感染防止策を講じた上での学習サービスが提供できたことで、市場規模が再び拡大しました。2022年度も、事業者売上高ベースで前年度比1.7%増の2兆8,882億4,000万円と予想されています。
– 個別指導の増加:近年は、個別指導を取り入れる学習塾が増加傾向にあり、集団指導から個別指導への移行が大きな流れとなっています。個別指導では、学校の補習だけでなく、受験を意識した授業に力を入れる学習塾も増えている。
– 資格取得学校の安定性:資格取得学校は、生涯学習の需要が続くため、安定した市場環境を維持しています。eラーニングの普及により、場所を選ばずに学習できる環境が整い、より気軽に受講できるようになっています。
これらの点が、教育関連イベント運営業の市場環境を支えている要因です。
教育関連イベント運営業のM&Aの背景と動向
教育関連イベント運営業のM&Aの背景と動向は以下の通りです。
### 背景
– 少子化と教育市場の変化:教育業界では、少子化やさまざまな背景によりM&Aを検討する経営者が増加しています。
– 市場の縮小と新たな事業の展開:学習塾・予備校業界は、少子化による市場の縮小や文部科学省による教育改革、グローバル人材の需要の高まりなどを背景に、新たな時代への適応が求められています。
### 動向
– 同業間のM&A:同業同士のM&Aが増加しており、地域密着型教育サービスやeラーニング事業の拡大に成功しています。
– 異業種とのM&A:異業種とのM&Aも多く見られ、例えばベネッセホールディングスがUdemy, Inc.と資本提携を行い、新たな領域への展開を目指しています。
– 事業領域の強化と拡大:大手学習塾は、地方の小規模塾を譲り受けたり、英語指導に強い塾や映像授業を提供する会社などとM&Aを行っています。
### 重要なポイント
– DD(デューデリジェンス):学習塾のM&Aにおいては、黒字経営かどうかの確認や人材の状況の確認、顧客の属性を分析することが大切です。
– PMI(Post-Merger Integration):M&A後のシステム統合や人材のマネジメント、文化統合が重要です。各社の強みを認識し、文化の違いや類似点を把握し、適切な文化統合を進めることが必要です。
### 事例
– ベネッセホールディングスとUdemy, Inc.:ベネッセホールディングスがUdemy, Inc.と資本提携を行い、日本市場におけるオンライン教育サービスの展開を目指しました。
– ナガセと早稲田塾:ナガセが早稲田塾とM&Aを行い、次世代のリーダーの育成に取り組み、東進グループの総合力・競争力を強化しました。
– 学研ホールディングスと文理学院:学研ホールディングスが文理学院を子会社化し、甲信越、東海地域への進出を目指しました。
教育関連イベント運営業のM&A事例
教育関連イベント運営業のM&A事例を以下にまとめます。
1. ベネッセホールディングスとUdemy, Inc.
– M&Aの目的: 新たな領域への展開
– M&Aのスキーム: 資本提携
– 結果: 日本市場におけるUdemy, Inc.との共同運営の権利がベネッセホールディングスが独占する形となり、キャリア支援事業の開発に取り組む。
2. 株式会社ナガセと株式会社サマデイ
– M&Aの目的: 総合力・競争力の強化
– M&Aのスキーム: 新設分割・株式譲渡
– 結果: 株式会社ナガセは、株式会社サマデイから得たノウハウを活かして次世代のリーダー育成に力を入れる。
3. エスエイティーティー株式会社と株式会社マナボ
– M&Aの目的: 新サービスの開発
– M&Aのスキーム: 株式譲渡
– 結果: エスエイティーティー株式会社は、オンライン家庭教師サービスを提供していた株式会社マナボとのM&Aにより、eラーニングシステムとの融合を目指し、企業向け教育研修や医療福祉などの他業種向けサービスの開発に取り組む。
4. 株式会社市進ホールディングスとパス・トラベル株式会社
– M&Aの目的: 多くのシナジー効果の期待
– M&Aのスキーム: 株式100%取得
– 結果: 市進ホールディングスは、パス・トラベル株式会社の株式を100%取得し、子会社化。教育と旅行という異なる業界の企業間で行われたM&Aで、多くのシナジー効果が期待される。
5. 株式会社ナガセと株式会社早稲田塾
– M&Aの目的: 次世代リーダーの育成
– M&Aのスキーム: 株式100%取得
– 結果: 株式会社ナガセは、株式会社早稲田塾の全株式を約20億円で取得し、子会社化。早稲田塾のノウハウを東進グループと共有し、競争力と総合力の強化を図る。
教育関連イベント運営業の事業が高値で売却できる可能性
教育関連イベント運営業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– オンラインイベントの成長: コロナ禍以降、オンラインイベントの需要が急増しており、将来性が高い企業は高評価を受けます。
– 事業内容の特徴: 特定のカリキュラムやコンテンツを提供するオンラインスクール事業は、シナジーのある買い手との協業により事業の成長が期待されます。
– 事業譲渡の条件: 既存のコンテンツや会員基盤の引継ぎが可能であり、会員限定のコミュニティも引継ぎ可能です。
– 売上高の実績: 例えば、オンラインスクール事業の売上高は2,500万円~3,000万円とされており、実績が多数ある企業も高評価を受けます。
これらのポイントを考慮すると、教育関連イベント運営業の事業が高値で売却される可能性は高いと言えます。特に、オンラインイベントの成長と事業譲渡の条件が大切な要素となります。
教育関連イベント運営業の企業が会社を譲渡するメリット
教育関連イベント運営業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです。
– 経営効率の向上: M&Aにより、経営効率が向上し、教育施設の拡充が可能です。これにより、新規志願者の獲得にもつながり、収益の安定化が期待されます。
– 人材確保: M&Aにより、譲渡側の教員や講師を一度に獲得でき、在校生のなかに優れた人材がいる場合は卒業後にそのまま教員として迎えることも可能です。
– ブランド力の強化: M&Aによって大手の企業へ譲渡すれば、ブランド力の強化が期待できます。これにより、遠方からの入学志願者が増加し、学生の囲い込みが可能です。
– 収益の安定化: M&Aにより、収益の安定や経営基盤の強化が図れ、よりよい教育環境を学生に提供できる体制が構築されます。
– 後継者問題の解消: M&Aにより、後継者問題が解決され、経営者の高齢化によるリスクが軽減されます。
– 事業エリアの拡大: M&Aにより、事業エリアを拡大し、生徒数が増加すれば、そのまま増益につながります。
– サービスや最先端技術の獲得: M&Aにより、新たなサービスや最先端技術を獲得しやすくなり、サービスや最先端技術を取り込めるようになります。
– 経営再建: M&Aにより、経営不振の学習塾が経営再建を果たすことが可能です。講師の数が足りず、生徒数も減少している学習塾は、再建が困難なケースがほとんどですが、大手の学習塾の傘下に入れば経営基盤を強化でき、新たな経営戦略を実行できる。
教育関連イベント運営業の事業と相性がよい事業
教育関連イベント運営事業と相性がよい事業は以下の通りです:
1. イベント運営サービスのワンストップサービス:
– 全ての運営業務を一括管理:参加者自動WEB受付システムから、会場設営や看板の作成、音響・映像のオペレーション、ケータリングの手配まで、すべてをワンストップサービスで対応します。
2. イベントマネジメントテクノロジー「Cvent」:
– イベント参加者情報の収集と分析:イベント参加者の行動データをマーケティング活動と連携する仕組みが求められており、Cventを利用してイベントの効果を最大化します。
3. STEAM教育イベントの企画・運営:
– STEAMカリキュラムの英語教育:STEAM教育のカリキュラムをオールイングリッシュで提供し、バイリンガルスタッフが在籍することで、子どもたちにとって楽しく効果的な英語学習の場を提供します。
4. 子育て支援イベントの開催:
– 親子交流の場提供:未就学児の親子の遊びや交流、子育て相談や子育て情報の提供の場として、親子ひろばわくわくを運営しています。
これらの事業は、教育関連イベントの運営において、多様なニーズに対応し、効果的な運営を可能にします。
教育関連イベント運営業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、教育関連イベント運営業の企業様にとって最適なM&Aパートナーです。その理由は、まず第一に譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点です。これにより、コストを気にせずに安心してM&Aプロセスを進めることができます。さらに、豊富な成約実績を誇り、多くの企業様にご満足いただいております。特に、教育関連イベント運営業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なサポートを提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。