目次
- 1 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の市場環境
- 2 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)のM&Aの背景と動向
- 3 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)のM&A事例
- 4 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の事業が高値で売却できる可能性
- 5 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の企業が会社を譲渡するメリット
- 6 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の事業と相性がよい事業
- 7 再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の市場環境
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の市場環境についての概要は以下の通りです:
– 再生可能エネルギー市場規模:
– 世界の再生可能エネルギー市場規模は、2023年で約5,635億米ドルで、2023年から2036年の予測期間中、CAGR(年間平均成長率)が11.3%の割合で成長し、2036年までに約1兆6,518億米ドルに達すると予測されています。
– 日本政府は、2030年までに電力供給の36~38%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に、数々の支援政策を導入しています。
– 太陽光発電市場:
– 太陽光発電の世界市場は、気候変動や地球温暖化に対する関心が高まり、拡大傾向となっています。2020年は新型コロナウィルスの影響で一時的に生産数が下がったものの、2021年から再び増加傾向です。
– 日本国内市場についても、2020年に生産数低下があったものの、2021年からは市場の回復傾向が続いています。しかし、国内産の太陽光パネルに関する市場規模は今後拡大の可能性が少ないとされています。
– 風力発電市場:
– 風力発電は、洋上風力発電が大幅に導入され、コスト低減や経済波及効果が期待されています。日本では、2022年度よりFIT制度に加えて市場連動型のFIP制度が導入され、再生可能エネルギーを電力市場へ統合することが重要視されています。
– 小水力発電市場:
– 小水力発電市場は、2028年までに年平均成長率2%で成長する見通しです。市場は2020年のCOVID-19の影響を受けたが、現在は流行前のレベルに達しています。市場の成長は、小水力発電市場への投資や電力需要の増加が推進要因となります。
– アジア太平洋地域は、小水力発電市場を牽引し、特にインドや中国などの発展途上国で農村電化に利用されています。
– 地熱発電市場:
– 地熱発電は、地域の強みを活用した企業の育成やスマートコミュニティ形成が推進されています。日本では、地熱や温泉熱、小水力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの導入が促進されています。
これらの市場環境は、再生可能エネルギー発電事業の成長と発展を支える重要な要素となっています。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)のM&Aの背景と動向
再生可能エネルギー発電事業におけるM&Aの背景と動向は、以下の点に焦点を当てています。
– 脱炭素政策の推進「脱炭素」が挙げられる: 政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指しており、これが再生可能エネルギー業界のM&Aを活発にしている。
– エネルギー価格の高騰エネルギー価格の高騰による影響: エネルギー価格の高騰は、再生可能エネルギー事業の投資やM&Aを促進している。
– 太陽光発電関連のM&A増加太陽光発電関連のM&Aが多い: 2021年には太陽光発電関連のM&Aが77件、風力発電関連が16件、バイオマス発電関連が19件と、太陽光発電関連が多くの割合を占めていました。
– 大手企業の主導大手企業が主導するM&A: 大手企業が主導するM&Aが多く、非FIT事業でのノウハウの活用や中小企業との合従連衡のようなM&Aも見られますが、大手企業が主導するM&Aが特徴的です。
– 支配権移動が伴わない提携支配権移動が伴わない提携: 必要な業務工程を必要な相手と提携することで、シナジー効果を創出させる取引が多い。
– 洋上風力発電の活用洋上風力発電の活用: 再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札として、洋上風力発電の事業化検討が進んでいます。
– 企業間のシナジー効果企業間のシナジー効果: 企業間のノウハウの融合や相互補完を図ることで、事業の伸長を加速させることが目指されています。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)のM&A事例
再生可能エネルギー発電事業のM&A事例についてまとめます。
太陽光発電関連のM&A事例
– ENEOS株式会社によるジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社のM&A:2021年、ENEOSホールディングスがジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。取得価格は約2,000億円で、国内外の再生可能エネルギー事業の総発電容量を100万キロワット超に拡大することを目標としています。
– 株式会社シーラホールディングスによる日本太陽光発電株式会社のM&A:2022年、シーラホールディングスが日本太陽光発電株式会社の全株式を取得し、完全子会社化しました。日本太陽光発電は太陽光発電システムの設計・施工・運用・保守・管理を行っており、シーラホールディングスはこのノウハウを活用して、遊休地の有効活用や投資用マンション購入のお客様に対して太陽光発電施設を投資商品として提供することを目指しています。
風力発電関連のM&A事例
– 住友商事によるInfinite EnergyのM&A:2019年1月、住友商事がオーストラリアのInfinite Energyの株式を100%取得しました。Infinite Energyは太陽光発電システムの販売や据え付けだけでなく、太陽光発電システムや卸売電力市場より調達した電力を既存の送電網を利用して需要家向けに販売する電力小売事業を展開しています。
小水力発電関連のM&A事例
– エンバイオ・ホールディングスによるMaF合同会社のM&A:2022年7月、エンバイオ・ホールディングスがMaF合同会社の出資持ち分90%を取得し、子会社化しました。MaFはコーポレートPPAによる再生可能エネルギー事業を展開しており、FIT制度に依存しない事業モデルの一種です。
地熱発電関連のM&A事例
– 事例が見つかりませんでした。近い事例としては、再生可能エネルギー業界全体の動向が注目されています。太陽光発電以外の再生可能エネルギー業界(風力、バイオマス、地熱)は、現在「導入期~成長期」にあるものと思われ、今後のM&Aの中心は太陽光発電業界から徐々にこちらの業界にシフトしていくものと思われます。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の事業が高値で売却できる可能性
再生可能エネルギー発電事業の売却価格は、事業規模や利益、資産や負担によって大きく異なります。以下に、太陽光発電、風力発電、小水力発電、地熱発電の売却価格についての要点をまとめます。
### 太陽光発電
– 売却価格の範囲:小規模な事業では1,000万円~3,000万円台、比較的大規模な事業では1億円単位で取引されている場合があります。
– 売却理由:固定価格買取制度(FIT制度)が施行された後、認定を取り消されないように設備や権利を売却することが多くなりました。また、保守・管理に手間・コストがかかるため、設備を売却する方が増えました。
– メリット:中古の太陽光発電所は、過去の実績を見ることができ、収益が予想しやすく、すぐに発電・売電を開始できるため、安定した買い手が見つかりやすいです。
– デメリット:中古の設備は経年劣化があるため、メンテナンスや修繕が頻繁に必要になります。また、過去に数年稼働しているため、20年の固定買取期間が保証されない場合があります。
### 風力発電
– 売却価格の範囲:建設コストは約38.1万円/kWで、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がる見込みがあります。
– 売却理由:風力発電も他の再生可能エネルギーと同様に、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がるため、売却が検討される場合があります。
### 小水力発電
– 売却価格の範囲:建設コストは約80~100万円/kWで、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がる見込みがあります。
– 売却理由:小水力発電も他の再生可能エネルギーと同様に、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がるため、売却が検討される場合があります。
### 地熱発電
– 売却価格の範囲:建設コストは約79万円/kWで、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がる見込みがあります。
– 売却理由:地熱発電も他の再生可能エネルギーと同様に、技術開発の進歩と量産効果によりコストが下がるため、売却が検討される場合があります。
### 重要なポイント
– 技術開発と量産効果:再生可能エネルギー発電事業のコストは、技術開発の進歩と量産効果により下がるため、売却価格が高くなる可能性があります。
– 事業規模と利益:事業規模や利益が大きい場合、売却価格も高くなる傾向があります。
– 保守・管理の必要性:保守・管理に手間・コストがかかるため、設備を売却する方が増えていることが多いです。
これらの要素を考慮すると、再生可能エネルギー発電事業の売却価格は、事業規模や利益、技術開発の進歩などによって大きく異なります。特に、太陽光発電や風力発電のコストが下がる見込みがあるため、高値で売却される可能性があります。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の企業が会社を譲渡するメリット
再生可能エネルギー発電事業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです。
– 事業の迅速な開始:新たに太陽光発電パネルや風力発電設備を作るには、工事を行うための時間を設ける必要がありますが、M&Aによる買収はこれらの手間を省くことができます。
– 設備の獲得:M&Aによって事業を買収すると、売り手企業が有している設備などは買い手企業に引き継がれます。これにより、迅速に発電事業を開始できるようになります。
– 事業の幅の広げ:再生可能エネルギーに関わる事業を行っている企業を買収することで、事業の幅を広げることができます。
– 廃業費用の抑制:M&Aによって事業を売却すれば、廃業に発生する費用を抑えることができます。設備を撤去する費用の支払いを回避することができます。
– 売却利益の獲得:M&Aによって事業を売却した場合、企業価値に応じた売却利益を獲得することができます。売却資金を他の事業に投資して、利益の拡大を図ることもできます。
– 新たな事業の開始:売却資金を得られることは、M&Aによる事業売却の大きなメリットです。再生可能エネルギー事業のみを行っている経営者でも、売却資金を元手に新たな事業を始めることが可能です。
– アーリーリタイアの実現:近年では売却によって得た資金を運用して、アーリーリタイアを図る経営者も増えています。
– 保守・管理の負担軽減:太陽光発電や風力発電などの設備は、自然環境の影響を受けやすく、保守・メンテナンスが必要です。中古の発電設備を購入することで、これらの手間とコストを減らすことができます。
– キャッシュの準備:他の投資先を検討するなどして、別の事業に使うための現金を準備するため売却するケースもあります。
– 減価償却費の計上終了:太陽光発電への投資を始める理由のひとつに、減価償却費の計上があります。目的を達成したら太陽光発電設備を売却したいという投資家が多いのも、セカンダリーマーケットが盛り上がっている理由のひとつです。
– 安定した買い手の確保:中古の太陽光発電所は、買い手にとってもメリットがあります。過去の実績を見ることができるため、収益が予想しやすく、すぐに発電・売電を開始することができます。
– リスクの軽減:リスクも大きな太陽光発電を収益の予想を立てて始められる中古発電設備に対する需要は大きく、安定した買い手を確保できるというのは、売却する側にとって大きなメリットです。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の事業と相性がよい事業
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
### 太陽光発電
– 昼間に電気を多く消費する企業:太陽光発電の性質上、昼間に発電がおこなわれるため、日中に発電したエネルギーを日中に直接消費できる企業が効率的にシステムを活用できます。
– 工場や大きな建物:工場や大きな建物が多く存在する地域では、屋根設置型の太陽光発電が可能であり、地域経済の活性化にも貢献します。
– 再投資と事業集約:既存の太陽光発電への再投資や小規模な設備の集約が推進され、事業環境の整備が不可欠です。
### 風力発電
– 地域との共生:風力発電は地域との共生を図りつつゆるやかに自立化へ向かう電源とされ、地域の自然環境や資源と関連が深いです。
– 自家消費:風力発電も自家消費を推進し、電気代の削減やクリーンエネルギーの利用が期待されます。
### 小水力発電
– 地域密着:小水力発電は地域密着を図りながら、地域の自然環境や資源と関連が深いです。
– 地域貢献:小水力発電は地域貢献が期待され、災害時の緊急電源や地域経済の活性化にも貢献します。
### 地熱発電
– 地域との共生:地熱発電も地域との共生を図りつつゆるやかに自立化へ向かう電源とされ、地域の自然環境や資源と関連が深いです。
– 地域貢献:地熱発電は地域貢献が期待され、地域経済の活性化や防災対策にも貢献します。
### まとめ
再生可能エネルギー発電事業は、各種のエネルギー源が地域の自然環境や資源と関連が深く、地域貢献が期待されます。特に、太陽光発電は昼間に電気を多く消費する企業や工場や大きな建物が多く存在する地域に適しています。風力発電や小水力発電も地域との共生を図りつつゆるやかに自立化へ向かう電源であり、地域貢献が期待されます。地熱発電も地域貢献が期待され、地域経済の活性化や防災対策にも貢献します。 再投資や事業集約 は太陽光発電の事業環境整備に不可欠です。 地域密着 は風力・小水力・地熱発電の特徴であり、地域貢献が期待されます。
再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、再生可能エネルギー発電事業(太陽光、風力、小水力、地熱)の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由をいくつかご紹介いたします。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が大きな魅力です。これにより、コストを抑えつつ、安心してM&Aのプロセスを進めることができます。また、豊富な成約実績を誇っており、多くの企業様にご満足いただいております。さらに、再生可能エネルギー発電事業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確に対応することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。