目次
レンタルビデオ業の市場環境
レンタルビデオ業界の市場環境は、動画サブスクの台頭により急激に縮小しています。以下に大切なポイントをまとめます。
– 市場規模の縮小:
– レンタルビデオ業界の市場規模:
– 2023年時点で417億円(前年比27%減)。
– 2007年時点で3,604億円でした。
– 動画サブスクの市場規模:
– 2023年時点で5,054億円(前年比12.1%増)。
– 2007年時点のレンタルビデオ業界の市場規模を上回っています。
– 店舗数の減少:
– TSUTAYA:
– ピーク時には1,470店舗(2012年)でしたが、2024年4月には約790店、ビデオレンタル取扱店は約510店にまで減少しています。
– ゲオ:
– 業績が好調で、リユースビジネスへの転換を図っています。
– 業界の変化:
– 需要の減少:
– 「TSUTAYAにもう何年も行っていない」「近所からレンタルビデオ店が一店舗も無くなってしまった」という方も少なくありません。
– 業界の活性化:
– まだ一定程度の市場規模をキープできているかもしれない。
– 業界の展望:
– TSUTAYAのFCを手がけるトップカルチャー:
– 「レンタル」撤退を発表済みですが、業態転換も進めています。
– 国内の郵送型DVDレンタル:
– 中長期的な市場規模拡大が期待できるか微妙です。
レンタルビデオ業のM&Aの背景と動向
レンタルビデオ業のM&Aの背景と動向
レンタルビデオ業界におけるM&Aの動向は、業界の変化と企業の成長戦略に伴って進んでいます。以下に大切なポイントをまとめます。
– 業界の変化: リース・レンタル業界の縮小により、企業は事業基盤を強化・拡大し、新規サービスを拡充する動きが見られます。
– 同業者間のM&A: リース取扱高の増大や新規顧客開拓を目的として、総合リース会社が企業系リース会社・メーカー系リース会社・専門リース会社を買収するケースが多く見られます。
– 異業種によるM&A: 総合リース会社の強化を目的として、異業種企業とのM&Aが行われています。
– 具体例: イオシスは、独自の社風を維持しながら、丸紅との資本業務提携を実施し、さらなる成長を目指しています。創業者の中本氏は、従業員の想いに感嘆し、社風を守るためにMBOを実施しました。
– スピード譲渡: MREのカメラレンタル事業譲渡は、約1カ月で成約を実現しました。バトンズのシステム化がスムーズな事業譲渡を可能にしました。
これらのポイントを通じて、レンタルビデオ業界におけるM&Aの背景と動向を理解できます。
レンタルビデオ業のM&A事例
### レンタルビデオ業のM&A事例
#### フジ・TSUTAYA・エンターテイメントの吸収合併
フジグループが、完全子会社のフジ・TSUTAYA・エンターテイメント株式会社(FTE)を吸収合併することを決定しました。FTEの赤字の主要因であったレンタル事業を整理し、フジグループの企業価値向上を図るためです。
#### カメラレンタル事業の事業譲渡
合同会社MREが、カメラレンタル事業をバトンズに事業譲渡しました。旅行業を主軸に様々な事業を横展開している中野様が、サブ事業として始めたカメラレンタル事業を譲渡検討に至りました。
#### その他の近似事例
– 九州リースサービスによる西日本不動産開発の不動産事業のM&A:リース・割賦事業に取り組む九州リースサービスが、レンタル事業やエネルギー事業を行っている西日本不動産開発の不動産事業を譲り受けました。
– みずほリースによるRent Alpha Pvt. Ltd.のM&A:業界大手の総合リース会社のみずほリースが、中小企業向けリースソリューションを提供しているRent Alpha Pvt. Ltd.を子会社化しました。
レンタルビデオ業の事業が高値で売却できる可能性
レンタルビデオ業の事業が高値で売却できる可能性は低いです。以下のポイントをとで囲んでまとめます。
– 市場規模の減少: レンタルビデオ業界は急激に縮小しており、2023年の市場規模は417億円で、前年比27%減となっています。
– 動画サブスクの台頭: 動画サブスクの市場規模は5,054億円で、レンタルビデオ業界の10分の1にまで落ち込んでいます。
– 業界の衰退: TSUTAYAやゲオなどの大手レンタルビデオ店も、閉店ラッシュが続いています。TSUTAYAの場合、ピーク時には1,470店舗あったが、2024年4月には約790店にまで減少しています。
– 事業の転換: TSUTAYAやゲオは、新たなビジネスモデルへの移行を進めていますが、TSUTAYAのデータビジネスプラットフォームはいくつかの壁にぶつかっているようです。
これらの理由から、レンタルビデオ業の事業が高値で売却される可能性は低いと考えられます。
レンタルビデオ業の企業が会社を譲渡するメリット
レンタルビデオ業の企業が会社を譲渡するメリットをまとめると、以下の点が大切です:
– リスクの遮断:事業譲渡では、税務リスクや法務リスク、労務リスクなどが売り手側に残り、買い手側に引き継がれないため、リスクを大幅に軽減できます。具体的には、過去に行った行為に関する税務リスクや法務リスクが基本的に遮断されるため、将来のリスクが低減されます。
– 節税効果:事業譲渡では営業権を計上することができ、節税効果が得られます。例えば、譲渡資産が棚卸資産10M、固定資産20Mの合計30Mで支払対価が100Mの場合、買い手のBSで差額の70Mが営業権として計上されます。
– 手出しを抑制:事業譲渡では、買い手が必要なのは事業用資産のみであり、現金や売上債権は売り手の会社に残ります。これにより、買い手側の社内稟議も通りやすく、買収に必要な資金調達コストを抑えることができます。
– 従業員の雇用が確保できる:会社譲渡を行う場合、買い手が自社従業員と雇用契約を再び結んでくれるため、従業員の雇用が確保されます。
– 新規事業への進出が容易:M&Aによって当該事業を展開している企業を取得すれば、新規事業への進出にかかる時間を短縮でき、売り手企業のノウハウ・技術力・シェアも獲得できます。
– M&Aによる相乗効果:M&Aによる相乗効果が期待できます。具体的には、シナジー効果、規模の拡大、そして新しい技術・商品の獲得が期待できます。
レンタルビデオ業の事業と相性がよい事業
レンタルビデオ業の事業と相性がよい事業は、以下の通りです。
– リユースショップ: リユースショップは、古い家電製品や衣服を再利用するビジネスです。例えば、GEOホールディングスの「2ndSTREET」は、洋服や家電を扱うリユースショップで、売上が好調です。店舗数も増加しており、中期的には1000店舗を目指しています。リユースショップの売上が好調。
– コワーキングスペース事業: TSUTAYAや蔦屋書店は、レンタル事業から撤退する一方で、コワーキングスペース事業に進出しています。例えば、TSUTAYAは「SHARE LOUNGE」を北信越で初めてオープンしました。コワーキングスペース事業への進出。
– 特撰雑貨文具ジャンルの拡大/強化: 蔦屋書店やTSUTAYAは、特撰雑貨文具ジャンルの拡大/強化に力を入れ、店舗のリモデルを行っています。特撰雑貨文具ジャンルの拡大/強化。
– デジタルコンテンツ配信: デジタルコンテンツ配信は、レンタルビデオ業界の衰退を補う新たなビジネスモデルです。例えば、NetflixやAmazon Prime Videoなどの有料動画配信サービスが急成長しています。デジタルコンテンツ配信の急成長。
これらの事業は、レンタルビデオ業界の衰退を補う新たなビジネスモデルとして、相性がよいです。
レンタルビデオ業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、レンタルビデオ業の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由がいくつかございます。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が大きな特徴です。これにより、コストを抑えながらスムーズにM&Aを進めることが可能です。また、豊富な成約実績を誇っており、多くの企業様にご満足いただいております。さらに、レンタルビデオ業の業界にも知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なアドバイスを提供することができます。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。