目次
ブロックチェーン・Web3特化SESの市場環境
ブロックチェーン・Web3特化SESの市場環境
日本のブロックチェーン・Web3特化サービスエコシステム(SES)は、急速に発展しています。以下に主要なポイントをまとめます。
– 日本のWeb3業界の動向:
– 政府の支援: 2022年に政府がWeb3を国家戦略として掲げ、Web3を含む新たなサービスを醸成しやすい環境整備に取り組んでいます。
– 企業の参入: 大企業を中心にWeb3への参入が増加傾向にあります。例えば、ドコモが次世代ネット「Web3」に6,000億円投資し、香港のWeb3企業「Animoca Brands」が日本に戦略的子会社を設立しています。
– ブロックチェーンゲームの活性化:
– CryptoGames: 国内最大級のブロックチェーンゲーム『CryptoSpells』を自社開発・運営し、NFT・ブロックチェーンゲーム領域で自社開発・開発支援・コンサルティングを行っています。
– gumi: ブロックチェーン事業のパイオニアとして、主にモバイルオンラインゲーム事業やメタバース事業、ブロックチェーン等の領域への投資を行っています。
– Web3特化型M&Aアドバイザリー:
– コンセンサス・ベイスとDoMandAの協業: Web3特化型M&Aアドバイザリー事業を開始し、日本初となる「Web3特化型M&Aアドバイザリー業務」を提供しています。
– 目標: Web3領域に進出意欲のある日本企業と、優れた技術またはサービス/プロダクトを持つ世界のWeb3企業をマッチングし、資本/業務提携または買収プロセスを支援します。
– 注目企業と求人情報:
– DMM.com: Web3プラットフォームの構築「DM2C Studio」を設立し、独自トークンを軸としたWeb3プラットフォームの構築を目指しています。サーバーサイドエンジニア(ブロックチェーン)の求人情報があり、年収は500〜800万円です。
– gumi: 起業を目指す学生に対して支援を行う「Web3 Startups」を創設し、フロントエンドエンジニア(Web3領域のプロダクト開発/N Suite)の求人情報があり、年収は300〜700万円です。
– Web3の将来性:
– アジアの可能性: アジアは少なくとも短期的には、ブロックチェーンゲームをリードする可能性があります。アジアのゲーマーがNFTを歓迎しているためです。
– 技術の魅力: Web3は、既存の金融とは全く違う技術であり、ブロックチェーンで金融らしいことをしていても、中央集権でない点が魅力です。パブリックでオープンソースな部分に魅力を感じます。
これらのポイントから、日本のブロックチェーン・Web3特化SESは、政府の支援や企業の参入、ブロックチェーンゲームの活性化、Web3特化型M&Aアドバイザリーの開始など、多くの動向が見られます。
ブロックチェーン・Web3特化SESのM&Aの背景と動向
ブロックチェーンとWeb3特化のM&Aの背景と動向についてまとめると以下のようになります。
### 背景
– 技術の進展: ブロックチェーンやDID/VC(Verifiable Credential)などのWeb3技術の進展により、個人主権型のライフログプラットフォームやセキュリティトークンの売買が可能になりました。
– 投資の動向: VCの投資動向は経済状況やマーケットのトレンドに大きく影響を受けます。去年比べて大手VCによるweb3プロジェクトへの投資額は減っていますが、有望なプロジェクトに対する資金提供は継続されています。
### M&Aの動向
– セキュリティトークンの売買: セキュリティトークンは株式と同等の機能を持つため、未上場企業の株式売買の流動性を高めるために利用されています。セキュリティトークンによる企業M&A市場が活性化すれば、起業して事業売却する人も増えるでしょう。
– 個人主権型ライフログプラットフォーム: UPBONDは、ブロックチェーンやDID/VCを基に個人主権型ライフログプラットフォームを構築しています。このプラットフォームは、企業のIDに関連する課題を解決し、個人主権型のログイン基盤やライフログ利活用を実現するWeb3ウォレットを提供しています。
### 大切なポイント
– 技術の活用: Web3技術を活用することで、個人情報の適正な管理・利用を実現する個人主権型プラットフォームが構築されます。
– 投資の再び勢い: VCによるweb3への投資が再び勢いを取り戻すことは確実です。大きな出資を必要とするプロジェクトは、それまでの期間に下準備をすることになるでしょう。
– 流動性の向上: セキュリティトークンによる売買は、流動性の向上とアクセス性の向上をもたらします。未上場企業の株式売買が容易になるため、海外案件も増える可能性があります。
### まとめ
ブロックチェーンとWeb3特化のM&Aは、技術の進展とVCの投資動向に大きく影響を受けています。セキュリティトークンによる売買が流動性を高め、個人主権型ライフログプラットフォームが構築され、VCによるweb3への投資が再び勢いを取り戻すことが期待されています。
ブロックチェーン・Web3特化SESのM&A事例
ブロックチェーン・Web3特化M&A事例のまとめ
1. コンセンサス・ベイス株式会社と株式会社DoMandAの協業
– Web3特化型M&Aアドバイザリー事業の開始
– 目標: Web3領域に進出意欲のある日本企業と優れた技術またはサービスを持つ世界のWeb3企業をマッチングし、資本/業務提携または買収プロセスを支援。
2. 株式会社サイバーリンクスとLasTrust株式会社の事業譲渡
– ブロックチェーン技術を利用した証明書発行サービス「CloudCerts」の事業譲渡
– プロセス: LasTrustが『M&Aクラウド』に登録し、サイバーリンクスが『M&Aクラウド』で募集開始。4回目の面談で契約締結。
3. NTTドコモと株式会社HIKKYの買収
– VRサービスの開発ソリューションの提供
– 目標: 国内外への展開を目指し、VR関連サービスの開発体制の強化、オープンメタバースの開発・運営、VRサービス事業の拡大。
4. SBIホールディングス株式会社とSBINFT株式会社の子会社化
– NFTマーケットプレイスの展開
– 目標: NFTに関する事業を展開し、SBIグループの持ち株比率は80%となり、社名をSBINFT株式会社に変更。
ブロックチェーン・Web3特化SESの事業が高値で売却できる可能性
Web3特化型M&Aアドバイザリー事業の高値で売却できる可能性について
日本企業がWeb3領域に進出する際の課題は大きく、特にグローバル市場での戦略を描くことが難しいという点が挙げられます。これに対処するために、コンセンサス・ベイスとDoMandAが協業し、日本初となる「Web3特化型M&Aアドバイザリー業務」を開始しました。この事業は、NFT、ブロックチェーンゲーム(BCG)、X to Earn、インフラ(ゼロ知識証明等)、分散型ID(DID)、メタバースなどのWeb3領域に特化しており、日本企業と優れた技術またはサービスを持つ世界のWeb3企業をマッチングし、資本/業務提携または買収プロセスを支援します。
日本のWeb3市場の潜在性
日本には「ポケモン」や「ドラえもん」をはじめとしたアニメ・ゲームなどの優秀コンテンツが豊富であり、Web3時代のメタバースやNFTにおけるIP活用の動きでは既に大きな優位性を築いています。ただし、日本企業が単独でグローバル市場で戦うことは現実的ではないため、海外のWeb3企業との資本・業務提携または買収を行うことが重要です。
Web3のエコシステムの発展
日本のWeb3エコシステムは徐々に発展しており、日本独自のエコシステムができ始めています。例えば、Animoca Brandsが日本に戦略的子会社を設立し、シードラウンドで約11億円を調達するなど、日本の市場でヒットしたところでたかが知れているので、グローバルでやらないとダメだということを、もっと声高に言わないといけないと感じています。
日本のエンターテイメント業界の活用
日本のエンターテイメント業界は、ソーシャルゲームなどが盛んであり、開発会社がIP(知的財産)などをもっています。個人投資家も多いということで、潜在的なマーケットは大きいと期待されています。例えば、きゃりーぱみゅぱみゅさんや新しい学校のリーダーズが所属しているアソビシステムと一緒に「MetaTokyo(メタトーキョー)」を始めたり、サカナクションを輩出した音楽事務所のHIP LAND MUSICと一緒に共創型コミュニティ「FRIENDSHIP. DAO(フレンドシップ・ダオ)」を立ち上げています。
Web3の将来性
Web3は、次世代のインターネット概念を指し、「分散型のインターネット」を表します。ブロックチェーン技術を用い、データをブロックに細分化したうえで管理します。情報の改ざんが難しく、個人情報の流出のリスクも低いというメリットがあります。この分散型の特性により、トークンはお金を稼ぐ手段ではなく、コラボレーションの機会を生み出す媒介として重要です。
日本企業のWeb3進出のためのサポート
日本企業がWeb3に進出するためのサポートとして、DMM.comが新会社「株式会社DM2C Studio」を設立し、独自トークンを軸としたWeb3プラットフォームの構築を目指しています。gumiも起業を目指す学生に対して支援を行う「Web3 Startups」を創設しており、資金提供、ワーキングスペースの貸与、ネットワークの提供等の全面的なサポートをしています。
これらのポイントを考慮すると、日本企業がWeb3特化型M&Aアドバイザリー事業を高値で売却する可能性は高く、特に日本企業が優れた技術またはサービスを持つ世界のWeb3企業とマッチングし、資本/業務提携または買収プロセスを支援することで、グローバル市場での戦略を描くことができる可能性があります。
ブロックチェーン・Web3特化SESの企業が会社を譲渡するメリット
ブロックチェーン・Web3特化のSES企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです。
– エンジニアを獲得できる: SES企業は、エンジニアが事業の基盤となっているため、M&Aによって採用が難しいエンジニアを一気に獲得できることは大きなメリットです。
– 取引先のネットワークを引継ぎできる: SES企業は大手クライアントと取引があることが多く、そのネットワークを引継ぎできることは営業活動においてもメリットです。
– 売上が読みやすい(変動が少ない): SES企業はエンジニアの労働時間に応じて対価が支払われるため、売上変動が少なく予測が立ちやすいことが経営においてプラスの要因です。
– コスト削減と効率化: Web3の導入により、ブロックチェーン技術とスマートコントラクトの活用により、仲介者を介さずに直接取引が可能になり、取引にかかる手数料が大幅に削減されます。
– セキュリティの強化: Web3のセキュリティ強化により、データの分散管理と高度な暗号化技術の組み合わせにより、セキュリティが飛躍的に向上します。
ブロックチェーン・Web3特化SESの事業と相性がよい事業
ブロックチェーン・Web3特化のSES事業と相性がよい事業は以下の通りです:
– 人材事業:ブロックチェーン技術の専門企業として、Web3/ブロックチェーン領域における日本トップクラスの開発実績を誇るコンセンサス・ベイスは、人材事業を新規事業として展開しています。人材事業は、ブロックチェーン技術の専門人材を確保し、IPOを目指すブロックチェーン・Web3事業の支援カンパニーを目指しています。
– ブロックチェーンコンサルティング:大手企業との取引を実現し、ブロックチェーンに関する社内研修やワークショップ、セミナー、勉強会なども多く開催しているコンセンサス・ベイスは、ブロックチェーンコンサルティングが主な事業です。
– ブロックチェーンシステム開発:ソフトバンク株式会社やSBIホールディングスなどと共同で、ブロックチェーンシステム開発を行っています。例えば、IoTデバイスを用いたAR/MR空間での認証と支払い、国際募金プラットフォームのブロックチェーン実証実験などが行われています。
– NFT取引やDeFi:Web3.0のトークン経済において、NFT取引や分散型金融(DeFi)が活用されています。NFT取引やDeFiは、ブロックチェーン上で暗号資産等のトークンを媒体として「価値の共創・保有・交換」を行う経済を形成しています。
これらの事業は、ブロックチェーン・Web3特化のSES事業と相性がよいです。
ブロックチェーン・Web3特化SESの企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、ブロックチェーン・Web3特化SESの企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由がいくつかございます。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点で、コスト面での負担を軽減できます。また、豊富な成約実績を誇り、これまで多くの企業様にご満足いただいております。さらに、ブロックチェーン・Web3特化SESの業界にも知見を保有しており、専門的なアドバイスやサポートを提供することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。