目次
フリーランス支援業の市場環境
フリーランス支援業の市場環境についてのまとめ
– 市場規模と成長率:国内のコンサルティング市場は、2019年から2024年までの年間平均成長率(CAGR)4.0%で成長し、2024年には市場規模が1兆円に達すると予測されている。
– フリーランス案件の急増:2023年6月のデータによると、「コンサル」フリーランス案件数は前年同月比で728%増加している。フリーランス案件希望者数も前年同月比で7.6倍と急増しており、案件倍率は1.3倍となっている。
– フリーランス人口と経済規模:2021-2022年の調査では、フリーランス人口は1,577万人、経済規模は23.8兆円であることがわかりました。フリーランス人口は68.3%(640万人)、経済規模は62.7%(9.2兆円)増加しました。
– フリーランスエージェント市場の成長:2023年のフリーランスエージェント市場は前年比142.8%の成長を遂げ、2,063億円の規模に達しました。2027年にはフリーランスエージェント市場が4,000億円を突破し、国内IT人材の約1/3をITフリーランス人材が占めると予測されています。
– フリーランスの報酬と働き方:2024年12月のフリーランス案件の月額平均単価は72.2万円、最高単価は320万円です。フリーランスは高報酬や柔軟な働き方が可能であり、企業側も専門人材を活用できるメリットがある。
– フリーランス新法の施行:2023年4月28日に成立したフリーランス新法は、2024年秋頃までに施行される予定です。この法は、取引条件の明示、報酬の未払い禁止、フリーランスの利益を損なう行為の禁止、募集状況の的確な表示、育児介護等と業務の両立への配慮、ハラスメント対策の体制整備、中途解約等の事前予告、上記を違反した場合の罰則を規定しています。
これらの要素は、フリーランス支援業の市場環境が急速に拡大し、企業の働き方改革やITフリーランス人材の需要の高まりが推進力となっていることを示しています。
フリーランス支援業のM&Aの背景と動向
人材業界におけるフリーランス支援業のM&Aの背景と動向についてまとめると、以下のようになります。
背景と動向
近年、人材業界ではM&Aの動きが活発化しています。特に大手企業による業界再編や専門性の強化を目指すM&Aが増加しています。フリーランス支援業においても、テクノロジーの強化と新規事業領域への進出が求められており、これを達成するためにM&Aが活用されています。
代表的なM&A事例
1. エン・ジャパン×株式会社Brocante
– 背景: エン・ジャパン株式会社は求人情報サービスの大手企業で、フリーランス向けIT案件サイト「フリーランススタート」を運営する株式会社Brocanteを買収しました。
– 目的: テクノロジーの強化と新規事業領域の獲得を目指しました。
– スキーム: 簡易株式交換で行い、約6億円相当のエン・ジャパン社株式が対価として支払われました。
2. ツナググループ×株式会社GEEK社
– 背景: ツナググループ・ホールディングスはRPO(採用業務アウトソーシング)を主軸に事業を展開する会社で、HRテック系サービスの新規開発に向けたリソースと知見の獲得を目指しました。
– 目的: HRテック系サービスの新規開発に向けたリソースと知見の獲得を目指しました。
– スキーム: 株式買収で行い、GEEK社の技術と知識を活用しました。
M&Aの流れ
1. M&Aアドバイザーの選定
– M&Aアドバイザーを選定し、売り手・買い手探しや条件交渉、契約書の作成などを支援します。
2. 買い手の探索
– 交渉相手を探し、自社に最適な条件の企業を慎重に選びます。
3. 条件交渉
– 秘密保持契約を結んで具体的な条件の交渉を開始し、売却・買収価格や従業員の取り扱いなどを詰めます。
4. 基本合意の締結
– 条件が決まったら、基本合意書を結び、交渉内容を明確にします。
5. デューデリジェンスの実施
– 買い手企業が、売り手企業の詳細な調査を行い、最終的な売買価格を決定します。
6. 最終契約の締結
– 双方が交渉内容に同意できたら、最終契約が締結されます。
7. クロージング
– M&Aが成立した後は、株式の交付や対価の支払いなど、クロージングの手続きに移ります。
大切なポイント
– 専門性の強化: 業界再編や専門性の強化を目指すM&Aが増加しています。
– テクノロジーの強化: フリーランス支援業においても、テクノロジーの強化が求められており、これを達成するためにM&Aが活用されています。
– 新規事業領域の獲得: 新規事業領域への進出が求められており、これを達成するためにM&Aが活用されています。
これらのポイントを通じて、人材業界におけるフリーランス支援業のM&Aの背景と動向を理解することができます。
フリーランス支援業のM&A事例
フリーランス支援業のM&A事例についてまとめます。
– 綱屋とグローブテック・ジャパンのM&A:
– サイバーセキュリティ人材育成:
– 2023年8月、綱屋がグローブテック・ジャパンの全株式を取得し、子会社化しました。綱屋はグローブテック・ジャパンの人材にサイバーセキュリティ人材育成を施し、付加価値の高いサイバーセキュリティエンジニアの派遣事業を開始しました。
– SHIFTとクレイトソリューションズのM&A:
– ERP開発力強化:
– 2023年6月、SHIFTグロース・キャピタルがクレイトソリューションズの株式を取得しました。同社と協業することで、ERP領域を中心とした開発力の強化に取り組みました。
– SHIFTとEQIQのM&A:
– バイリンガル人材紹介:
– 2023年5月、SHIFTグロース・キャピタルがEQIQのWAHL+CASE事業を会社分割により承継しました。人事支援サービスにバイリンガルエンジニアや最先端技術をもったエンジニアの紹介のサービスを加えることで、採用力の強化と顧客への提供ソリューションの拡大を目指しました。
– ハイブリッドテクノロジーズとキャスレーコンサルティングのM&A:
– PM/コンサルティング人材育成:
– 2023年4月、ハイブリッドテクノロジーズがキャスレーコンサルティングの株式を取得し、子会社化しました。経験豊富なPM/コンサルティング人材が多数在籍し、PM人材育成のノウハウを持つキャスレーコンサルティングがグループに入ることで、両社の間で事業シナジーが創出されることになります。
– Kaizen PlatformとハイウェルのM&A:
– DXに関する課題解決:
– 2022年10月、Kaizen Platformがハイウェルの株式を取得し、子会社化しました。グロースハッカーネットワークやハイウェルのエンジニアネットワーク・採用支援ノウハウを組み合わせることで、DXに関する課題をトータルで解決できるパートナーとしての強固なポジショニングを目指しました。
– Branding EngineerとTSRソリューションズのM&A:
– ITエンジニアのキャリアライフサポート:
– 2022年2月、Branding EngineerがTSRソリューションズの株式を取得し、子会社化しました。ITエンジニアを双方の顧客に紹介できるクロスセルの実現を見込み、さらに、TSRのベテランITエンジニア人材と、Branding Engineerの若手ITフリーランスエンジニアとのチーム組成を行うことで、DX化の推進など幅広いニーズに対しより高付加価値の提案実現を目指しました。
フリーランス支援業の事業が高値で売却できる可能性
フリーランス支援業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– 業界の特性: フリーランス支援業は、専門知識やノウハウが必要な業種であり、優秀なエンジニアや安定した取引先を有している場合、相場価格が高くなる傾向があります。
– 利益率: 利益率が高い事業は、高値で売却できる可能性が高くなります。例えば、コンサルティングとWEB制作のパッケージ、フリーランスの活用などで30%以上の高い利益率を誇る事業は、特に魅力があります。
– 運営しているサイトの価値: ウェブサイトの価値も大きく影響します。個々の事例によって売却価格が大きく変わるため、具体的な事例を参考にすることが重要です。
– エンジニアの人数と価値: エンジニアの人数とその価値単価が高い場合、さらに高値で売却できる可能性があります。
– 将来性と収益性: 事業の将来性と収益性を示すことが重要です。営業を強化することで売上伸長の余地がある点も魅力です。
これらのポイントを理解することで、フリーランス支援業の事業を高値で売却するための準備ができ、より良い交渉が可能になります。
フリーランス支援業の企業が会社を譲渡するメリット
フリーランス支援業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです。
– 後継者問題が解決できる後継者問題: 会社譲渡を実施することで、後継者問題を解決できます。特に中小企業では後継者が見つからない悩みに直面することが多く、第三者に事業を承継することで廃業を選ばずに事業を存続させることが可能です。
– 経営の効率化が図れる経営効率化: 事業譲渡を活用すれば、自社に不要な事業を売却できます。これにより、自社が有する優秀な従業員や経営資源を、自社が強みとする事業へ集中的に投下できるため、無駄なく高いパフォーマンスが発揮できます。
– 廃業コストを抑えられる廃業コスト: 会社売却を実行すると、廃業に伴う作業で発生する手間や費用を削減できます。売却資金が獲得できる可能性もあるので、引退したいと考えている経営者は、廃業よりも会社売却で利益を得ることができます。
– 個人保証や担保から解放される個人保証解放: 会社譲渡においては、株式・資産だけでなく、債権や債務なども引き継がれます。個人保証や担保から解放されることは、経営者にとって大きなメリットといえます。
– 特定の事業のみの売却が可能特定事業売却: 事業譲渡であれば、特定の事業のみの売却が可能です。例えば、シナジー効果のある事業のみを売却することで、無駄な売却をしなくて済みます。
– 簿外債務がネックにならない簿外債務: 事業譲渡であれば、簿外債務がネックにならないため、未払いの残業代や訴訟のリスクを避けることができます。
フリーランス支援業の事業と相性がよい事業
フリーランス支援業の事業と相性がよい事業を以下にまとめます。
### マッチングサービス
– マッチングプラットフォーム:
– SOKUDAN:
– フリーランスに合った案件を紹介するエージェント型サービス。
– Workship:
– フリーランスに合った案件を紹介するサービス。
– Tech Direct:
– エージェント型サービスで、フリーランスに合った案件を紹介。
– レバテックフリーランス:
– 高単価案件を豊富に提供し、エンドクライントと直接取引するサービス。
– ITプロパートナーズ:
– ハイエンドなスキルを持つユーザーが多く登録しており、高単価案件の紹介が可能。
– Midworks:
– クラウドソーシング型サービスで、案件のジャンルやスキルレベルが幅広く提供。
– CrowdWorks:
– クラウドソーシング型サービスで、多くの案件が掲載されている。
– Lancers:
– スキルシェア型サービスで、自分のスキルをサービスとして売り出せる。
### コミュニティ支援
– フリーランス協会:
– フリーランスとしての活動を支援するためのインフラやコミュニティを提供し、無料会員と一般会員の2つのプランがあります。
– 無料会員:
– _仕事獲得の機会やオンライン講座、スキルアッププログラム、コワーキングスペースの優待利用_。
– 一般会員:
– _賠償責任保険や所得補償保険、法務相談、キャリア相談_。
### 税務・経費管理支援
– 組合加入:
– _税理士や会計士などの専門家が組合の一員としてアドバイスを提供し、税務処理の負担を軽減_。
– _経費管理に関するアドバイスも受けられる_。
### ITフリーランス支援機構
– _労災保険の加入支援やセミナーの開催、フリーランス法に関する情報提供_。
– _企業や他の団体とのパートナーシップも強化しており、フリーランスが利用できるリソースを広げています_。
### 新規事業コンサルタント向け案件
– _フリーランスの新規事業コンサルタント向けに案件を提供するサービス_。
これらの事業は、フリーランス支援の多角的なサポートを提供しており、各種のニーズに対応することができます。
フリーランス支援業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、フリーランス支援業の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由がいくつかあります。まず、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が大きな魅力です。これにより、コストを抑えながらスムーズにM&Aを進めることができます。さらに、豊富な成約実績を誇っており、多くの企業様にご満足いただいております。フリーランス支援業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なアドバイスを提供することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。