目次
コンサート運営業の市場環境
2024年上半期のライブ・エンタテインメント市場の調査データを基に、コンサート運営業の市場環境を以下のようにまとめます。
– 市場規模の拡大市場規模は前年同期比118.9%に拡大。総売上額は2840億6571万円に達し、コロナ禍前の2019年上半期を上回った。
– 公演数と動員数の状況公演数および動員数は前年と同程度。ただし、関東・東海・近畿・九州沖縄の4地域ではコロナ前を上回っているが、他の地域ではまだコロナ前の水準には達していない。
– 会場規模別の変化アリーナ公演が増加。関東圏の新設会場の稼働もあり、公演数1,174(前年同期比119.9%)、動員数972.9万人(同127.4%)と拡大している。
– K-Popアーティストの公演K-Popアーティストの公演数は380(前年同期比121.8%)と増加傾向があるが、アリーナ公演の減少で動員数は243.2万人(同88.3%)に留まった。
– 平均単価の変化平均単価は前年同期比119.1%の¥10,408。一部大規模公演や海外アーティストの影響が大きい。
これらのデータから、ライブ・エンタテインメント市場は市場規模の拡大と公演数の増加が見られる一方で、地域や会場規模別の変化が存在することがわかります。
コンサート運営業のM&Aの背景と動向
音楽業界におけるコンサート運営業のM&Aの背景と動向を以下にまとめます。
### 背景
1. 市場競争の激化市場競争が激化し、生き残りをかけた戦いが繰り広げられています。インターネットの普及により、新しい才能が簡単に発掘されるようになり、市場競争が高まりました。
2. グローバル化グローバル化が進んでおり、海外展開が必要になってきています。海外進出には多大なリスクが伴いますが、M&Aにより既に海外進出している企業を買収することで、リスクを回避することができます。
3. コンテンツの多様化コンテンツの多様化が求められています。音楽業界は、昔から音楽や映画、テレビ番組などのコンテンツを提供してきましたが、デジタル技術の発展やSNSの普及により、新しいコンテンツの提供が求められます。
### 動向
1. M&Aの実施例
– ソニーがソンリブレをM&Aした事例ソニーがブラジルの独立系音楽レーベルSom Livreを買収し、ブラジル音楽のグローバル展開を目指しました。
– ソニーがAWALをM&Aした事例ソニーがインディーズアーティスト向けサービス事業AWALを買収し、AWAL所属のアーティストにソニーのグローバルな配給網を活用させることができました。
– アミューズがライブ・ビューイング・ジャパンをM&Aした事例アミューズがライブビューイング事業を手掛けるライブ・ビューイング・ジャパンを買収し、ライブビューイング事業の拡大を目指しました。
### メリット
1. 経営基盤の強化M&Aにより経営基盤を強化し、競争力の向上を図ることができます。
2. サービスの多角化M&Aにより異業種との事業を組み合わせることで、サービスの多角化を進めることができます。
3. グローバル化への対応M&Aにより既にグローバル展開を進めている企業を買収することで、グローバル化への対応を強化することができます。
コンサート運営業のM&A事例
音楽業界におけるコンサート運営業のM&A事例を以下にまとめます。
– アミューズがライブ・ビューイング・ジャパンをM&Aした事例:
– 2019年11月に、アミューズがライブ・ビューイング・ジャパンの株式を取得し、子会社化しました。
– ライブビューイング事業の拡大により、アーティストのさまざまなコンテンツ作りの重要な機能の一部になりました。
– SUPER STATE HOLDINGSがエスエルピーをM&Aした事例:
– 2024年8月1日、SUPER STATE HOLDINGSがエスエルピーの98.9%を取得し、エスエルピーがSUPER STATE HOLDINGSグループに参画しました。
– ライブ・イベント企画制作の強化を目指し、総合エンタメプロデュースカンパニーとしての成長を狙っています。
– ヒビノがエィティスリーをM&Aした事例:
– 2013年6月3日、ヒビノがエィティスリーを買収しました。
– ライブハウス運営のノウハウ獲得により、音楽事業への関与を深めました。
これらの事例は、コンサート運営業のM&Aが音楽業界の拡大や強化に役立つことを示しています。
コンサート運営業の事業が高値で売却できる可能性
コンサート運営業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– 営業利益の2倍~4倍が相場:イベント会社の売却相場は通常、営業利益の2倍~4倍ほどです。具体的には、年間営業利益が500万円の場合、1000万円~2000万円が売却額の相場です。
– 特性による価格変動:イベント会社の特性によって売却価格が変動します。例えば、イベントの企画から実施までを一気通貫で行い、業界平均と比較して高い利益率を維持している場合、相場よりも高い価格で売却が可能です。
– M&A仲介会社の手数料:M&A仲介会社を使用すると、最低300~500万円の仲介手数料がかかります。これにより、小型のイベント会社の売却は盛んに行われません。
– 直接買取の利点:M&A仲介会社ではなく、直接買取を行うと手数料がかからないため、スピードが速くなります。例えば、会社即売.comは直接買取を行うため、最短2週間でイベント会社を売却することが可能です。
– 具体的な例:以下の例では、特定のイベント会社の売却価格が示されています。例えば、年商1800万円、年間営業利益300万円のイベント会社は600万円で売却されました。
具体的な例
– 売却価格…600万円:年商1800万円、年間営業利益300万円のイベント会社が600万円で売却されました。
– 売却価格…380万円:年商1100万円、年間営業利益140万円のイベント会社が380万円で売却されました。
これらのポイントを考慮すると、コンサート運営業の事業が高値で売却できる可能性はありますが、具体的な価格は営業利益や特性によって変動します。
コンサート運営業の企業が会社を譲渡するメリット
会社譲渡を行うメリットについてまとめると、以下の通りです:
– 後継者問題が解決できる:経営者を希望する人材が不足している場合や、経営者の高齢化により後継者問題が発生することがあります。会社譲渡を行うことで、後継者問題を解決できます。
– 譲渡益が得られる:株主である経営者は、株式を売却することで譲渡益を受け取ることができます。
– 従業員の雇用を守ることができる:会社が廃業してしまわないように、従業員の雇用をそのまま譲受会社に移行させることができます。
– 大企業の傘下で発展できる:譲受会社が大企業である場合、大企業の資金や経営資源を活用して、事業を発展させることが期待できます。
– 個人保証や担保から解放される:株式や資産だけでなく、債権や債務も引き継がれるため、個人保証や担保から解放されることができます。
これらのメリットにより、コンサート運営業の企業が会社を譲渡することで、経営の立て直しや新しい事業の発展、従業員の雇用の確保などが期待できます。
コンサート運営業の事業と相性がよい事業
コンサート運営業の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
– イベント制作会社: コンサートの企画や運営を手がける会社で、多くのスタッフがコンサートを支える裏方業務に従事します。具体的には、イベントプランナー、デザイナー、グッズプランナー、プロモーションなどの役割があります。
– プロモーション会社: コンサートのチケットプロモーションや広報を手がける会社で、チケットのプロモーションやチケットの管理、集計などの業務を行います。
– ステージエンジニア: コンサートの音響や照明を手がける専門職で、音響エンジニアや照明エンジニアとして活躍します。
– 広告代理店: コンサートの広告宣伝を手がける会社で、広告の企画や広告の運用などの業務を行います。
– レコード会社: コンサートのアーティストのマネジメントやレコードの制作を手がける会社で、アーティストのマネジメントやレコードの制作などの業務を行います。
– コンサートホール・ライブハウス: コンサートの会場運営を手がける施設で、会場設営や観客の誘導・警備などの業務を行います。
これらの事業はコンサート運営に直接関わる業務を多く持っており、コンサートスタッフやプロモーターが活躍する場となっています。
コンサート運営業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、譲渡企業様から手数料を一切いただかないという大きな特徴があります。これにより、コストを気にせずにM&Aを進めることができます。また、豊富な成約実績を誇り、多くの企業様にご満足いただいております。さらに、コンサート運営業の業界にも深い知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なサポートを提供することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。