目次
アウトドアレジャー業の市場環境
アウトドアレジャー業の市場環境について、以下のポイントをまとめます。
– 市場規模と需要動向:
– 2023年の余暇関連市場規模は71兆2,140億円で、前年比13.4%増加しました。
– アウトドア用品市場規模は、メーカー出荷ベースで算出されており、2027年までの市場規模を将来予測しています。
– 業界の課題と動向:
– アウトドアブームの継続性:
– リサイクルショップでのアウトドア関連グッズの売却が増加しており、市場の縮小を示す根拠にはならないとされています。
– スノーピークの決算が悪化したという指摘もありますが、業界全体の動向として各社の業績が悪化しているとは言い難い状況です。
– 特定の分野の動向:
– スポーツ部門:
– 各スポーツ用品、スポーツ観戦が伸び、フィットネスクラブやゴルフ場、スキー場(索道収入)、ボウリング場も堅調です。
– 趣味・創作部門:
– 動画配信、音楽配信、電子出版などのコンテンツ配信が堅調を維持し、映画、音楽会、演劇などの鑑賞レジャーも回復基調が継続。
– 娯楽部門:
– テレビゲーム・ゲームソフト、ゲームセンター・ゲームコーナーはプラスとなるも、オンライン・ソーシャルゲームはマイナス。パチンコ・パチスロは長期低迷から脱却、公営競技はプラス成長を維持。
– 観光・行楽部門:
– ホテル、遊園地・レジャーランド、旅行業、鉄道、国内航空、会員制リゾートが増加。自動車は伸びた一方で、二輪自動車はマイナス。
– キャンプ場の利用状況:
– 日本オートキャンプ協会の「オートキャンプ白書2023」において、年間平均キャンプ泊数が過去最高に達していることが示されています。
これらのポイントをまとめると、アウトドアレジャー業の市場環境は、需要が増加し、特定の分野も伸びている一方で、業界全体の動向については一貫した結論を出すのは難しい状況です。
アウトドアレジャー業のM&Aの背景と動向
アウトドアレジャー業のM&Aの背景と動向についてまとめます。
### 背景
– コロナ禍の影響: コロナ禍を受けて、旅行・レジャー業界では事業構造改革やサービスの共同開発を目的としたM&Aが盛んに行われています。
– オンライン化・デジタル化: サービスのオンライン化・デジタル化が推進されており、消費ニーズの変化に対応するための設備投資や新サービス開発が行われています。
– 経営の立て直し: コロナ禍により悪化した経営の立て直しや後継者確保・事業承継が目的としています。
– 市場成長: アウトドア市場が拡大しており、釣具業界やキャンプ用品業界でも市場成長を背景に、M&Aや業務提携が活発化しています。
### 動向
– M&Aの活発化: レジャー・アミューズメント業界では、コロナ禍からの回復に伴いM&Aが活発化しています。市場規模の拡大や新たなニーズへの対応、経営資源の効率的な活用が目的です。
– 業界の再編: 釣具業界では、事業承継問題を抱える中堅企業がM&Aを契機に商材の幅を拡大し、「総合メーカー」化を目指す動きが見られます。
– 新規参入: アウトドア大手がブランド力を梃子に、M&Aや業務提携によって新規参入する動きが活発化しています。
### 成功のポイント
– シナジー効果: M&Aの相手を選定する際には、自社とのシナジー効果が期待できる相手であるかを見極めることが重要です。同業界や異業種とのM&Aにより、複合型レジャー施設の建設や交通とレジャー・アミューズメントの連携強化が可能です。
– 経営資源の共有: M&Aを実施すれば、既存の店舗や機材、許認可およびスタッフを引き継ぐことができ、多くの店舗を早期に展開し、かつスピーディな黒字化が期待できます。
### 事例
– アイ・レジャー・エンターテインメントとMOFF: 水族館・飲食・物販事業をMOFFに事業譲渡し、動物たちとのふれあいを大切にする水族館営業を志す。
– GENDAとセガエンタテインメント: GENDAがセガエンタテインメントの株式の85.1%を取得し、ユーザーへのさらなる楽しさの提供と業界の活性化を目指します。
– 日本駐車場開発と那須興業: 日本駐車場開発が那須興業の全株式を取得し、グループのテーマパーク事業における収益の安定化とサービスの拡充を目指します。
### メリット
– 経営資源の共有: 施設運営のノウハウを有する企業を取り込むことで、オペレーションを合理化し、効率的な施設運営が可能となります。
– 市場シェアの拡大: 既存の店舗や機材、許認可およびスタッフを引き継ぐことで、多くの店舗を早期に展開し、スピーディな黒字化が期待できます。
これらのポイントを踏まえると、アウトドアレジャー業のM&Aは、市場成長や経営資源の共有を目的としており、業界の再編や新規参入が活発化しています。
アウトドアレジャー業のM&A事例
### アウトドアレジャー業のM&A事例
近年、アウトドアレジャー業界では多くのM&Aが発生しています。以下に代表的な事例を挙げます。
#### 日本駐車場開発による那須興業の買収
2020年2月、日本駐車場開発株式会社は連結子会社の日本テーマパーク開発株式会社を通じて、那須興業株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。那須興業は那須高原りんどう湖ファミリー牧場の運営を行っており、この買収は日本駐車場開発が那須エリアでの観光事業を拡張するための戦略的な動きとされています。
#### ワイドレジャーによるアドアーズの吸収合併
2022年2月、アミューズメント事業を手がける株式会社ワイドレジャーは、ゲームセンター運営のアドアーズ株式会社をM&Aにより吸収合併しました。この合併により、ワイドレジャーは事業を継続し、アドアーズは組織としては解消されました。
#### GENDAによるセガエンタテインメントの買収
2020年11月、GENDAはセガエンタテインメントの株式の85.1%を取得しました。GENDAはアーケードゲームのレンタルやオンラインクレーンゲームなどを手掛ける会社で、この買収によりGENDAはセガと協業することでユーザーへのさらなる楽しさの提供と業界の活性化を目指しています。
#### 日本駐車場開発による藤和那須リゾートの買収
2016年、日本テーマパーク開発株式会社は藤和那須リゾート株式会社の全株式を取得し、子会社化しました。この買収は、スキー場運営からテーマパーク事業への乗り入れを目的として行われ、夏季の集客を強化するために行われたものです。
アウトドアレジャー業の事業が高値で売却できる可能性
アウトドアレジャー業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– 市場規模の好調: アウトドアレジャー系分野は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも、需要が低減している一方で、特定のシーンを選ばないプロダクト(例えばスポーツシューズ)が好調です。市場全体としては横ばいに近い微増推移が予想されます。
– シナジー効果の重要性: アウトドアレジャー業の事業を売却する際には、売却先とどのようなシナジー効果を生み出せるかを考慮することが重要です。企業風土やレジャー施設としての価値観が全く異なる会社へ売却してしまうと、経営統合がうまく行かずに、サービスの質の低下を招き、業績が悪化する可能性があります。
– 売却価格の相場: M&Aにおいては、以下の3つの手法をもとに売却価格を設定することが一般的です。具体的な価格算定方法については、詳細な価値算定の手法が必要です。
– 企業価値評価の方法: M&Aにおいて「会社の価値(株価)を正しく算出する」ことは非常に重要です。特に未上場企業の場合は株価が公開されているわけではないため、詳細な価値算定が必要です。
– M&Aの成功要因: M&Aを成功させるためには、売却先の選定が非常に重要です。売却先が適切であれば、経営統合がうまく行い、サービスの質が向上し、業績が改善される可能性があります。
これらのポイントを考慮することで、アウトドアレジャー業の事業が高値で売却される可能性が高まります。
アウトドアレジャー業の企業が会社を譲渡するメリット
アウトドアレジャー業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです。
– 従業員の雇用を守ることができる従業員の雇用を守ることができる。経営者高齢化による後継者不足で廃業を選んだ場合、費用がかかるだけでなく、従業員の失業も避けられません。株式譲渡で他の企業に経営権を移転させれば、株主は変わりますが従業員の生活を守ることができます。
– 手続きが比較的簡単である手続きが比較的簡単である。株式譲渡は事業譲渡のように煩雑な手続きを経る必要がありません。基本的には株式譲渡契約を取り交わし、株式の譲渡と対価の支払いが行われることで手続きが完了します。
– 買い手側が効率的に事業拡大できる買い手側が効率的に事業拡大できる。株式譲渡は会社経営権も移行するので、売り手企業保有の人材や技術・ノウハウをそのまま獲得できます。これまでの事業を止めることなく新たな設備やエリアを増強できるので、効率的に事業拡大できるでしょう。
– 売り手側が対価を得られる売り手側が対価を得られる。経営者が高齢化により引退を考えている場合、株式譲渡における売却益を引退後の生活資金に充てることができます。状況にもよりますが、豊かな老後生活を送れる「ハッピーリタイア」を目指せるかもしれません。
– 税金を抑えることができる税金を抑えることができる。株式譲渡では、20.315%の税率で所得税が課されますが、事業譲渡の場合約34%の法人税が発生します。利益の額に応じて税率が変動するわけではないので、多くの場合株式譲渡の方がコストを抑えられるでしょう。
アウトドアレジャー業の事業と相性がよい事業
アウトドアレジャー業の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
– アウトドアアパレル: アウトドアウエア、シューズ、ザック・バッグ類などが含まれます。自然の中で必要な機能性と都市生活でのデザイン性を併せ持ったアパレルの提供が注目されています。
– アウトドア用具: 登山・クライミング用品、テント・タープ類、シュラフ、照明器具、調理器具・食器類、コンロ・燃料類、テーブル・チェア類、クーラー・ジャグ類、フィールドギア、その他用品などが含まれます。
– アウトドア施設: キャンプ場、BBQ場、バンガロー・コテージ、グランピング(気軽さと豪華さが楽しめるキャンプ)などの宿泊施設が含まれます。
– アウトドア用品レンタル: キャンプ用品、BBQ用品、釣り具、ゴルフ道具、その他アウトドアスポーツ用品のレンタルが含まれます。
– スポーツ自転車: スポーツ自転車はアウトドアとフィットネスの両方の要素を兼ね備えており、感染症対策に気を配りながら行う屋外での運動が増えています。
– 釣具市場: 釣具市場は屋外で楽しめるレジャーとして堅調な伸びを見せており、若者の間でも高まる人気があります。
これらの事業は、アウトドアブームに乗って業績を伸ばしている企業が増えているため、市場全体が活性化しています。
アウトドアレジャー業の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、アウトドアレジャー業の企業がM&Aを依頼する際におすすめの理由として、まず譲渡企業様から手数料を一切いただかないという点が挙げられます。これにより、コストを気にせずに安心してご相談いただけます。また、豊富な成約実績を持っており、多くの企業様にご満足いただいております。さらに、アウトドアレジャー業の業界にも知見を保有しているため、業界特有のニーズや課題に対しても的確なアドバイスを提供することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。