目次
  1. 1. 老人ホーム業界を取り巻く背景
  2. 2. 老人ホーム業界におけるM&Aの主な目的
  3. 3. 老人ホーム業界M&Aの全体的な特徴
  4. 4. 老人ホーム業界M&Aにおけるメリット・デメリット
  5. 5. 具体的な老人ホーム業界M&A事例
    1. 5-1. 綜合警備保障(ALSOK)によるウイズネットの子会社化
    2. 5-2. 日本調剤による老人ホーム情報サイト「探しっくす」取得
    3. 5-3. 大和証券グループ本社によるオリックス・リビングの完全子会社化
    4. 5-4. 揚工舎(6576)によるトータルケア陽だまりの子会社化
    5. 5-5. 揚工舎によるケア・フレンドの子会社化
    6. 5-6. 大和ハウス工業による東電ライフサポートの子会社化
    7. 5-7. 揚工舎によるケアクリエイトの子会社化
    8. 5-8. 長谷工コーポレーションによる生活科学ホールディングスの買収
    9. 5-9. 全研本社によるヒノキヤレスコの有料老人ホーム事業取得
    10. 5-10. 東京建物による東京建物シニアライフサポートのSOMPOケアへの譲渡
    11. 5-11. 東京建物による東京建物スタッフィングの桜十字への譲渡
    12. 5-12. 日本ホスピスホールディングスによるノーザリーライフケアの子会社化
    13. 5-13. 日本ホスピスホールディングスによるトリニティ・ケアの有料老人ホーム事業取得
    14. 5-14. 日本ホスピスホールディングスによるアライブメディケア「アライブ杉並松庵」事業の承継
    15. 5-15. 三谷産業による長野サラヤ商会の子会社化
    16. 5-16. 京進によるシンセリティグループの子会社化
    17. 5-17. 鎌倉新書によるエイジプラスの有料老人ホーム紹介・高齢者見守り事業取得
    18. 5-18. 損保ジャパン日本興亜HDによるメッセージのTOB
    19. 5-19. 工藤建設によるサンライフからの施設取得
    20. 5-20. 光ハイツ・ヴェラスの経営権譲渡
    21. 5-21. 御園座による老人ホーム事業ののぞみへの売却
    22. 5-22. ロングライフホールディングによる日本ビコーの子会社化
    23. 5-23. リゾートトラストによるボンセジュールグランの子会社化
    24. 5-24. リゾートトラストによるユニマット リタイアメント・コミュニティからの有料老人ホーム取得
    25. 5-25. リゾートトラストによるメッセージからの「遊雅 東嶺町」取得
    26. 5-26. ワタミの介護を損保ジャパン日本興亜HDへ譲渡
    27. 5-27. メディカル・ケア・サービスによるジー・ゲートからの介護付有料老人ホーム3棟取得
    28. 5-28. メディカル・ケア・サービスによるグループホーム「虹の郷」取得
    29. 5-29. ラディアホールディングスによるゼクスからの住宅型有料老人ホーム2施設取得
    30. 5-30. メディカル・ケア・サービスによるボンセジュールの認知症グループホーム取得
    31. 5-31. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフ買収
    32. 5-32. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるホームライク湘南子会社化
    33. 5-33. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるなでしこの子会社化
    34. 5-34. メディカル一光グループによるライフケアの子会社化
    35. 5-35. リビングプラットフォームによるブルー・ケアの子会社化
    36. 5-36. リビングプラットフォームによるトゥルース子会社化
    37. 5-37. プロトコーポレーションによるMedical CUBICの子会社化
    38. 5-38. ハイツ・ヴェラスによる佐々木建設からの有料老人ホーム事業取得
    39. 5-39. ハイツ・ヴェラスによるとんでんの有料老人ホーム事業取得
    40. 5-40. リビングプラットフォームによるシニアケアのグループホーム事業取得
    41. 5-41. リビングプラットフォームによるエコの高齢者グループホーム運営事業取得
    42. 5-42. メッセージによる積和サポートシステムの子会社化
    43. 5-43. メッセージによるジャパンケアサービスグループのTOB
    44. 5-44. テノ.ホールディングスによるフォルテの子会社化
    45. 5-45. ヒノキヤグループによるソラストへの有料老人ホーム事業譲渡
    46. 5-46. テノ.ホールディングスによる翠明のサ高住・デイサービス事業取得
    47. 5-47. テノ. ホールディングスによる飛翔・愛翔会の子会社化
    48. 5-48. ソラストによる恵の会の子会社化
    49. 5-49. ソラストによる森伸(伊勢市)子会社化
    50. 5-50. ソラストによる三井住友海上ケアネットの子会社化
    51. 5-51. ソラストによるメディカルライフケアの子会社化
    52. 5-52. ソラストによるオールライフメイトの子会社化
    53. 5-53. ソラストによるJAWAの子会社化
    54. 5-54. ソラストによる日本エルダリーケアサービスの子会社化
    55. 5-55. ソラストによる総合ケアネットワークの子会社化
    56. 5-56. ソラストによるチャーム・ケア・コーポレーションからの有料老人ホーム2施設取得
    57. 5-57. ソラストによるJR西日本傘下ポシブル医科学の買収
    58. 5-58. シップヘルスケアホールディングスによるアントケアHDの子会社化
    59. 5-59. セントケア・ホールディングによるセントスタッフの譲渡
    60. 5-60. ジャパンケアサービスグループによるプランニングケア・ビー・スマートの子会社化
    61. 5-61. ツクイによるアサヒサンクリーン訪問介護事業取得
    62. 5-62. チャーム・ケア・コーポレーションによるライクの子会社化
    63. 5-63. シーユーシーによるノアコンツェルの子会社化
    64. 5-64. チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドパートナーズの子会社化
    65. 5-65. チャーム・ケア・コーポレーションによるケア21からの有料老人ホーム事業一部取得
    66. 5-66. チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドタイムの有料老人ホーム事業取得
    67. 5-67. チャーム・ケア・コーポレーションによるエヌアールイーサービスからの有料老人ホーム事業取得
    68. 5-68. シーズクリエイトによるシーズライフケアのアントケアHDへの譲渡
    69. 5-69. シダーによるパインの子会社化
    70. 5-70. シダーによる山梨県の介護付き有料老人ホーム「ラ・ナシカやまなし」譲渡
    71. 5-71. クリエイトSDホールディングスによるウェルライフの子会社化
    72. 5-72. ウチヤマホールディングスによる三友医療の2事業所取得
    73. 5-73. ウェルビーによるナオンの子会社化
    74. 5-74. ウエルシアホールディングスによる東電パートナーズの子会社化
    75. 5-75. コンセックによるサンライフの「元気な介護」への譲渡
    76. 5-76. アイレップによるあいけあの譲渡
    77. 5-77. アスモによるアスモ少額短期保険のNFCホールディングスへの譲渡
    78. 5-78. インターネットインフィニティーによる合の家からの住宅型有料老人ホーム事業取得
    79. 5-79. アルプス技研傘下アルプスの社によるマザーライクの介護事業取得
    80. 5-80. オーイズミによるアルプス技研傘下アルプスの杜の子会社化
    81. 5-81. LeTechによるニチイ学館への介護事業譲渡
    82. 5-82. LEOCによるライフコミューンのキノシタ・マネージメントへの譲渡
    83. 5-83. global bridge holdingsによるYUANの子会社化
    84. 5-84. サン・ライフによる「ピアホーム平塚」「オアシス富士」「オアシス沼津」の取得
    85. 5-85. HYUGA PRIMARY CAREによるMedicalMindの子会社化
  6. 6. 老人ホーム業界M&Aの今後の展望
  7. 7. まとめ

1. 老人ホーム業界を取り巻く背景

日本は少子高齢化が急速に進んでおり、高齢者の割合が増え続けています。人口構造の変化に伴い、高齢者向けの居住施設やサービスに対する需要は拡大してきました。その中で、1990年代以降に「介護保険制度」や「高齢者住宅関連の法整備」が進み、老人ホーム業界は多種多様なプレイヤーが参入する成長市場となっています。

しかしながら、近年は次のような課題も顕在化しているのが現状です。

介護人材不足
介護事業所数や施設数が増える一方で、慢性的な人材不足が深刻化している。
建設コストや運営コストの上昇
建設費の高騰や人件費の増加によって、新規施設の開設や既存施設の維持が負担となっている。
規制の変化や介護報酬改定の影響
介護保険制度の改定や特定施設の基準変更などにより、事業者の収益構造が左右されやすくなっている。
財務体質の強化が必須
多額の初期投資が必要なため、資金力の不足が経営リスクとなる。
こうした課題に対応するために、業界大手企業の参入や異業種からの参入、または経営基盤の強化を狙った買収が活発化し、M&Aを通じて規模の拡大や経営効率化を図る動きが盛んになっているのです。

2. 老人ホーム業界におけるM&Aの主な目的

老人ホーム業界でM&Aが増えているのは、単に「大手が小規模事業者を吸収している」だけでなく、様々な事業戦略や背景があるからです。一般的に見られる主な目的をまとめます。

事業規模拡大と地域ドミナント戦略
一定の地域に複数の施設を展開することで、運営ノウハウや人材の融通を図り、地域連携を深める戦略。M&Aにより既存施設を一括で取得することで、短期間でドミナント体制を構築できる。

経営資源の集中と選択
介護報酬の見直しや施設形態の多様化により、生き残りを図るには得意分野や特定地域にリソースを集中させる企業が増加。不要な事業を売却し、成長分野や地域に特化するケースが増えている。

新規参入・異業種参入の手段
警備業や不動産業、保険会社などが、高齢者市場の将来性を見越して介護事業に参入することが増えている。新規に施設を建設したりオペレーションを確立するよりも、M&Aで既存施設や運営会社を取り込むほうが効率的。

収益モデルの多角化・シナジー効果
介護サービスと医療サービス、保険サービス、あるいは不動産事業などを組み合わせることで、グループ全体のシナジー創出を狙う動き。大手企業ほど多角的な展開を志向しており、M&Aが有効手段となる。

事業承継対策
小規模な老人ホーム事業者や地域密着型の企業が、経営者の高齢化や後継者難から事業売却を検討するケースも増えている。一定の運営ノウハウや地域ブランドがある企業は、M&Aの対象として注目されやすい。

3. 老人ホーム業界M&Aの全体的な特徴

買手企業は大手・異業種・PEファンドなど多様化
かつては介護大手や不動産大手が主な買手でしたが、近年は証券会社系や保険会社、警備会社、投資ファンドなども活発にM&Aに乗り出しています。

非公表案件が多い
M&Aの取得価額は非公表とされる例が多く、特に上場企業と非上場企業との取引では非公表の割合が高いです。介護施設の価値は稼働率や立地条件などが複雑に影響するため、算定が難しいことも一因です。

地域ドミナント重視
複数の施設を取得して地域に高密度で展開し、管理業務の効率化や人材の相互補填を行う手法が有効。そのため、特定エリアでまとまった施設を運営している企業は買収対象として魅力が高いといわれています。

専門性や人材確保が鍵
老人ホーム事業には介護スタッフや看護師、施設管理者など、専門性の高い人材が不可欠です。M&A後にスムーズに運営できるかどうかは、対象企業の人材状況と買手のサポート体制にかかっています。

4. 老人ホーム業界M&Aにおけるメリット・デメリット

メリット:

事業規模拡大によるスケールメリット(資材調達、広告宣伝、人材採用など)
運営ノウハウの共有や、互いの施設運営手法の相互補完
新たな地域での一挙参入やドミナント強化
財務体質・経営基盤の強化(大手グループの傘下に入ることで、倒産リスクが軽減)
デメリット・リスク:

買収コストの負担による財務悪化
企業文化や運営方針の違いによる従業員のモチベーション低下
施設運営体制の統合に時間とコストがかかる
予想した稼働率向上や経営改善が達成できなかった場合の損失

5. 具体的な老人ホーム業界M&A事例

ここからは、実際に公表されたさまざまなM&A事例を一覧形式でご紹介いたします。それぞれの案件には取得価額や取得比率などが非公表の場合が多いですが、買手企業・売手企業の背景や狙いを読み解くことで、業界がどのように再編されているかを把握できます。

5-1. 綜合警備保障(ALSOK)によるウイズネットの子会社化

公表日:2016年4月5日
概要:綜合警備保障(ALSOK)が、介護付有料老人ホームなどを運営するウイズネットの株式69.54%を取得
ポイント:警備会社が高齢者向けサービス拡充を目的として介護事業に参入し、関連事業の利用者拡大を見込む
取得価額:非公表
狙い:警備事業と介護事業の親和性(高齢者の見守りや居宅セキュリティなど)を高め、300億円弱の売上高を目指す
ALSOKは警備会社としてのブランド力を有する一方、高齢者向けサービスにも重点を置いています。ウイズネットの運営するグループホームや介護付有料老人ホームを取り込むことで、警備と介護の相乗効果を狙った動きです。

5-2. 日本調剤による老人ホーム情報サイト「探しっくす」取得

公表日:2010年10月29日
概要:日本調剤が、WEBサイト制作会社ジェイティップスの「有料老人ホーム・高齢者住宅検索 探しっくす」事業を買収
ポイント:調剤薬局大手が老人ホーム紹介サービスを取り込み、グループとしてのシナジーを期待
取得価額:非公表
狙い:全国の調剤ネットワークを介して高齢者向け施設との連携を強化、情報提供サービスを拡充
調剤薬局と介護施設の連携は、在宅医療や薬の配達サービスなどと組み合わせることで、大きな成長が見込まれる領域です。情報サイトの取得によって、施設探しのプラットフォーム構築を目指した事例です。

5-3. 大和証券グループ本社によるオリックス・リビングの完全子会社化

公表日:2019年3月25日
概要:大和証券グループが、オリックス不動産から有料老人ホーム・高齢者向け住宅運営のオリックス・リビングを買収
ポイント:証券大手が高齢顧客との接点強化と不動産アセットマネジメント事業拡大を狙う
取得価額:非公表
狙い:有価証券と不動産を組み合わせた資産運用提案や、高齢者向け金融商品の拡充
証券会社が高齢者市場に注目し、金融と不動産を組み合わせた新たなサービスを展開しようとする動きがうかがえます。

5-4. 揚工舎(6576)によるトータルケア陽だまりの子会社化

公表日:2023年5月17日
概要:揚工舎が有料老人ホームなどを運営するトータルケア陽だまりを子会社化
ポイント:首都圏中心に介護事業を拡大する狙い
取得価額:非公表
狙い:神奈川県内の複数施設を一括取得し、地域での存在感を高める
揚工舎は、介護事業の多角的展開を図っており、有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・デイサービス・訪問介護など幅広いサービスをグループで提供することを強みとしています。

5-5. 揚工舎によるケア・フレンドの子会社化

公表日:2021年3月16日
概要:揚工舎が福祉用具貸与・販売のケア・フレンドを子会社化
ポイント:多角的な介護サービスの提供体制を整備
取得価額:非公表
狙い:車いす・ベッドなど福祉用具を扱う事業を組み込み、自社の介護施設とのシナジーを期待
揚工舎はこのほかにも複数のM&Aを通じて、首都圏を中心に事業を拡大しています。後述の事例にも多く登場するため、その積極的な買収戦略が窺えます。

5-6. 大和ハウス工業による東電ライフサポートの子会社化

公表日:2012年6月1日
概要:大和ハウス工業が東京電力の子会社である東電ライフサポートを全株式取得
ポイント:有料老人ホーム「もみの樹」を運営する東電ライフサポートの買収により福祉事業を強化
取得価額:非公表
狙い:「フ・カ・ケ・ツ・ノ」(福祉・環境・健康・通信・農業)の事業領域拡大を推進
大和ハウス工業は住宅事業の大手ですが、アパートやマンション開発に加え、高齢者向け施設の建設・運営も積極化しており、M&Aで運営ノウハウを獲得する動きがみられます。

5-7. 揚工舎によるケアクリエイトの子会社化

公表日:2020年8月18日
概要:揚工舎が東京・青梅市で有料老人ホームを運営するケアクリエイトを子会社化
ポイント:首都圏における事業拡大の一環
取得価額:非公表
狙い:地域密着型施設を取り込むことで、利用者やスタッフの安定確保
揚工舎は同様に光風苑やまんまるなど、多数の施設を短期間で買収しており、首都圏・近郊エリアでの集中的な出店戦略を進めています。

5-8. 長谷工コーポレーションによる生活科学ホールディングスの買収

公表日:2013年10月18日
概要:長谷工コーポレーションが生活科学ホールディングスを買収し、子会社化
ポイント:売却対象企業は首都圏・近畿圏・東海圏で計31カ所の有料老人ホーム運営
取得価額:未定(発表当時)
狙い:長谷工グループの高齢者向け住宅事業拡大と、新規拠点開設によるシニア事業の強化
長谷工コーポレーションはマンション施工で大手ですが、高齢化を背景にした住まいと介護サービスの統合ビジネスを狙い、積極的に介護事業に進出しています。

5-9. 全研本社によるヒノキヤレスコの有料老人ホーム事業取得

公表日:2022年3月16日
概要:全研本社がヒノキヤレスコから埼玉県久喜市の「桧家リビング久喜」事業を取得
ポイント:介護分野への参入で、外国人労働者の活用を視野に入れた人材ビジネスを拡大
取得価額:非公表
狙い:日本語教育事業や海外人材紹介などを行う全研本社にとって、介護事業への進出は大きなシナジーが期待される
介護現場では慢性的な人材不足が深刻化しており、外国人介護スタッフの採用は今後も増える見込みです。その動きを先取りしたM&Aといえます。

5-10. 東京建物による東京建物シニアライフサポートのSOMPOケアへの譲渡

公表日:2020年9月30日
概要:東京建物が介護子会社の東京建物シニアライフサポートをSOMPOケアに譲渡
ポイント:「事業ポートフォリオの最適化」を実行し、低迷していた介護事業から撤退
取得価額:非公表
狙い:本業である不動産事業へ経営資源を集中し、中期経営計画を推進
不動産デベロッパーとしての強みがある東京建物ですが、介護事業は赤字が続き債務超過となっていたため、大手介護事業者への譲渡を選択したケースです。

5-11. 東京建物による東京建物スタッフィングの桜十字への譲渡

公表日:2023年8月29日
概要:東京建物が介護士派遣子会社の東京建物スタッフィングを桜十字に譲渡
ポイント:介護事業撤退に伴い派生事業の見直し
取得価額:非公表
狙い:事業ポートフォリオ最適化のさらなる推進
介護事業と密接に関係する「介護士派遣事業」も、同時に手放すケースがここで確認できます。桜十字は全国規模で高齢者住宅や病院を運営しており、介護士派遣事業を強化できるメリットがあります。

5-12. 日本ホスピスホールディングスによるノーザリーライフケアの子会社化

公表日:2022年3月22日
概要:日本ホスピスHDが札幌市のノーザリーライフケアの株式70%を取得し子会社化
ポイント:末期がんやALSなど難病患者向けホスピス住宅を展開する日本ホスピスが地域拡大を図る
取得価額:非公表
狙い:北海道エリアでのホスピス住宅展開の足がかり
ホスピス住宅を全国に展開する日本ホスピスホールディングスは、地域の介護事業者を取り込んで事業エリアを拡大している事例です。

5-13. 日本ホスピスホールディングスによるトリニティ・ケアの有料老人ホーム事業取得

公表日:2022年10月5日
概要:日本ホスピスHDがトリニティ・ケアの介護付き有料老人ホーム「Brand New杉並高井戸」事業を取得
ポイント:ホスピス機能を追加し、末期がん・難病患者も受け入れ可能なホームへ転換
取得価額:非公表
狙い:ホスピス需要の高まりに対応し、事業の差別化を図る
終末期ケアに特化したサービスを有料老人ホームへ付加することで、新しいニーズを開拓する戦略です。

5-14. 日本ホスピスホールディングスによるアライブメディケア「アライブ杉並松庵」事業の承継

公表日:2023年10月16日
概要:日本ホスピスHDがセコム傘下のアライブメディケアが運営する「アライブ杉並松庵」を承継
ポイント:ホスピス機能を追加し、入居対象を末期がん患者や難病患者にまで拡大
取得価額:非公表(建物取得は約8億6000万円)
狙い:ホスピス住宅事業を一層強化し、首都圏での施設数を増やす
セコムグループが運営していた高級有料老人ホームを、日本ホスピスHDが取得することで、自社の強みであるホスピス専門性を付加する戦略です。

5-15. 三谷産業による長野サラヤ商会の子会社化

公表日:2020年3月26日
概要:三谷産業が水処理関連事業の長野サラヤ商会を子会社化
ポイント:長野県内の官庁、病院、老人ホームなどとの取引基盤を活用
取得価額:非公表
狙い:環境ビジネスの拡大と新規市場開拓
直接的に老人ホーム運営ではありませんが、老人ホームが主要顧客となる衛生・水処理関連ビジネスも、介護業界の拡大を背景としたM&Aが行われている例といえます。

5-16. 京進によるシンセリティグループの子会社化

公表日:2017年5月12日
概要:教育事業大手の京進が、大阪を中心に有料老人ホーム・高齢者介護施設を運営するシンセリティグループを子会社化
ポイント:教育事業ノウハウとの融合を模索
取得価額:7億3000万円
狙い:新規事業として介護分野を強化し、高齢者教育や研修などを含む複合サービスを想定
少子高齢化の影響で学習塾需要が頭打ちとなる中、京進は教育の強みを活かした介護人材育成などに乗り出しており、多角化の一環でM&Aを活用した好例です。

5-17. 鎌倉新書によるエイジプラスの有料老人ホーム紹介・高齢者見守り事業取得

公表日:2021年9月9日(追記事項:2021年9月13日 取得価額1億2000万円で確定)
概要:鎌倉新書が有料老人ホームや高齢者住宅の紹介サービスを展開するエイジプラス事業を取得
ポイント:オンライン/オフライン両面での紹介プラットフォーム強化
取得価額:1億2000万円
狙い:「終活」分野に強い鎌倉新書が、介護紹介サービスに本格参入
葬儀や仏壇など終活情報を扱っていた鎌倉新書が、介護分野にも横展開し、ライフエンディング領域全般でのポータル化を進めている事例です。

5-18. 損保ジャパン日本興亜HDによるメッセージのTOB

公表日:2015年12月18日
概要:損保ジャパン日本興亜HDが有料老人ホーム運営のメッセージにTOBを実施
ポイント:介護事業の規模拡大と効率化を狙い、損保大手が本格参入
取得価額:1回目TOBで最大233億円、2回目TOBで1株3500円
狙い:保険・金融事業と介護事業の融合、シニア向け総合サービスの強化
保険会社の介護事業参入は近年加速しており、損保系・生保系企業の買収事例が他にも見受けられます。

5-19. 工藤建設によるサンライフからの施設取得

公表日:2010年10月15日
概要:工藤建設が有料老人ホーム・介護施設運営のサンライフから川崎市宮前区の施設を取得
ポイント:神奈川県や横浜市などで9カ所の施設を運営する工藤建設の事業拡大
取得価額:2億6200万円
狙い:既存エリア内での施設数増加により、介護事業の拡大
不動産開発や建設を行う企業が、自社施工物件を活用して介護施設を運営する流れの一例といえます。

5-20. 光ハイツ・ヴェラスの経営権譲渡

公表日:2009年3月10日
概要:光ハイツ・ヴェラスが第三者割当増資を行い、個人に対して新株を割り当てることで経営権が移動
ポイント:北海道の有料老人ホーム大手が業績不振で資金調達が困難な状況
取得価額:9990万円
狙い:経営再建のため、介護関連の事業者から資本注入を受けた
事業規模が大きくても、減損損失や貸倒引当金などで一気に財務悪化する可能性があるのが介護業界の難しさを示す事例です。

5-21. 御園座による老人ホーム事業ののぞみへの売却

公表日:2013年5月28日
概要:御園座が老人ホーム事業を子会社のミソノピアに継承させた上で、ミソノピア株式をのぞみに売却
ポイント:名古屋の劇場事業会社が再開発に伴う合理化策として介護事業から撤退
取得価額:1億円
狙い:主力事業である劇場運営への集中と財務再建
老人ホーム事業が本業ではない企業が、再開発や再生計画の一環で事業売却を行うケースです。

5-22. ロングライフホールディングによる日本ビコーの子会社化

公表日:2011年2月1日
概要:在宅介護事業の日本ビコーを2億円で買収
ポイント:首都圏での事業拡大を目指すロングライフHD(関西発祥)
取得価額:2億円
狙い:福祉用具販売・レンタルや訪問入浴サービスに強い日本ビコーを取り込む
ロングライフHDはその後MBO(経営陣による買収)で上場廃止を発表しており、非公開化による長期視点での事業再構築に乗り出しています。

5-23. リゾートトラストによるボンセジュールグランの子会社化

公表日:2010年4月19日
概要:高級リゾートホテル運営大手のリゾートトラストが都内で4施設を運営するボンセジュールグランを買収
ポイント:高級老人ホーム市場への本格参入
取得価額:非公表
狙い:リゾート事業とシニア事業を統合し、富裕層向けサービスを拡充
リゾートトラストは会員制リゾートホテル事業の会員基盤を活かし、高級志向の介護付有料老人ホームに力を入れています。

5-24. リゾートトラストによるユニマット リタイアメント・コミュニティからの有料老人ホーム取得

公表日:2017年2月14日
概要:リゾートトラストがユニマット傘下のアクティバ(大津市)を買収
ポイント:「アクティバ琵琶」という高級有料老人ホームを運営
取得価額:非公表
狙い:琵琶湖周辺の富裕層需要を取り込み、シニアライフ事業を拡大
リゾートトラストのシニアライフ事業は富裕層向けに特化しており、施設そのものも高級感を打ち出しています。

5-25. リゾートトラストによるメッセージからの「遊雅 東嶺町」取得

公表日:2014年1月20日
概要:リゾートトラスト子会社トラストガーデンがメッセージの介護付き有料老人ホームを7億1000万円で取得
ポイント:都心の閑静な住宅街に立地し、高級帯で稼働率アップが期待
取得価額:7億1000万円
狙い:ブランド力を活かし、介護施設の高付加価値化を実現
有料老人ホームの運営受託や買収により、リゾートトラストグループは都市型高級施設を多数抱えています。

5-26. ワタミの介護を損保ジャパン日本興亜HDへ譲渡

公表日:2015年10月2日
概要:ワタミが介護付き有料老人ホーム運営会社「ワタミの介護」を210億円で損保ジャパン日本興亜HDに売却
ポイント:外食産業から参入したものの、経営環境変化により撤退
取得価額:210億円
狙い:ワタミは外食事業に集中し、介護事業は保険大手に委ねる
損保ジャパンはメッセージのTOBやワタミの介護の買収など、大型買収を連続的に行い一気に業界大手へ躍進しました。

5-27. メディカル・ケア・サービスによるジー・ゲートからの介護付有料老人ホーム3棟取得

公表日:2009年3月16日
概要:メディカル・ケア・サービス(認知症高齢者グループホーム大手)がジー・ゲートより「ファミニュー」ブランドの介護付有料老人ホーム3施設を取得
ポイント:認知症対応型グループホームが主体のMCSが介護付有料老人ホームにも本格参入
取得価額:非公表
狙い:施設形態の多様化と規模拡大
認知症特化型からスタートした企業が、M&Aで幅広い施設形態へ展開する動きの一例です。

5-28. メディカル・ケア・サービスによるグループホーム「虹の郷」取得

公表日:2012年3月6日
概要:MCSがエム・ティー商会から長野県の「グループホーム虹の郷」を取得
ポイント:グループホーム事業のさらなる拡大
取得価額:非公表
狙い:全国規模のグループホームネットワーク化を目指す
メディカル・ケア・サービスは短期間に複数の施設を取得し、全国で規模を拡大する典型例です。

5-29. ラディアホールディングスによるゼクスからの住宅型有料老人ホーム2施設取得

公表日:2009年2月10日
概要:ラディアHDがゼクスの住宅型有料老人ホーム「バーリントンハウス」2施設を1円で取得
ポイント:耐震性問題などの理由で売買契約に関する訴訟があったが、最終的に事業承継
取得価額:1円
狙い:不動産トラブルを解決しつつ、施設の継続運営を実施
異例の低価格での取得となった事例で、事業継続のためにM&Aを行ったものとみられます。

5-30. メディカル・ケア・サービスによるボンセジュールの認知症グループホーム取得

公表日:2009年11月16日
概要:MCSがボンセジュール(東京都港区)より「ボンセジュールフェリエ南行徳」を取得
ポイント:ボンセジュールは有料老人ホームが主体だが、認知症グループホームを売却
取得価額:非公表
狙い:MCSはグループホームを専門に拡大
ボンセジュール(後にリゾートトラスト傘下の事例もあり)が事業選択を行い、認知症施設を売却することで本業を高級ホームに集中していると考えられます。

5-31. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるアメニティーライフ買収

公表日:2020年8月26日
概要:ユニマットが三井住友建設傘下のアメニティーライフを子会社化
ポイント:八王子市で定員200人規模の有料老人ホームを運営
取得価額:非公表
狙い:全国309拠点を展開するユニマットがさらなる地域強化
ユニマットグループはデイサービス中心に全国最大級の規模を持ち、有料老人ホームの買収により総合力を高めています。

5-32. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるホームライク湘南子会社化

公表日:2018年11月13日
概要:ユニマットがグループホーム運営のホームライク湘南を子会社化
ポイント:神奈川県茅ケ崎市のグループホームを運営
取得価額:非公表
狙い:既存拠点との連携強化による介護人材育成やサービス向上
ユニマットの全国拠点網に、ローカル事業者を組み込むことで事業効率を高める典型的なパターンです。

5-33. ユニマットリタイアメント・コミュニティによるなでしこの子会社化

公表日:2021年5月14日
概要:ユニマットが大阪市で介護付き有料老人ホームなど8拠点を運営するなでしこを買収
ポイント:関西エリア強化
取得価額:非公表
狙い:さらなる全国ドミナント強化
大手介護事業者による地域の有力企業買収の典型例といえます。

5-34. メディカル一光グループによるライフケアの子会社化

公表日:2020年9月30日
概要:メディカル一光グループが愛知県で有料老人ホーム14施設を運営するライフケアを買収
ポイント:地域ドミナント戦略の一環として愛知県を強化
取得価額:非公表
狙い:調剤薬局事業と介護事業の相乗効果
メディカル一光グループは東海や関西を中心に、調剤薬局と介護施設を運営しており、ヘルスケア事業の拡大を積極的に進めています。

5-35. リビングプラットフォームによるブルー・ケアの子会社化

公表日:2021年8月31日
概要:リビングプラットフォームが札幌市のブルー・ケアを買収
ポイント:北海道内にサービス付き高齢者向け住宅や介護付き有料老人ホームを追加
取得価額:非公表
狙い:道内ドミナント(地域集中出店)戦略強化
リビングプラットフォームは介護施設や保育園などを全国展開しており、M&Aを通じて各地域への参入を加速させています。

5-36. リビングプラットフォームによるトゥルース子会社化

公表日:2022年12月8日
概要:神戸市の高齢者グループホーム運営「トゥルース」を買収
ポイント:関西への初進出を図る
取得価額:非公表
狙い:地域ごとに認知症対応施設と有料老人ホームの両軸を展開
地域に密着した小規模ホーム買収の例で、リビングプラットフォームの戦略的出店を示します。

5-37. プロトコーポレーションによるMedical CUBICの子会社化

公表日:2009年9月28日
概要:プロトコーポレーション(オアシスナビ運営)が医療・介護人材紹介のMedical CUBICを買収
ポイント:老人ホーム情報サイトと人材サービスを一体化
取得価額:総額約1億8200万円
狙い:介護・医療・福祉分野における人材不足解消ビジネスを強化
老人ホーム紹介サイトや介護関連出版を手掛けるプロトが、人材派遣・紹介を組み合わせることでビジネス範囲を拡大しています。

5-38. ハイツ・ヴェラスによる佐々木建設からの有料老人ホーム事業取得

公表日:2010年11月29日
概要:札幌市で有料老人ホームを運営するハイツ・ヴェラスが、土木建設会社の佐々木建設より施設事業を取得
ポイント:札幌市での介護施設需要増加に対応
取得価額:未定
狙い:専門外の建設会社が介護事業から撤退する流れ
建設会社や不動産会社が地域の高齢者施設を開設したが、継続的運営が難しく専門事業者に売却するケースです。

5-39. ハイツ・ヴェラスによるとんでんの有料老人ホーム事業取得

公表日:2011年6月23日
概要:ハイツ・ヴェラスが「とんでん」運営の住宅型有料老人ホームを取得
ポイント:札幌市内の施設「サンフォートノア」(126室)を「ヴェラス・クオーレ札幌北」にリブランド
取得価額:非公表
狙い:道内ドミナント強化
外食チェーンが運営していた施設を専門事業者が買収し、より効率的に運営するモデルです。

5-40. リビングプラットフォームによるシニアケアのグループホーム事業取得

公表日:2023年12月15日
概要:リビングプラットフォームがシニアケア(兵庫県尼崎市)のグループホーム2施設を取得
ポイント:阪神南地域で初出店
取得価額:非公表
狙い:地域トータルケアの推進
同社の「地域ドミナント戦略」による拠点拡大の一貫。兵庫県内の事業ネットワークを強化する狙いがあります。

5-41. リビングプラットフォームによるエコの高齢者グループホーム運営事業取得

公表日:2023年1月30日
概要:福島県郡山市のエコが運営するグループホーム7施設を買収
ポイント:東北エリアでは宮城県に次ぐ2県目に進出
取得価額:非公表
狙い:東北エリアでの店舗網整備
このように同社は保育事業も手掛ける多角企業として知られますが、介護領域の拡大にも注力しています。

5-42. メッセージによる積和サポートシステムの子会社化

公表日:2008年7月10日
概要:メッセージが積水ハウスとの合弁会社「積和サポートシステム」を追加取得により子会社化
ポイント:都市圏中心に16の介護付き有料老人ホームを開設
取得価額:200万円(追加取得分)
狙い:大手住宅メーカーとの連携強化、施設展開の効率化
後にメッセージ自体が損保ジャパンに買収されるなど、大手資本が入り混じる事例です。

5-43. メッセージによるジャパンケアサービスグループのTOB

公表日:2012年1月19日
概要:メッセージが訪問介護大手のジャパンケアサービスグループにTOBを実施
ポイント:介護施設運営と在宅介護の統合的サービス提供を目指す
取得価額:1株345円、買付総額28億4900万円
狙い:包括的な介護サービスの提供基盤構築
大手同士の統合により、訪問介護と施設介護をワンストップで展開する狙いです。

5-44. テノ.ホールディングスによるフォルテの子会社化

公表日:2022年1月20日
概要:保育事業を展開するテノ.ホールディングスが大阪府で有料老人ホーム等を運営するフォルテを買収
ポイント:介護事業に参入し、サービス付き高齢者住宅3施設を取得
取得価額:6億500万円
狙い:保育と介護の両立で企業成長を図る
保育業界も少子化の波に直面しており、成長領域である高齢者介護事業に進出するケースが増加しています。

5-45. ヒノキヤグループによるソラストへの有料老人ホーム事業譲渡

公表日:2020年8月31日
概要:ヒノキヤグループが介護子会社のライフサポートの一部事業(悠楽里シリーズ4施設)をソラストに譲渡
ポイント:特定施設の新規開設が難しい環境を踏まえ、保育事業に注力
取得価額:非公表
狙い:介護事業を縮小し、保育事業に経営資源を集中
ライフサポートは保育園も運営していましたが、介護からの一部撤退で「選択と集中」を明確化。

5-46. テノ.ホールディングスによる翠明のサ高住・デイサービス事業取得

公表日:2024年4月26日
概要:テノ.ホールディングスが岡山県の翠明が運営するサービス付き高齢者住宅とデイサービスを買収
ポイント:フォルテを中核とする介護子会社を活用して事業拡大
取得価額:2億800万円
狙い:保育と介護の複合事業をさらに進め、地域での拠点増加
テノ.ホールディングスのように保育企業が介護に相乗りする事例は増加傾向にあります。

5-47. テノ. ホールディングスによる飛翔・愛翔会の子会社化

公表日:2024年12月20日
概要:名古屋市で有料老人ホームや訪問介護ステーションを運営する飛翔・愛翔会を買収
ポイント:2019年参入の介護事業を拡大
取得価額:3億2700万円
狙い:名古屋エリアでのシェア拡大
愛知県や東海エリアへの介護事業ネットワーク拡大を狙う動きです。

5-48. ソラストによる恵の会の子会社化

公表日:2020年2月26日
概要:ソラストが大分県の介護事業大手「恵の会」を子会社化
ポイント:空白エリアだった大分県へ進出
取得価額:33億7300万円
狙い:地域トータルケア戦略の拡充
ソラストは全国に300エリアを確保する目標を掲げ、各地で積極M&Aを進めています。

5-49. ソラストによる森伸(伊勢市)子会社化

公表日:2023年1月18日
概要:ソラストが三重県伊勢市の森伸を買収
ポイント:三重県内のサービス付き高齢者向け住宅やグループホーム等を15事業所展開
取得価額:非公表
狙い:地域包括ケアの推進
ソラストは訪問介護・通所介護・居宅介護支援・グループホーム・有料老人ホームの各事業所をそろえる「地域トータルケア」を方針としています。

5-50. ソラストによる三井住友海上ケアネットの子会社化

公表日:2023年2月28日
概要:MS&AD傘下の三井住友海上ケアネットを買収
ポイント:首都圏と名古屋の7事業所を運営
取得価額:非公表
狙い:保険系介護事業の統合を進め、地域トータルケアを強化
保険・金融系企業が手掛けていた介護事業をソラストが取り込む事例です。

5-51. ソラストによるメディカルライフケアの子会社化

公表日:2023年4月11日
概要:ソラストが神奈川を中心に通所介護やグループホームなど18事業所を運営するメディカルライフケアを買収
ポイント:会社分割後の事業を承継
取得価額:非公表
狙い:首都圏での地域トータルケアを一層拡大
子会社化にあたり、一部事業を切り離してから取得するケースは多く見られます。

5-52. ソラストによるオールライフメイトの子会社化

公表日:2018年12月14日
概要:ソラストが有料老人ホーム7カ所を運営するオールライフメイトを買収
ポイント:東京エリアの施設系サービス強化
取得価額:10億2000万円
狙い:訪問介護や通所介護との連携を強化し、入居者の多様なニーズに対応
ソラストの「2030年までに300エリアへ拡大」という積極戦略が顕著に表れています。

5-53. ソラストによるJAWAの子会社化

公表日:2018年10月1日
概要:ソラストが大阪府や愛媛県など14の介護事業所を運営するJAWAを買収
ポイント:関西・四国などエリア拡大
取得価額:非公表
狙い:通所介護やグループホーム、有料老人ホームの整備を加速
広域に展開している介護事業者のM&Aは、ソラストの全国展開戦略に合致しています。

5-54. ソラストによる日本エルダリーケアサービスの子会社化

公表日:2020年8月13日
概要:首都圏を中心に訪問介護122事業所を持つ日本エルダリーを買収
ポイント:買収額23億7500万円
狙い:訪問介護分野の強化で地域トータルケアを推進
在宅介護の大手を取り込むことで、在宅ニーズへの対応力を高める戦略といえます。

5-55. ソラストによる総合ケアネットワークの子会社化

公表日:2023年4月28日
概要:ソラストが福岡市の総合ケアネットワーク(有料老人ホームや訪問介護など9事業所)を買収
ポイント:九州エリアでの地域トータルケア拡充
取得価額:1億3000万円
狙い:地域内で包括的な介護サービスを提供
ソラストの積極的M&Aによる全国拡大が九州にも波及している様子が伺えます。

5-56. ソラストによるチャーム・ケア・コーポレーションからの有料老人ホーム2施設取得

公表日:2018年10月1日
概要:ソラストがチャーム・ケアの中間価格帯ホーム2施設を買収
ポイント:チャーム・ケアは高価格帯へシフトし、中価格帯施設を譲渡
取得価額:非公表
狙い:既存在宅サービスと組み合わせた地域ケア体制を完成
事業ポートフォリオ再編の動きが両社の戦略として合致した例です。

5-57. ソラストによるJR西日本傘下ポシブル医科学の買収

公表日:2023年5月24日
概要:ソラストがJR西日本子会社のポシブル医科学(デイサービス中心に57事業所)を買収
ポイント:買収額13億3500万円
狙い:関西エリアでのデイサービス強化
鉄道会社が保有していた介護事業を、より事業特化したソラストへ売却する例です。

5-58. シップヘルスケアホールディングスによるアントケアHDの子会社化

公表日:2011年12月9日
概要:シップHDが有料老人ホーム53施設を運営するアントケアHDの株式60.1%を取得
ポイント:関東地方中心に中・小規模施設を拡大
取得価額:37億7300万円
狙い:医療機器や病院支援事業と介護事業とのシナジーを創出
シップHDは医療・病院向けのトータルサービスで知られ、介護施設への導線拡大を狙っています。

5-59. セントケア・ホールディングによるセントスタッフの譲渡

公表日:2008年3月6日
概要:セントケアHDが人材派遣業セントスタッフをキャス・キャピタルへ譲渡
ポイント:在宅介護サービスに経営資源を集中
取得価額:3億900万円
狙い:非中核事業の切り離しによる経営効率化
セントケアは在宅系に特化した介護大手として事業再編した好例です。

5-60. ジャパンケアサービスグループによるプランニングケア・ビー・スマートの子会社化

公表日:2011年9月15日
概要:ジャパンケアサービスGが有料老人ホームや訪問介護を展開するプランニングケア(売上9.67億円)など2社を買収
取得価額:4億4600万円
狙い:西日本エリアへの事業拡大と地域包括ケア体制構築
訪問介護と施設サービスの一体運営を目指す企業が、地域企業を取り込み拡大する例です。

5-61. ツクイによるアサヒサンクリーン訪問介護事業取得

公表日:2019年12月23日
概要:ツクイがアサヒサンクリーンから訪問介護事業所10カ所を取得
ポイント:訪問入浴で老舗のアサヒサンクリーンが一部事業を売却
取得価額:非公表
狙い:ツクイが訪問介護網を強化し、在宅と有料老人ホームとのシナジーを得る
デイサービス最大手のツクイが訪問介護事業を拡充することで、包括的な介護サービスを展開する動きです。

5-62. チャーム・ケア・コーポレーションによるライクの子会社化

公表日:2021年9月28日
概要:チャーム・ケアが大阪府内で有料老人ホーム4施設を運営するライク(売上15.1億円)を買収
ポイント:関西エリア強化
取得価額:約44億9900万円
狙い:合計410室を取得し、近畿圏のマーケットシェア拡大
チャーム・ケアは関西発の企業で、首都圏にも高級ホームを展開しています。

5-63. シーユーシーによるノアコンツェルの子会社化

公表日:2024年9月25日
概要:シーユーシーが札幌市で26施設を運営するノアコンツェルを買収(売上66.1億円)
ポイント:ホスピス8施設と居宅訪問看護、病院・クリニック経営サポートのシーユーシーが高齢者住宅を取得
取得価額:55億7500万円
狙い:ホスピス型住宅への転換や多様な利用者ニーズ対応
ホスピス特化の企業が一般の有料老人ホームを取り込み、末期がん・難病対応サービスを付加するモデルです。

5-64. チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドパートナーズの子会社化

公表日:2020年5月18日
概要:介護人材派遣・紹介事業などを手がけるグッドパートナーズをチャーム・ケアが買収
ポイント:首都圏の人材確保と訪問看護事業の展開
取得価額:7億1700万円
狙い:介護スタッフ不足が続く中で、自前の派遣・紹介機能を強化
人材派遣会社を取り込むケースは、介護業界特有の人材不足への対応策として注目されます。

5-65. チャーム・ケア・コーポレーションによるケア21からの有料老人ホーム事業一部取得

公表日:2024年7月22日
概要:チャーム・ケアがケア21の有料老人ホーム事業のうち複数施設を買収
ポイント:稼働率の低い新設施設を再生する狙い
取得価額:非公表
狙い:買収後の改善策で早期の入居率アップを図る
新規開設施設の立ち上がりで赤字となっている物件を、M&Aでリブランド・運営改善する動きです。

5-66. チャーム・ケア・コーポレーションによるグッドタイムの有料老人ホーム事業取得

公表日:2024年3月28日
概要:チャーム・ケアが大阪府羽曳野市で50室の介護付有料老人ホームを取得
ポイント:入居率6割で停滞している施設を早期改善する計画
取得価額:非公表
狙い:リブランドや人材強化による運営効率化
チャーム・ケアは運営ノウハウに自信を持ち、M&Aを通じた再生事業にも取り組んでいます。

5-67. チャーム・ケア・コーポレーションによるエヌアールイーサービスからの有料老人ホーム事業取得

公表日:2024年8月8日
概要:チャーム・ケアが東京都大田区・川崎市で合計130室の介護付有料老人ホームを取得
ポイント:非公表の会社分割方式で新会社「CMケア」を設立し、その株式を取得
狙い:関東エリアの施設網拡充と既存ホームとの相乗効果
都市圏の新設施設や稼働率が伸び悩む施設を買収して再生するモデルは、今後も拡大が見込まれます。

5-68. シーズクリエイトによるシーズライフケアのアントケアHDへの譲渡

公表日:2008年7月30日
概要:シーズクリエイトが有料老人ホーム運営のシーズライフケアをアントケアHDへ譲渡
ポイント:不動産事業が本業のシーズクリエイトが財務体質改善を優先
取得価額:5億8000万円
狙い:アントケアHDは事業拡大を狙い、有料老人ホーム運営ノウハウを強化
本業以外の分野に参入したものの撤退し、専門事業者に事業を売却する典型事例です。

5-69. シダーによるパインの子会社化

公表日:2011年8月26日
概要:シダーが有料老人ホーム2施設を運営するパインを子会社化
ポイント:福岡県内の施設サービス拡充
取得価額:1億2500万円
狙い:デイサービス中心のシダーが施設事業を強化
シダーは介護保険サービスを幅広く展開しつつ、M&Aで施設を取得しています。

5-70. シダーによる山梨県の介護付き有料老人ホーム「ラ・ナシカやまなし」譲渡

公表日:2023年6月1日
概要:稼働率低迷による赤字を理由に他社へ売却
ポイント:1億100万円の売上高に対して2100万円の営業赤字
取得価額:非公表
狙い:不採算施設の切り離しで経営効率化
M&Aは買うだけでなく、不採算事業所を売却して収益改善を図る動きも頻繁に見られます。

5-71. クリエイトSDホールディングスによるウェルライフの子会社化

公表日:2009年3月23日
概要:ドラッグストア大手クリエイトSDが有料老人ホーム運営のウェルライフを7億5000万円で買収
ポイント:ドラッグストア事業との相乗効果を図る
取得価額:7億5000万円
狙い:高齢者向け医薬品・生活支援サービスとの連携
ドラッグストア業界も高齢者市場への進出を検討しており、M&Aで施設運営を取り込む事例です。

5-72. ウチヤマホールディングスによる三友医療の2事業所取得

公表日:2024年12月19日
概要:さわやか倶楽部(ウチヤマHD子会社)が山形県内の介護付き有料老人ホームとグループホーム計2カ所を取得
ポイント:東北エリアへの拠点拡大
取得価額:非公表
狙い:山形県での知名度向上と地域ネットワーク構築
さわやか倶楽部は九州を中心に全国展開しており、地方の中規模施設を買収し拡大する戦略を取っています。

5-73. ウェルビーによるナオンの子会社化

公表日:2022年12月1日
概要:障がい者就労支援などを行うウェルビーがナオン(福岡市)を子会社化
ポイント:有料老人ホームを中心とした介護事業へ参入
取得価額:1億円
狙い:障がい者支援と高齢者介護の相乗効果を目指す
障がい福祉と高齢者介護は連動性も高く、人材・ノウハウの共通点が多い分野です。

5-74. ウエルシアホールディングスによる東電パートナーズの子会社化

公表日:2024年7月5日
概要:大手ドラッグストアのウエルシアが東京電力HD傘下の東電パートナーズを買収
ポイント:1都3県で訪問介護やグループホームを展開
取得価額:非公表
狙い:ドラッグストアの高齢者向けサービスを強化
ドラッグストアチェーンが介護事業を取り込む例としては、クリエイトSDやココカラファインなども積極的に動いています。

5-75. コンセックによるサンライフの「元気な介護」への譲渡

公表日:2024年9月10日
概要:建設資材レンタル等を手がけるコンセックが介護子会社サンライフを「元気な介護」に譲渡
ポイント:コロナ禍による施設利用者減少で赤字拡大
取得価額:非公表
狙い:介護事業からの撤退で経営資源を本業へ集中
「元気な介護」は全国展開しており、他社の不採算事業を買収して再生するビジネスモデルを持っています。

5-76. アイレップによるあいけあの譲渡

公表日:2009年11月16日
概要:アイレップが介護人材紹介や有料老人ホーム紹介を手がけるあいけあを、インターネットインフィニティーに譲渡
ポイント:シニアマーケティング事業の方針転換
取得価額:1500万円
狙い:介護人材サービスとの相乗効果が薄れたため
介護分野でのウェブマーケティングは拡大傾向にありますが、事業戦略に合わない場合は切り離す動きもあります。

5-77. アスモによるアスモ少額短期保険のNFCホールディングスへの譲渡

公表日:2022年1月17日
概要:フードサービス・介護サービス事業を展開するアスモが、保険子会社を売却
ポイント:経営資源をフードサービスおよび有料老人ホーム運営に集中
取得価額:非公表
狙い:選択と集中の一環で、非コア事業を手放す
事業多角化に失敗した企業が、本来強みを持つ事業に特化するためのM&Aです。

5-78. インターネットインフィニティーによる合の家からの住宅型有料老人ホーム事業取得

公表日:2022年10月14日
概要:インターネットインフィニティーが千葉・神奈川の2施設を買収
ポイント:子会社カンケイ舎と連携し、在宅・施設の一体運営を強化
取得価額:2億8200万円
狙い:自社の中重度対応型在宅サービスと相互送客
介護×ITで成長を目指すインターネットインフィニティーが、施設運営に参入する事例です。

5-79. アルプス技研傘下アルプスの社によるマザーライクの介護事業取得

公表日:2012年7月20日
概要:神奈川県相模原市の介護付有料老人ホーム(96室)などを会社分割により承継
ポイント:アルプス技研グループが介護事業にも進出
取得価額:非公表
狙い:相模原エリアに集中し運営の効率化を図る
後にアルプスの杜がオーイズミへ売却されるなど、事業譲渡が繰り返される例です。

5-80. オーイズミによるアルプス技研傘下アルプスの杜の子会社化

公表日:2014年12月11日
概要:オーイズミがアルプスの杜(有料老人ホームなど)を1億円で買収
ポイント:認知症専門病院との相互シナジーを狙う
狙い:医療連携で高付加価値介護サービスを目指す
しかし期待通りに伸びず、2年後にはリビングプラットフォームへ売却される運命となりました。

5-81. LeTechによるニチイ学館への介護事業譲渡

公表日:2021年6月14日
概要:LeTechが京都・大阪など7施設の住宅型有料老人ホームやグループホーム事業を会社分割し、ニチイ学館に売却
ポイント:不動産開発に集中し、介護運営から撤退
取得価額:非公表
狙い:ニチイ学館は大手として運営ノウハウを強化
ニチイ学館は業界最大手の一社であり、不動産事業者が開設した施設を積極的に買い取る例があります。

5-82. LEOCによるライフコミューンのキノシタ・マネージメントへの譲渡

公表日:2008年8月1日
概要:給食事業大手LEOCが有料老人ホームを運営するライフコミューンの株式50.1%をキノシタに売却
ポイント:給食事業へ経営資源を集中させ、介護事業から撤退
取得価額:25億円
狙い:財務体質改善と本業の強化
給食会社が介護給食を通じて老人ホームに関わるケースは多いが、運営事業はリスクが大きいとして撤退する動きです。

5-83. global bridge holdingsによるYUANの子会社化

公表日:2018年11月30日
概要:保育を中心とするglobal bridgeが大阪市のYUANを買収
ポイント:住宅型有料老人ホーム運営事業を取り込み、保育×介護の経営多角化を推進
取得価額:非公表
狙い:高齢者向け福祉のノウハウを吸収し、地域連携モデルを確立
保育事業者の介護参入モデルの一例として注目されます。

5-84. サン・ライフによる「ピアホーム平塚」「オアシス富士」「オアシス沼津」の取得

公表日:2017年3月31日・5月1日など
概要:サン・ライフが神奈川・静岡で住宅型有料老人ホーム3施設を取得
ポイント:葬儀やホテル運営を手掛けるサン・ライフが、トータルライフサポートを目指す
取得価額:非公表
狙い:介護領域の強化によって「人生の冠婚葬祭」全てをカバー
サン・ライフは結婚式場や葬儀場を運営しながら、介護事業も柱の一つとしており、地域密着の取り組みを進めています。

5-85. HYUGA PRIMARY CAREによるMedicalMindの子会社化

公表日:2023年12月27日
概要:福岡県で有料老人ホームを2カ所運営するHYUGA PRIMARY CAREが、不動産賃貸のMedicalMind(同じ施設物件のオーナー)を買収
ポイント:運営と施設所有の一体化により安定運営を図る
取得価額:5億円
狙い:今後の施設開設に向けた財務・資産戦略の強化
施設運営企業が所有権も取り込んで、家賃コストなどを最適化する動きです。

6. 老人ホーム業界M&Aの今後の展望

ここまで、非常に多くの事例を通じて老人ホーム業界のM&A動向をご紹介してきました。今後の展望はどのようになるでしょうか。

さらなる再編の進行
介護報酬の引き下げや人材不足などの要因から、小規模事業者や事業承継問題を抱える企業は、引き続き大手や異業種企業への売却を進めると考えられます。

地域ドミナント戦略の加速
全国に拠点を拡大する企業は、一定のエリアを囲い込むことが重要。M&Aで施設を取得し、訪問介護や通所介護とのセット展開を強化する流れが続くでしょう。

人材確保策としての派遣事業買収
介護スタッフの不足が深刻化しているため、人材派遣・紹介会社の買収で内部リソースを補強するケースが増えています。

不動産ファンドや金融機関の参入
老人ホームは一括での安定賃貸収入が見込める不動産資産として注目が集まっており、金融商品化・不動産小口化などが進む可能性があります。

外国人材活用やIT活用企業の台頭
介護ロボット、オンライン研修、外国人材受け入れノウハウなど、新技術や海外人材を組み合わせた新しいタイプの事業者がM&Aを通じて拡大する可能性があります。

7. まとめ

老人ホーム業界におけるM&Aは、日本の高齢化社会を背景に今後も活発に行われると予想されます。介護業界は社会的に欠かせないインフラとしての側面を持ちながらも、経営上は人材不足や介護報酬改定、初期投資の大きさなどリスクが多い市場です。そのため、事業者が単独で拡大を図るよりも、M&Aを通じて効率的に事業基盤を構築・強化する戦略が選択されやすくなっています。

また、大手企業や異業種からの参入だけでなく、中小規模の連携や買収も増加しており、地域ドミナント戦略の推進や特化型サービス(ホスピス型、認知症特化型など)の台頭が一層進むでしょう。さらに、事業承継問題を抱える地域密着事業者にとっても、M&Aは後継者問題を解決する有力な手段になっています。

本記事で取り上げたように、老人ホーム業界のM&A事例は非常に多岐にわたります。保険会社、証券会社、不動産ディベロッパー、警備会社、ドラッグストアチェーン、保育事業者など、多様なプレイヤーが「高齢化需要」というビジネスチャンスと「介護という社会的課題」に挑戦していることがうかがえます。今後も各社の戦略や社会環境の変化にあわせて、さらなる再編が続いていくものと思われます。

老人ホーム業界においてM&Aを検討する際のポイント:

施設の稼働率・収支状況の把握
施設開設後の稼働率が安定していない場合、運営改善策や追加投資が必要となる。
人材確保の計画
買収後の人材不足リスクを緩和するための派遣会社買収や外国人材活用策の検討。
施設の立地条件・競合状況
利用者の獲得見込みや地域内の既存施設との競合状況を入念に調査する。
ブランドやノウハウの継承
地域密着型の中小企業の場合、ブランドイメージやオペレーションノウハウが重要な資産となる。
アフターM&A統合(PMI)の重要性
統合後の運営体制やスタッフのモチベーション維持に十分な配慮が必要。
介護業界は景気に左右されにくい安定需要がある反面、人材不足・収支構造・行政規制などの面で大きな課題も抱えています。しかし、高齢化は長期的トレンドであり、その中で老人ホームは欠かせない社会インフラです。M&Aはこうした課題を乗り越えるための有力な手段のひとつであり、本記事で紹介した豊富な事例は、その実態をよく表しているといえます。

以上、老人ホーム業界のM&Aに関する概観と具体的事例のご紹介でした。今後も業界再編の動向を注視しながら、介護事業者や関連企業の動きに注目していきたいところです。介護サービスを取り巻く環境が大きく変化する中、各社がM&Aをどのように活用し、生き残りを図っていくのか注目が集まります。