- 1.1. ECマーケット拡大の背景
- 1.2. コロナ禍によるオンラインシフトとDX推進
- 1.3. 海外展開・越境EC・グローバル化へのニーズ
- 1.4. 大企業・ファンドのM&A参入による業界変革
- 2.1. DtoC(Direct to Consumer)の台頭
- 2.2. コロナ禍以降の生活必需品・健康食品EC拡充
- 2.3. アパレル・ファッション分野のEC比率向上
- 2.4. 中小EC事業者におけるM&Aや事業譲渡の意図
- 2.5. M&A実行時の留意点~在庫管理・バックヤード統合・物流網最適化など~
- 3.1. 事業ポートフォリオ再編と選択と集中
- 3.2. 新規顧客基盤の獲得
- 3.3. ノウハウ・技術・人材の取り込み
- 3.4. 海外進出と越境EC強化
- 3.5. 外部環境の変化への迅速対応
- 4.1. ファッション通販事業の譲渡(クルーズ<2138>のSHOPLIST関連)
- 4.2. アパレル企画・販売会社の買収(ソトー<3571>によるジェノ子会社化)
- 4.3. 化粧品・健康食品ECの取り込み(ウェルディッシュ<2901>によるハーバーリンクスホールディングス買収)
- 4.4. ECプラットフォーム関連の大規模再編(Eストアー<4304>のTOB受け入れ)
- 4.5. トレーディングカードEC事業(アクセルマーク<3624>によるcrafty子会社化)
- 4.6. 健康・美容関連製品のECやヘルスケア買収(GFA<8783>とエムワン)
- 4.7. 酒造・食品系EC再編(オーイズミ<6428>の妙高酒造譲渡)
- 4.8. 越境EC大手のBEENOS<3328>に対するTOB(LINEヤフー<4689>)
- 4.9. 新規事業へのシフトと在庫リスク軽減(クルーズ<2138>のEC子会社譲渡)
- 4.10. 合併・グループ内再編・外国資本参入(他多数事例)
- 5.1. クルーズ<2138>のSHOPLIST事業譲渡
- 5.2. ソトー<3571>によるジェノとG-STAGE買収
- 5.3. ウェルディッシュ<2901>によるハーバーリンクスホールディングス買収
- 5.4. Eストアー<4304>のTOB受け入れと大幅再編
- 5.5. アパレル関連子会社SHIFFONの譲渡と上場志向(Eストアー<4304>)
- 5.6. アクセルマーク<3624>によるトレカEC運営のcrafty子会社化
- 5.7. GFA<8783>、薬用育毛ローション「M-1シリーズ」のエムワンを子会社化
- 5.8. オーイズミ<6428>、傘下の妙高酒造をTACTホールディングスに譲渡
- 5.9. 越境EC大手のBEENOS<3328>をLINEヤフー<4689>がTOB
- 5.10. 出光興産<5019>、豪バナジウム鉱山の開発を進めるVecco Groupを子会社化
- 6.1. PMO(Post Merger Office)の重要性
- 6.2. EC基盤・物流網・在庫管理システムの統合
- 6.3. ブランドイメージ・販売チャネルの保護と強化
- 6.4. 従業員の処遇・組織文化の融合
- 6.5. 契約スキームや買収後の上場維持・非公開化のメリット
- 7.1. デジタル時代の新たなECエコシステム
- 7.2. ネットとリアルの融合によるさらなる再編
- 7.3. 海外プレイヤーの参入と日本企業の対応策
- 7.4. 地域特化型ECやサブスク型ビジネスの可能性
- 7.5. M&AがもたらすEC業界の未来像
1.1. ECマーケット拡大の背景
近年、日本国内のEC市場は着実に拡大を続けています。これはインターネット利用者の増加やスマートフォン普及率の上昇、そして消費者の購買行動が実店舗からオンラインへと移行しているためです。特にコロナ禍以降は外出自粛や非接触型サービスへの需要増を背景に、EC市場にさらなる伸びが見られました。
ECの拡大に伴い、企業はオンライン販路を整備し、自社ブランドや商品を消費者に直接届けようとするDtoC(Direct to Consumer)の取り組みを活発化させています。同時に、従来の卸売や小売の間に立つ事業者にとっては、効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の一環としてシステム導入や業態転換を図る動きが広がっています。こうした変化に対応するため、IT企業やECプラットフォーマーだけでなく、さまざまな業種の企業がEC分野に参入し、新たな競争が起こっています。
その結果、EC関連サービスの提供会社や、オンライン販売力を持つ事業者を買収・統合する動きがM&Aの大きな潮流として顕在化しています。EC系システム開発会社、物流・フルフィルメント、マーケティング支援、越境ECなど、あらゆる周辺領域が「売り手」「買い手」として相互にM&Aを検討している状況です。
1.2. コロナ禍によるオンラインシフトとDX推進
新型コロナウイルス感染症拡大がもたらした大きなインパクトとして、店舗での対面販売に依存していた企業がオンラインチャネルへのシフトを急加速させたことが挙げられます。これまで通販を行っていなかった企業や、わずかなEC売上しかなかった企業が、短期間で自社ECサイトを立ち上げたり、ECモールへ出店したりするなどの変革を迫られました。
こうした動向においては、自社でECシステムを構築するよりも、既存のIT企業やEC支援サービス企業を買収してノウハウを取り込んだほうがはるかに迅速という考え方が増えています。あるいは自社ECプラットフォームがコロナ以前から存在していても、さらなる拡大を図り、EC事業者をM&Aで取り込む例も見られます。いわゆる「ECの内製化」や「EC在庫管理ノウハウの獲得」「DX推進のための買収」などが典型的なパターンです。
1.3. 海外展開・越境EC・グローバル化へのニーズ
日本国内のEC市場が成熟期に近づきつつある一方、海外での越境EC市場への関心が高まっています。中国や東南アジアなどアジアの成長市場、あるいは北米や欧州の先端市場に向けて商品を販売したい日本企業が増えていますが、独自で海外進出を試みるよりも、現地で実績を持つEC関連企業をM&Aすることで、海外流通網やローカルマーケティング、人材・ノウハウを一挙に獲得しようという戦略が注目されています。
実際、2024~2025年に報じられた国内企業のM&Aには、越境EC大手のBEENOS<3328>買収のように、大手IT系企業がターゲットを取り込みグローバル展開へ拍車をかける例がありました。越境ECでは、大量在庫の管理や言語・通貨などの異なる要素への対応が必要です。こうした機能をすでに持つ海外企業との連携や買収が、成長を加速する鍵となります。
1.4. 大企業・ファンドのM&A参入による業界変革
ECの伸びを背景に、国内外の投資ファンドや大企業がEC関連企業の買収に活発に乗り出しています。ファンドのTOBや共同買収などの動きが具体化しており、業績低迷中の企業でも、ECノウハウや顧客基盤を持っている場合は積極的に買収の対象となっています。
2024年末~2025年にかけては、国内投資ファンドがECプラットフォーム企業をTOBで非公開化し、その後、同業のEC企業に譲渡または共同経営する動きが顕著です。たとえばEストアー<4304>が投資ファンドとBASE<4477>による共同買収を受け入れた事例は、EC構築事業の垂直統合・再編の典型例といえます。
このようなファンドや他業種大企業が買い手となるケースでは、EC事業者が単独でできなかった経営資源の追加投下やネットワーク活用などが可能になり、業績の大幅な改善やグローバル展開が期待されます。一方、非公開化や子会社化によって上場廃止になるケースもあり、投資家視点では突然の流動性低下につながるなど、マーケットにも影響があります。
2.1. DtoC(Direct to Consumer)の台頭
EC業界ではブランドが自らECサイトを立ち上げて、消費者に直接販売するDtoCというビジネスモデルが急速に広まっています。アパレルやコスメ、健康食品など、もともとEC販売と相性のよい商品分野が積極的にDtoCへ参入し、SNSやインフルエンサーを活用しながら集客・認知度向上を図る手法が一般化しています。
DtoCモデルの拡大により、これまで小売や卸を通じて展開していたメーカーなどは、自社ECサイトの立ち上げや運営ノウハウの不足、集客手法やSNSマーケティングへの知識不足に悩むケースが少なくありません。こうした課題への対処方法として、以下のような手段が取られています。
- ECノウハウを持つ企業(Webマーケ企業やEC支援企業)の買収
- DtoCブランドのM&Aによる取り込み
- 投資ファンドに経営権を譲渡して資金やノウハウを得る
例えば健康食品やコスメを取り扱うウェルディッシュ<2901>が同業のハーバーリンクスホールディングスを買収した事例や、GFA<8783>が薬用育毛ローションに強みを持つエムワンを子会社化した事例などは、DtoCブランドの展開力を獲得するねらいが明確です。
2.2. コロナ禍以降の生活必需品・健康食品EC拡充
コロナ禍を通じて、食品や日用品などの通販需要が急伸しました。従来は実店舗で購入することが多かったジャンルでも、外出制限や感染拡大防止の観点からオンライン販売へのシフトが広がっています。この状況を踏まえ、以下のような動きがありました。
- 食品・飲料系企業によるEC特化ブランドの買収やEC支援企業との提携
- 化粧品や健康食品のサプリメントブランド買収とオンライン販路の強化
- EC物流やコールドチェーン強化のための物流企業、倉庫業者との資本提携
たとえばオーイズミ<6428>が健康食品EC企業の武内製薬やAda.ブランドを中心にした事業展開を促進したり、ウェルディッシュ<2901>が化粧品や健康食品開発企業を買収したりする流れが指摘できます。これらの背景には「多角化」「新規分野の収益柱化」を急ぐ必要があったこともあげられます。
2.3. アパレル・ファッション分野のEC比率向上
アパレル産業では、国内市場の鈍化やコロナ禍の影響による店舗売上の落ち込み、在庫リスクなどの問題が顕在化しています。そのため店舗運営に依存する従来モデルからEC販売比率を高める改革が進められています。具体的には、次のような動きが見られます。
- 既存ブランドのECシフトを促進するため、ECシステム会社の買収
- アパレルECにノウハウのある企業との資本業務提携
- 買収を通じた若年層~中高年層向けブランドの取り込み
事例としては、ソトー<3571>がメンズアパレルのジェノとG-STAGEを買収した件、Eストアー<4304>がアパレル子会社SHIFFONを売却し、別のEC事業との提携を模索した件、あるいはバルコス<7790>が自社ECなどを強化するため、子会社を通じて別ブランドを買収するといった事例が該当します。ファッション通販企業が市場競争力を確保するため、いかにオンラインチャネルを拡充し、顧客体験を高めるかがカギになっています。
2.4. 中小EC事業者におけるM&Aや事業譲渡の意図
EC市場が拡大する一方、大手企業や投資ファンドが参入してくることで競争が激化し、広告費や配送コスト、集客手段で高騰や複雑化が進んでいます。小規模~中規模のEC事業者にとっては、売上の頭打ちや集客コストの上昇、あるいは物流網確保の難しさなどが経営を圧迫する要因となっているようです。
このような背景から、事業売却や合併を検討するEC事業者が少なくなく、M&A市場に売り手として出てくるケースが増えています。一方の買い手としては、大手がニッチなECサイトや特定商品カテゴリに強い企業を買うことで、顧客層やアイテム数を拡充することが可能になります。両者の利害が一致するときに円滑な事業譲渡が成立します。
2.5. M&A実行時の留意点~在庫管理・バックヤード統合・物流網最適化など~
EC事業者同士のM&Aや、大手と中小を問わず何らかのEC関連会社・ブランドを買収する際、必ず話題になるのが在庫管理や物流システム(WMS)、顧客データベースなどの統合です。ECシステムや販売チャネル、顧客管理システムが別々に存在すると、買収後の運用が煩雑になり、せっかくのシナジーが生まれにくくなる可能性があります。そのため、事前のデューデリジェンス(DD)において、「どの程度システムが互換性あるか」「物流拠点の最適化は可能か」「在庫情報の一元管理が可能か」といった点を十分に検討し、買収後のPMI(Post Merger Integration)プロセスで段階的に最適化を図る必要があります。
3.1. 事業ポートフォリオ再編と選択と集中
EC業界のM&Aには、「選択と集中」目的で非中核事業を切り離す動きや、逆に新たな中核事業を得るために買収を行う動きの両面があります。例えばクルーズ<2138>がファッション通販子会社であるCROOZ SHOPLISTを譲渡し、代わりにゲーム事業やメディア事業に集中する手法をとったのは好例です。また、Eストアー<4304>がアパレル子会社を譲渡してECシステムや中小事業者向けECサービスに注力するのも、同様の流れといえます。
3.2. 新規顧客基盤の獲得
EC事業の強みは、地域を問わず全国・全世界をターゲットにできる点ですが、顧客基盤がなければ売上増は容易ではありません。そのため、他社買収によって顧客基盤を一挙に獲得したり、新ブランドを取り込むことで顧客層を広げるケースがあります。アパレル、コスメ、健康食品など、カテゴリ特化型ECサイトを買収する例では「ブランド力を取り込んでリピーター客を確保する」「多店舗出店のノウハウを獲得する」などが期待されています。
3.3. ノウハウ・技術・人材の取り込み
EC関連システムや物流、マーケティング、CRM(顧客関係管理)などは非常に専門性が高い領域です。自前で人材を育成するには時間がかかり、日々変化する市場に対応しづらいことから、ノウハウを持つ企業を直接買収して人材や独自技術を取り込む手法が注目されています。とくに越境EC分野では独自のカスタマイズや言語・決済対応などが必要であり、海外のEC事業者や輸出入支援会社を買うことで短期的にスキルを獲得する事例があります。
3.4. 海外進出と越境EC強化
EC企業のグローバル展開が進む中で、海外拠点や物流網を迅速に構築したい日本企業にとって、現地企業を買収するのは効率的です。日系ファンドによる海外EC企業の買収だけでなく、海外ファンドや事業会社が日本のEC企業を買う例も増えています。こうした動きは越境ECの需要増を背景にしており、中国・東南アジアはもとより、北米や欧州向けの日本商品への引き合いなどが見込まれるためです。
3.5. 外部環境の変化への迅速対応
EC市場のデジタル化は加速度的に進展し、AI・IoT・クラウド・モバイルなどの技術革新が繰り返されています。また、消費者のライフスタイル変化、SNSの台頭、広告プラットフォームの変化なども考慮すると、一社単独では対応しきれない場合があります。M&Aは、外部環境の変化に素早く追随するための選択肢として活用されるのです。
ここでは2025年1月~2024年10月頃までに公表されたEC関連のM&A・事業譲渡例を、企業発表を元にまとめました。一部、2023年や2022年の事例も含まれていますが、直近数年の動きとして参考になるでしょう。それぞれ企業の公式リリースや業界ニュースを基にしており、その事業や譲渡・買収の背景を簡潔にまとめています。なお、表中の売上高や営業利益などは単年度ベースの記載もあれば通期決算期末データでない場合もあり、実際とは異なる可能性があります。大まかな参考指標としてご覧ください。
4.1. ファッション通販事業の譲渡(クルーズ<2138>のSHOPLIST関連)
- 事例概要:クルーズ(コード2138)は2025年1月17日付で「ファッション通販サイト『SHOPLIST』を運営するCROOZ SHOPLISTを韓国MEDIQUITOUSへ譲渡する」旨を発表。
- 譲渡の理由:クルーズはグループ再成長のため、ITアウトソーシング事業に経営資源を集中させる方針を打ち出しており、その一環としてEC事業を整理。SHOPLISTは当初、クルーズを代表するECサイトであったが、競争激化と投資負担の大きさから戦略見直しに至ったとみられる。
- 譲渡価額は非公表。
- 今後の戦略:クルーズはアパレルセレクトショップ「Ada.」を主軸にEC関連は継続するものの、大掛かりなECモール型事業は売却し、より専門的なITサービス事業にフォーカスする。
4.2. アパレル企画・販売会社の買収(ソトー<3571>によるジェノ子会社化)
- 事例概要:ソトー(コード3571)は2025年1月31日付で、メンズアパレル企画・卸売りのジェノ、および関係会社G-STAGEを子会社化すると発表。
- 取得理由:ECやBtoC事業の拡大を狙い、アパレル製品の企画・生産管理ノウハウを取り込む。また、メンズファッションブランド「G-STAGE」などの企画力・ブランド力をECに展開する意向。
- 未公表点:取得価額は非公表。
- コメント:大手アパレルメーカーにとってEC販売比率の向上は喫緊の課題であり、ジェノグループのEC運営ノウハウなどが活用される見込み。
4.3. 化粧品・健康食品ECの取り込み(ウェルディッシュ<2901>によるハーバーリンクスホールディングス買収)
- 事例概要:ウェルディッシュ(旧石垣食品)は2024年12月26日付で、化粧品・健康食品開発を行うハーバーリンクスホールディングスを買収すると発表。
- 背景:水出し麦茶やビーフジャーキーで知られた旧石垣食品は業績立て直しを目的に新規事業を育成中で、すでに化粧品・健康食品会社メディアート(名古屋市)を子会社化済み。今回の買収により、化粧品・健康食品事業を本格的に成長路線に乗せる。
- 狙い:ハーバーリンクスは「サラフェイス」などのコスメを自社ECで販売しており、DtoCブランド力と開発ノウハウを取り込むことで、ウェルディッシュの既存ブランドと合わせて相乗効果を高める。
- 取得価額:未確定。
- まとめ:食品企業が新たに化粧品・健康食品領域を伸ばし、自社ECや通販チャネルを強化する好例。
4.4. ECプラットフォーム関連の大規模再編(Eストアー<4304>のTOB受け入れ)
- 事例概要:Eストアーは2024年12月26日付で、投資ファンドの日本成長投資アライアンス(JGIA)とECサイト構築事業のBASE<4477>による共同買収を受け入れると発表。
- 買収スキーム:TOB主体はファンドJGIAが設立した買収目的会社JG27。TOB成立後、JGIAは大企業向けECサイト構築子会社コマース21を引き継ぎ、一方BASEがEストアー本体を買収する二段構え。
- 買付価格:1株1953円(TOB公表前日の終値1196円に63.29%のプレミアム)。買付代金は最大67億6800万円。
- 結果:Eストアーの上場廃止見込み。一連の取引総額は約126億2300万円。
- EC構築領域の再編:BASEは中小事業者向け、Eストアーは同じく中小規模企業に強みを持つが、大企業向け子会社も含めた再編により、顧客層や技術を整理・強化する狙いがうかがえる。
4.5. トレーディングカードEC事業(アクセルマーク<3624>によるcrafty子会社化)
- 事例概要:アクセルマークはトレカ専用ECサイト「オリパ」などを運営するcrafty(東京都千代田区)を子会社化すると発表。
- 背景:アクセルマークは2023年9月にトレカ事業へ参入。オフライン自販機や店舗に加え、EC事業を拡充するためにcraftyを取り込み、オリパ専用サイトの垂直立ち上げを狙う。
- 取得価額:1億円。
- コメント:トレカ市場は近年、コレクション需要・転売需要などで盛り上がりを見せ、ECとの親和性が高い。ECサイト運営ノウハウのある事業を早期に買収して自社のトレカ事業を強化する好例。
4.6. 健康・美容関連製品のECやヘルスケア買収(GFA<8783>とエムワン)
- 事例概要:GFAは薬用育毛ローション「M-1シリーズ」を開発・販売するエムワンを買収。ヘルスケア領域強化の一環。
- 取得価額:3億6700万円。
- 背景:GFAは不動産事業が中心だったが、新規分野としてヘルスケアや再生医療へ展開。その一環としてEC市場でも認知度の高い育毛ブランドを傘下に収めた。M-1シリーズはテレビショッピングや自社ECで累計192万本を売り上げるなど実績豊富。
4.7. 酒造・食品系EC再編(オーイズミ<6428>の妙高酒造譲渡)
- 事例概要:オーイズミは傘下の日本酒メーカー妙高酒造をTACTホールディングスに譲渡。オーイズミはパチスロ関連遊技機製造が主力だが、2009年に妙高酒造を買収していた。
- EC事業への影響:妙高酒造はECでも日本酒を販売。食品・EC部門の再編に伴い切り離した形。
- コメント:アミューズメント企業や外食企業が食品事業を買収して拡大を図る例は多いが、競争が激しい中で業績改善が難しくなった場合、再度譲渡に至るケースもあり得る。
4.8. 越境EC大手のBEENOS<3328>に対するTOB(LINEヤフー<4689>)
- 事例概要:LINEヤフーはBEENOSをTOBで完全子会社化(買付最大538億円)し、越境EC事業を強化する計画。
- BEENOSは「tenso.com」や「Buyee」といったサービスを提供し、海外居住者向けに日本の商品を海外発送・代理購入するモデルで成長。
- 買付価格:1株4000円(終値3370円に18.69%のプレミアム)。
- 狙い:インバウンド需要のリピート購入などが期待され、LINEヤフーが運営する通販プラットフォームやペイメント事業との連携で大きなシナジーが期待される。
4.9. 新規事業へのシフトと在庫リスク軽減(クルーズ<2138>のEC子会社譲渡)
- 概要:クルーズはECモール運用支援子会社のYESや「SHOPLIST」関連会社CROOZ SHOPLISTを相次ぎ譲渡。
- 目的:ITアウトソーシング事業やGameFi事業に経営資源を集中し、ECの在庫リスクや競争激化のリスクを回避。
- コメント:ECが拡大するなか、競合が激増し、広告費や送料の上昇が収益を圧迫するケースがある。こうした局面では「IT系本業に戻る」「ゲーム・メディアに注力する」などの再構築が起こりやすい。
4.10. 合併・グループ内再編・外国資本参入(他多数事例)
その他、ECではない事例も含め多岐にわたる買収や譲渡が2025年~2024年までに公表されています。例えばコマースOneホールディングスのAI関連ベンチャー買収や、化粧品会社によるOEM事業の強化、越境ECサービスを保有する企業の一部譲渡など、それぞれの戦略意図があり、多様化が見て取れます。
ここでは一部のM&A事例を詳しく掘り下げてみましょう。実際のプレスリリースから読み取れる背景や、シナジーの中身、競合他社との差別化要素などに触れます。
5.1. クルーズ<2138>のSHOPLIST事業譲渡
【概要】
クルーズは2025年1月17日付で、ファッション通販サイト「SHOPLIST」を運営するCROOZ SHOPLISTを韓国MEDIQUITOUS社に譲渡することを発表しました。SHOPLISTはクルーズのEC事業の象徴的なブランドでしたが、譲渡の理由としては、企業全体でITアウトソーシングや新事業(GameFi領域など)に集中する戦略転換が挙げられています。
【狙い・背景】
SHOPLISTは若年層向けファストファッションの通販サイトとして認知度が高かったものの、競合するファッションECが増えたことやインフルエンサーマーケティングの激化により、収益確保が難しくなりつつありました。またEC事業には倉庫管理や物流費、広告宣伝費など大きな投資が必要でした。クルーズはより伸びしろのあるITアウトソーシング事業への集中を発表しており、そのためEC事業を整理したと考えられます。
【今後】
クルーズは「Ada.」というセレクトショップを残しており、EC事業を完全に撤退するわけではありません。一方、MEDIQUITOUS社は韓国でEC事業を展開しており、SHOPLISTのブランド力やノウハウを活かしグローバル展開を加速させると想定されます。
5.2. ソトー<3571>によるジェノとG-STAGE買収
【概要】
ソトーは2025年1月15日にメンズアパレル企画・販売のジェノ(大阪市)およびその関係会社G-STAGE・JAPANを子会社化しました。ジェノはメンズアパレルの企画・生産管理を、G-STAGEはジェノの企画ブランド「G-STAGE」の販売を主力としています。
【狙い】
ソトーは染色・縫製などで長い歴史を持つ繊維関連企業で、アパレル市場全般に広く関わっています。ECチャネルの拡大が急務とされるなか、ジェノやG-STAGEのノウハウ・デザイン力を取り込み、BtoC事業を強化する意図があるでしょう。
【ECとの関連】
これまでソトーは卸売やOEM生産など、BtoBが中心だったと考えられますが、メンズブランドの企画力・直接EC販路を抱えるジェノグループを併合することで、ECを通じた消費者への販売戦略を深める可能性があります。
5.3. ウェルディッシュ<2901>によるハーバーリンクスホールディングス買収
【概要】
ウェルディッシュ(旧:石垣食品)は2024年12月26日付で、化粧品・健康食品を展開するハーバーリンクスホールディングスを買収すると発表しました。先行して同社は名古屋市のメディアートを買収しており、化粧品・健康食品領域へ参入していました。
【戦略的背景】
ウェルディッシュは麦茶やビーフジャーキーで知られる食品メーカーでしたが、経営再建のために収益柱を増やす必要がありました。健康志向の高まりによって化粧品・健康食品の通販市場が拡大しており、この分野での積極展開が狙いです。
【ECとのシナジー】
ハーバーリンクスは自社ECサイトが売上の中心であり、オンラインでの集客や定期購入モデルを確立しています。このノウハウをウェルディッシュ全体に共有することで、新製品をDtoC販売し、収益拡大を狙うとみられます。
5.4. Eストアー<4304>のTOB受け入れと大幅再編
【概要】
Eストアーは中小企業向けECサイト構築やホスティングサービスを提供してきましたが、2024年12月26日に、日本成長投資アライアンス(JGIA)とBASE<4477>による共同買収を受け入れると発表しました。まずTOBでJGIAが完全子会社化し、大企業向けECサイト構築事業のコマース21をJGIAが引き継ぎ、Eストアー本体をBASEが買収するという複雑な手続きを踏みます。
【狙い・背景】
Eストアーは中小企業向けEC構築で実績を持ち、さらに大手企業や公的機関向けにコマース21も展開していました。ただ、グループ内で重複や資本関係が複雑化している面があり、今回の再編によって中小企業向けのEストアー部分をBASEが取込み、大企業向けのコマース21はファンドが運営を行う形となります。上場を維持していたEストアーはTOB成立後に非公開化される見通しです。
【今後】
BASEは中小事業者向けECサービスを得意とするため、Eストアーの既存顧客基盤やシステムを得ることでさらなるシェア拡大を狙います。一方、JGIAは大型案件向けのコマース21を継承し、大企業・公的機関向けECシステムを拡充する計画です。
5.5. アパレル関連子会社SHIFFONの譲渡と上場志向(Eストアー<4304>)
【概要】
Eストアーはアパレル子会社SHIFFONの80%を、同社創業者が設立した新会社SFNに譲渡し、アパレル事業を切り離すとしました。すでにEC事業での再編が進行中のEストアーですが、今回の譲渡も「所有と経営の一致で意思決定を迅速にする」目的として掲げています。譲渡価額は30億4700万円。
【意図】
Eストアーはアパレル在庫リスクや事業拡大の投資リスクを負担し続けるよりも、SHIFFON創業者のオーナーシップで上場を見据える形を選択。EC関連事業を含め、自社の強みであるECサービス本体に集中できるようになります。
【傾向】
アパレル事業は売上規模が大きい一方、在庫管理や流行変動のリスクが高く、IT系企業が安易に参入すると苦戦することも少なくありません。こうしたケースでは、実績ある経営者に事業を戻す形で譲渡する選択肢もM&Aにおけるひとつの整理方法と言えます。
5.6. アクセルマーク<3624>によるトレカEC運営のcrafty子会社化
【概要】
アクセルマークはトレーディングカード(トレカ)事業を拡大するため、ECサイト運営のcraftyを買収。オリパ(福袋形式のトレカパック)専用サイト「アイリストレカ」は業界有数の規模を誇るといわれ、1億円規模の取得となりました。
【背景】
トレカ市場は近年、コレクション需要やレアカードの高額取引などで注目されています。リアル店舗とEC両方が収益源となり、EC市場でもトレカの売買が盛んです。アクセルマークはトレカ自動販売機などオフライン領域にも参入しており、オンラインでの強みを補うために今回の買収に踏み切ったと見られます。
【期待されるシナジー】
- オンライン×オフラインの統合マーケティング
- トレカ在庫の効率的な仕入れ・販売ノウハウの共有
- オリパ販売技術やユーザーコミュニティの育成
5.7. GFA<8783>、薬用育毛ローション「M-1シリーズ」のエムワンを子会社化
【概要】
GFAは新規事業として再生医療・ヘルスケア展開を目指しており、その一環でエムワンを買収。取得価額は3億6700万円と公表されました。エムワンはテレビ通販などを通じて累計192万本の販売実績がある育毛ローションを主力とし、自社ECやテレビショッピングを組み合わせた通販に強みを持ちます。
【背景】
従来GFAは不動産ファイナンスや金融事業がメインでしたが、業績安定化と収益源の多角化を目指し、成長が期待されるヘルスケア分野への進出を図っています。同時にヘルスケア関連のEC事業を取り込むことで、マーケティングや直販ノウハウを獲得しやすくします。
5.8. オーイズミ<6428>、傘下の妙高酒造をTACTホールディングスに譲渡
【概要】
パチスロ関連遊技機事業が主力のオーイズミは、日本酒メーカー妙高酒造を売却しました。同社は2009年から妙高酒造を子会社化していたものの、食品・EC事業の再編として2024年12月19日に譲渡を発表。
【背景】
遊技機市場が縮小や規制強化で厳しい中、オーイズミは事業の多角化を進めていました。しかし日本酒事業は蔵元のブランディングや流通、海外輸出などに長期間の投資が必要なため、想定ほどのシナジーを得られなかった可能性があります。ECで日本酒を販売していたが、事業規模の拡大が容易でないこともあり、TACTホールディングスに譲渡することになったと推測されます。
5.9. 越境EC大手のBEENOS<3328>をLINEヤフー<4689>がTOB
【概要】
LINEヤフーは越境EC大手のBEENOSを最大538億円で買収し完全子会社化を目指しています。TOB公表前日の終値3370円に対し18.69%のプレミアムを加えた1株4000円で買い付け。BEENOSはインバウンド需要を背景に成長してきた越境EC「tenso.com」「Buyee」などを運営しています。
【目的】
LINEヤフーは、PayPayなどの決済事業やショッピング事業を含む巨大なEC・金融エコシステムを形成中。BEENOSを取り込むことで、海外向けの転送サービスや代理購入サービスを連携させ、海外客への販路を飛躍的に拡大させたい考えです。コロナ後のインバウンド回復をも視野に入れた大型案件です。
5.10. 出光興産<5019>、豪バナジウム鉱山の開発を進めるVecco Groupを子会社化
【概要】
出光興産はバナジウム電解液を製造するオーストラリアVecco Groupに出資を拡大し、51%の株式を取得して子会社化。これ自体はEC業界の事例ではありませんが、再生可能エネルギー拡大の文脈で蓄電池への需要増が想定され、EC物流やオンラインビジネスにも間接的に影響をもたらす可能性があります。
【考察】
EC市場拡大には輸送や倉庫での電力需要増があり、バッテリー技術の進化が大きなカギを握ります。バナジウム・フロー電池は長寿命・大容量拡張性があり、将来の配送拠点や倉庫、EV配送などで注目されるため、広義にはECインフラを支える技術として意義深い事例と言えます。
6.1. PMO(Post Merger Office)の重要性
EC業界のM&Aでは、買収前のデューデリジェンスだけでなく、買収後の統合(PMI)が成功の鍵を握ります。とりわけECのバックヤード業務(在庫管理・倉庫ロケーション・返品対応など)は複雑なので、PMIを担当する組織(PMO)を設置し、計画的に統合プロセスを進めることが望ましいです。
6.2. EC基盤・物流網・在庫管理システムの統合
ECサイト運営において在庫管理や受注管理、顧客データ管理などの統合は非常に重要です。システムが企業ごとに異なるままでは重複作業や連携ミスが発生し、円滑な顧客サービス提供を妨げます。M&A後のシステム移行や刷新には大きなコストが伴いますが、事前に計画しておくことでスムーズに進行しやすくなります。
6.3. ブランドイメージ・販売チャネルの保護と強化
アパレルや化粧品、健康食品などのEC企業にはブランドイメージが不可欠です。買収する側がマスマーケティング手法で大々的に展開した結果、本来のブランドが持つプレミアム感や世界観を損なうことも考えられます。M&A後のブランド戦略や販路管理については、元の運営チームとの協議が欠かせません。
6.4. 従業員の処遇・組織文化の融合
EC運営チームはIT・Webデザインなど専門知識を持つ人材が多く、クリエイティブ志向の組織文化が根づいている場合もあります。買収企業の指示命令系統や大企業的なルールがかえってクリエイティビティを損なう懸念があるため、従業員が退職しないよう配慮し、組織文化の相乗を図る必要があります。
6.5. 契約スキームや買収後の上場維持・非公開化のメリット
EC関連M&AにはTOBや第三者割当増資などさまざまなスキームがあります。Eストアーのように上場企業であってもファンドと組んで非公開化し、短期的な利益より中長期的視点で事業再編するケースが増加中です。逆に、非上場企業が上場企業に買収されることでIPO並みのブランド認知度を得られる利点もあります。
7.1. デジタル時代の新たなECエコシステム
EC業界は勢いを増し、ファッション・食品・化粧品・ヘルスケアなど多くの市場がオンラインを主戦場と捉えています。同時に、物流・倉庫・在庫管理・決済技術など多彩な周辺産業も大きく動いています。これに伴い、M&Aがますます活発化し、従来とは異なる企業間提携や統合シナジーが生まれています。
7.2. ネットとリアルの融合によるさらなる再編
小売全体で「ネットとリアルの垣根を超えたOMO(Online Merges with Offline)」が主流となり、実店舗のショールーミング的活用やEC在庫を店舗受け取りに回す仕組みなどが当たり前になってきています。将来的には大手家電量販店のEC部門や、専門小売チェーンがEC事業や物流事業をスピンオフ・統合・買収するといった動きも予想されます。
7.3. 海外プレイヤーの参入と日本企業の対応策
日本市場は一時の緩やかな成長から、コロナ禍を経てEC全体が拡大傾向にありますが、Amazonや海外企業がさらなる投資を行いシェアを奪う可能性があります。日本企業は海外勢に対抗するため、大手同士の資本業務提携やEC企業同士の統合を加速するかもしれません。また中国系プラットフォーマーなどによる日本企業買収の可能性もあります。
7.4. 地域特化型ECやサブスク型ビジネスの可能性
大手プラットフォームが押し寄せる中、地域特産品やローカルな食材を扱う地域ECモール、あるいはサブスクリプション型サービスなど差別化を図るモデルが生まれています。こうしたニッチ領域を手掛ける事業者は、大手企業にとって買収や提携の候補となるため、今後もM&A機会が増加し得ます。
7.5. M&AがもたらすEC業界の未来像
EC業界は拡大傾向にある一方で、競争も熾烈です。新旧を問わず企業がM&Aで再編され、買い手・売り手が流動的に組み替えられることで、業界そのものが俊敏に変化しています。新技術の適用や越境ECへの対応は一社では困難な場合が多く、今後もECを巡るM&Aは続くと見られます。AI活用や自動化、メタバース等への拡張も視野に入っており、「EC+α」の新潮流をもとにした事業シナジーに期待がかかります。
2025年から2024年末にかけて話題となったEC関連のM&A事例を振り返りながら、EC業界がどのように再編されているかを解説いたしました。
大きくまとめると、EC業界のM&Aには下記のようなポイントが見られます。
- 経営資源の選択と集中:EC事業や関連の物流・ITサービスを強化するために買収する例と、EC在庫リスクや競合激化に耐え切れず事業を売却する例が混在しています。
- ノウハウ・ブランド・顧客基盤の取り込み:アパレルやコスメ、食品など消費者向け(BtoC)分野ではブランドの認知度や既存顧客データが非常に重要。これをまとめて獲得できるのがM&Aの大きな利点です。
- 海外展開・越境ECへの対応:日本企業が海外企業を買収するケース、または海外ファンドや外国企業が日本のEC関連会社を買収するケースの両方が散見され、世界的な規模でEC市場が再編され始めています。
- 非公開化や複雑なスキーム:投資ファンドと共同でTOBを行ったり、二段構えの買収計画を練ったりと、以前より複雑な手法が用いられています。企業価値向上のために一時的に上場廃止(非公開化)した後、再度別の事業会社に譲渡する動きも増加しています。
今後、EC市場は競争がさらに激しくなると予想され、サブスクリプションやライブコマース、SNSを活用した新しい販売形態などが登場するでしょう。それに伴い、IT企業・広告企業だけでなく、従来はオフライン中心だった企業も積極的にM&Aを通じてECへの取り組みを強化し、事業再構築を図るとみられます。また、物流や在庫管理、返品対応などバックエンド領域を専門とする企業も、より大きなプレイヤーに買収され、システム統合とスケールメリットを追求するかもしれません。
一方で、M&Aを実施するだけでなく、買収後のPMIや人材・組織文化の融合、在庫・物流・ECプラットフォーム統合など、一連の課題をいかにスムーズに解決するかが成否を左右します。EC業界の変化スピードは速く、短期間でのマッチングや統合が求められるため、今後もM&Aの成否は企業の経営力や意思決定の機動性を映す鏡になるでしょう。
以上、EC業界M&Aに関する長文の記事となりました。今回は非常に多くの事例を盛り込みながら、それぞれの買収・譲渡背景や狙い、シナジーの方向性をまとめました。今後もEC業界は国内外問わず大きく変動していくと思われます。各事例の分析が、読者の皆様のEC市場理解や今後の戦略検討に少しでもお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。