目次
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の市場環境
イベント企画・運営サービス業の市場環境は、オンラインとオフラインの両方で多様化・高度化を続けています。以下のポイントをとで囲んでいます。
– 市場規模と動向:
– 2020年以降の変化:
– 2019年時点で約17兆4,890億円だった市場規模が、2020年には8兆6,649億円に縮小しました。
– オンラインイベントの増加:
– 2020年に開催された「東京ゲームショウ」は完全オンライン形式で実施され、総視聴数は約3,150万回を記録しました。
– ハイブリッドイベントの定着:
– 現在、対面イベントの需要が徐々に回復しつつありますが、オンラインやハイブリッド形式のイベントも定着しています。
– サービスとしてのイベント管理市場:
– 市場規模と成長率:
– 2023年時点で63億8000万米ドルで、2032年までに159億9000万米ドルに達する予想されています。
– CAGR:
– 10.6%のCAGRで成長予想されています。
– 推進要因:
– 体験型マーケティングの重要性の高まり:
– 企業運営のグローバル化が市場の推進要因となっています。
– イベント管理ソフトウェア市場:
– 市場規模と成長率:
– 2024年に130億1000万米ドルで、2029年までに211億8000万米ドルに達する予想されています。
– CAGR:
– 10.24%のCAGRで成長予想されています。
– 成長要因:
– スポーツ、ゲーム、エンターテイメント イベントの増加:
– 履歴データとリアルタイム データに基づいてイベントを効率化できるソフトウェアの普及が広く行われています。
– SDGsへの取り組み:
– 環境に配慮したイベント運営:
– 日本最大級の環境展示会「エコプロ」では、使い捨てプラスチックの削減や、再生可能エネルギーの活用などが実践されています。
– テクノロジーの進化:
– ARやVRを活用したイベント:
– 「バーチャルマーケット」は、VR空間内で行われる世界最大級のイベントとして注目を集めています。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)のM&Aの背景と動向
イベント企画・運営サービス業のM&Aは、コロナ禍以降の急速なオンラインイベントの需要増加と、イベント業界の変化に伴い活発化しています。以下に主要な背景と動向をまとめます。
### 背景
– コロナ禍の影響: コロナ禍により、オンラインイベントの需要が急速に増加しました。従来のオフラインイベントがオンラインに移行する動きが強まりました。
– 技術の進歩: Webミーティングツールの普及により、小規模なオンラインイベントの開催が容易になりました。SaaS企業が中心となって、イベントDX事業を展開しています。
– 事業の多角化: イベント業界は多様なニーズに対応するため、リアルイベントとオンラインイベントの両方に対応する企業が増えています。IT系サービス企業やマーケティング会社が積極的に買収活動を進めています。
### M&Aの動向
– 買収企業の特徴: 通信関連のIT企業、デジタル分野を得意とするマーケティング会社、コンテンツビジネス関連企業などが主な買収企業です。
– 譲渡企業の特徴: 企画・制作力に優れ、多数の優良顧客を持つ企業や、オンライン化を含めた事業展開を企図する企業が譲渡側としています。
– 事例:
– ブイキューブ: タメニーアートワークス株式会社のイベモン事業を取得し、イベントDX事業を強化しました。SaaSカンパニーとしての強みを活かして、オンラインイベントの企画力を強化しています。
– HIKKY: バーチャルアイテム・リアル商品の売り買いができるVRマーケットの運営や、クライアント企業のバーチャル事業展開をサポートする包括的なソリューションを提供しています。
– マイナビ: 採用・就職・転職関係の各種Web情報サービスや、人材マッチングサービス、研修サービスなどの事業を展開しています。
### 重要なポイント
– オンラインイベントの需要増加: コロナ禍以降、オンラインイベントの需要が急速に増加しています。
– 技術の進歩: Webミーティングツールの普及により、小規模なオンラインイベントの開催が容易になりました。
– 事業の多角化: イベント業界は多様なニーズに対応するため、リアルイベントとオンラインイベントの両方に対応する企業が増えています。
– 買収企業の特徴: 通信関連のIT企業やデジタル分野を得意とするマーケティング会社が主な買収企業です。
– 譲渡企業の特徴: 企画・制作力に優れ、多数の優良顧客を持つ企業が譲渡側としています。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)のM&A事例
イベント企画・運営サービス業のM&A事例を以下にまとめます。
– HIKKY: バーチャルアイテム・リアル商品の売り買いができるVRマーケットの運営や、クライアント企業のバーチャル事業展開をサポートする包括的なソリューション提供、VRコンテンツ開発エンジンの提供などの事業を展開。
– 譲渡企業: バーチャルマーケットの運営やVRコンテンツ開発。
– 譲り受け企業: NTTドコモと資本・業務提携。
– bravesoft: イベントのための集客用・運営用Webサイトやイベント公式アプリなどをプラグラミング不要で手軽に作成できるサービス「eventos」を初め、イベント関連DXプラットフォームの開発事業を展開。
– 譲渡企業: イベントDXプラットフォーム開発事業推進のための資金調達。
– 譲り受け企業: なし(資金調達のみ)。
– マイナビ: 採用・就職・転職関係の各種Web情報サービス、人材マッチングサービス、研修サービスなどの事業を展開。
– 譲渡企業: イベントDXプラットフォーム開発事業推進のための資金調達(関連事業)。
– 譲り受け企業: なし(資金調達のみ)。
– アルファ: イベント業界向けにコンサートグッズ・ノベルティーグッズの企画製造事業を展開。
– 譲渡企業: コンサートグッズの企画・製造事業。
– 譲り受け企業: 丸井織物。
– 丸井織物: 日本最大の合繊織物メーカーで、繊維とITを掛け合わせた事業(オリジナルTシャツのオンデマンド作成Webサービスなど)も多角的に展開。
– 譲渡企業: コンサートグッズの企画・製造事業。
– 譲り受け企業: LATEGRAと資本業務提携。
– LATEGRA: コンテンツ制作・プラットフォーム運営ノウハウとトーハンの出版社・書店とのコネクションを掛け合わせ、ネット空間と書店店頭などのリアル空間を融合したライブイベント開催・コンテンツ配信の事業展開。
– 譲渡企業: コンテンツ制作・プラットフォーム運営ノウハウ。
– 譲り受け企業: トーハンと資本業務提携。
– ピー・エイチ・ワークス: ファブリックシステム・LED 一体型システム・デジタルプリント・3D サインの技術を駆使した空間装飾ソリューションを強みとして、イベント・展示会の設計・デザイン・製作・施工事業を展開。
– 譲渡企業: 空間装飾ソリューション。
– 譲り受け企業: トーガシと資本提携。
– トーガシ: リアルイベントとオンラインイベントに対応し、企画立案からクリエイティブ制作、運営代行まで総合的なイベント・サポート事業を展開。
– 譲渡企業: 総合的なイベントサポート事業。
– 譲り受け企業: ピー・エイチ・ワークスと資本提携。
– アプメス: 首都圏・札幌・名古屋・大阪で人材派遣とセールスプロモーションの事業を展開。
– 譲渡企業: 人材派遣・セールスプロモーション。
– 譲り受け企業: なし(関連事業)。
– ヒトトヒトホールディングス: 各種施設・ビルの総合マネジメント、企画・設計施工・受付・会場案内などのイベントマネジメント、各種施設・イベントにおける業務請負などの事業を展開する企業グループの持株会社。
– 譲渡企業: 総合マネジメント・イベントマネジメント。
– 譲り受け企業: なし(関連事業)。
– 株式会社マックスプロデュース: 社内イベントの企画・制作会社で、映像制作も自社で行う。
– 譲渡理由: 更なる事業成長。
– 譲受理由: 更なる事業成長。
– 株式会社ピアズ: コンサルティング業を営む企業で、上場後には子会社を設立の上、通信業界以外の事業も開始し、事業の多角化を行う。
– 譲受理由: 更なる事業成長。
これらの事例は、イベント企画・運営サービス業のM&Aが活発に行われていることを示しています。特に、オンラインイベントやバーチャルイベント関連の企業がIT企業やマーケティング会社などと資本業務提携や買収を進めています。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の事業が高値で売却できる可能性
イベント企画・運営サービス業の事業が高値で売却できる可能性について、以下のポイントをまとめます。
– 事業内容: イベント企画・制作・演出・運営。
– 所在地: 関東地方、ロンドン。
– 売上高: 5億円から10億円、1.5億円。
– 営業利益: 約5,000万円前後、約4,500万円。
– 純資産: 約8,000万円前後。
– 譲渡希望額: 1.9億円、3,000万円(応相談)。
この事業が高値で売却できる可能性は、以下の理由から高いと言えます。
– 事業の成熟度: 既存の事業で、多くのイベントを成功させているため、信頼性が高い。
– 地域の重要性: 関東地方やロンドンはイベントの中心地であり、多くの客を集める可能性が高い。
– 利益の確保: 利益が約5,000万円前後であり、事業の価値が高い。
これらのポイントを考慮すると、イベント企画・運営サービス業の事業が高値で売却される可能性は高いと言えます。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の企業が会社を譲渡するメリット
イベント企画・運営サービス業の企業が会社を譲渡するメリットは以下の通りです:
– 資金調達が可能:事業売却により得た資金を新規事業への投資や負債返済、会社の運転資金に充てることが可能です。
– 組織再編が可能:不採算部門のみを売却し、リソースを本業に集中させ、経営を安定させることができます。
– 会社や従業員の雇用を継続できる:事業売却により、会社や従業員の雇用を継続できるため、雇用の安定が保たれます。
– 事業売却の取引対象を選択できる:譲受企業が必要とする部分のみを指定して譲り受けることが可能です。
– 負債や債務を引き継ぐ必要がない:不要な資産や負債を引き継ぐ必要がないため、節税効果が期待できます。
– のれん償却による節税効果がある:譲渡価格のうち「のれん」に相当する額は、損金計上ができ5年間の償却が認められるため、節税効果があります。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の事業と相性がよい事業
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の事業と相性がよい事業は以下の通りです。
### 1. 広告代理店
– 相性のポイント:大規模なイベントや企業のプロモーションイベントの企画・運営が多いです。例えば、博報堂プロダクツは広告制作だけでなく、イベントの企画・運営も行っており、クリエイティブな視点からイベントを作り上げています。
### 2. 映像・音響制作会社
– 相性のポイント:イベントで使用する映像コンテンツの制作や、音響システムの構築を行います。ヤマハミュージックジャパンは、コンサートやイベントの音響システムを提供しています。
### 3. ケータリング会社
– 相性のポイント:イベントでの飲食提供を担当します。パーティーや展示会での軽食提供など、幅広く対応します。
### 4. 警備会社
– 相性のポイント:大規模イベントでの警備や交通整理を担当します。参加者の安全確保に重要な役割を果たします。
### 5. 運輸・物流会社
– 相性のポイント:イベントで使用する機材や商品の運搬を担当します。
### 6. 人材派遣会社
– 相性のポイント:イベント当日の運営スタッフを派遣します。受付、案内、警備など、様々な役割のスタッフを提供します。弊社アシスト・ジャパンも、イベントスタッフの派遣を得意としています。
### 7. ハイブリッドイベントの連携
– 相性のポイント:オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドイベントの連携が重要です。対面での実際の会場とインターネットを介したバーチャル空間を組み合わせることで、参加者の拡大やリアルタイムでの情報共有が可能です。
### 8. ライブ配信やSNS連携
– 相性のポイント:ライブ配信やSNS連携を活用してイベントの価値を高めます。会場の選定と設営、オンライン配信の環境設定などが重要です。
イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の企業がM&Aを依頼するならM&A Doがおすすめな理由
M&A Doは、譲渡企業様から手数料を一切いただかないため、コストを抑えたM&Aを実現できます。また、豊富な成約実績を誇り、これまで多くの企業様にご満足いただいております。さらに、イベント企画・運営サービス業(オンライン・オフライン)の業界にも深い知見を保有しており、業界特有のニーズや課題に対して的確なサポートを提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社M&A Do 代表取締役
M&Aシニアエキスパート・相続診断士
東京都昭島市出身。慶應義塾大学理工学部を卒業後、大手M&A仲介会社にて勤務し、その後独立。これまで製造業・工事業を中心に友好的なM&Aを支援。また父親が精密板金加工業、祖父が蕎麦屋、叔父が歯科クリニックを経営し、現在は父親の精密板金加工業にも社外取締役として従事。