”大手かどうか”でM&A仲介会社を選定する
M&A仲介会社選定の際に、まず重要となることは過去の仲介実績を豊富に持っているかどうかかと思います。
M&A仲介業務に必要な知見・知識を分解して考えると【マッチング・業界知識】【買い手探索ノウハウ】【法務・財務・会計知識】【買収監査時の論点把握能力】が主になってきます。
これらの知見やノウハウは中堅や小規模M&A仲介会社に比較をすると大手のM&A仲介会社に集まっているのが現状です。
以下、主なM&A仲介会社を大手かそうでないかにて分類しました。
大手M&A仲介会社一覧
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- 株式会社日本M&Aセンター(東証1部)
- 株式会社ストライク(東証1部)
- M&Aキャピタルパートナーズ株式会社(東証1部)
- 山田コンサルティンググループ(東証1部)
- 株式会社オンデック(マザーズ)
- インテグループ株式会社
中堅・小規模M&A仲介会社一覧
あくまでもM&A仲介は担当者ベースであり、大手かどうかは気にしなくてもよい。
5年ほど前であれば、大手のM&A仲介会社に相談を行うのが一般的ではありましたが、現在は小規模・中堅のM&A仲介会社でも全く問題ないかと思います。
理由その1 買い手企業は今では誰もがわかる時代、誰もが経営者様と接触できる時代に。
それこそ10年ほど前であれば、譲渡したいという企業があったとしても「一体どこの会社が買うのだ?」と買い手候補先探索に労力を費やしておりましたが、今ではネットに「当社はどこの、どういった企業との資本提携を望んでいる」等情報が多く記載される、またM&A件数自体が急増しており「あの会社は以前○○業の会社を買っていたから、再度●●業の会社を買うのではないか?」等の憶測もしやすい時代になりました。よって以前よりも候補先探索におけるノウハウは一般化されてしまっており、大手のM&A仲介会社でなくとも良いと考えます。
理由その2 M&Aのノウハウは一般化されてきている。
後継者不在の企業様が急増する日本において、最近ではM&A仲介会社はタケノコの様に増えてきています。大手のM&A仲介会社にて勤務した経験を生かして、自身で独立されている方が多く、ノウハウ等は大手M&A仲介会社のDNAを引き継いでいます。
中堅のM&A仲介会社を選定しても担当者は大手M&A仲介会社出身者が多いので、実質のサービスはそこまで大差がないかと思います。寧ろ手数料を下げてでもしっかりと譲渡企業様と向き合いたいという理由で大手を退職されている方が多いので、担当者によりけりではありますがサービスの質自体に大きな差はほとんどありません。
”手数料”でM&A仲介会社を選定する
M&A仲介会社の手数料がどのくらいかかるのかという質問をよくいただきますが、不動産業界のように国に定められたパーセンテージや決まりはありません。
そもそもM&Aの手数料とは
そもそもM&Aのフロー上どの時点で手数料が発生することが一般的なのでしょうか。M&Aのフローと共に表すと以下のオレンジ色のフェーズで費用が発生します。
(着手金)提携仲介契約締結時・アドバイザリー契約締結時
M&A仲介会社との提携仲介契約もしくはアドバイザリー契約締結時にまず着手金が発生します。M&Aはよく結婚に例えられますが、提携仲介契約(アドバイザリー契約)は結婚相談所に登録するような契約のことを指します。
着手金の意味合い
着手金の意味合いとしては、買い手候補先に対する「企業概要書」「企業評価(株価算定)」の資料作成代、また買い手候補先に対する提案の足代を含めた手付金の意味合いを持っています。
とはいえ、相手が出るのかどうかわからないにも関わらず支払う必要があるこの金額については難色を示されるオーナー様も複数いらっしゃることと思います。
M&A仲介企業によってはこの着手金を無償に設定企業もいくつかあります。しかし、着手金無料の条件の中には「専任契約」が絶対条件となります。折角資料を作成して、提案もしていたのに他の仲介会社で話が決まってしまってはそれこそただ働きになってしまうからです。
着手金の金額については、仲介会社によってマチマチですが、100万円~300万円の仲介会社が多いようです。
中間報酬(基本合意契約締結時)
続いて中間報酬ですが、買い手候補企業とTOP面談を済ませ、その買い手であれば先に進んでもよいという企業と結ぶ基本合意契約締結時に発生します。
結婚で例えるなら、結納のタイミングです。浮気せず1対1で話を進めるために、独占交渉権をこのフェーズで買い手候補企業に付与します。
(独占交渉権の期間については3か月ほどが一般的)
中間報酬の意味合い
この中間報酬については、設定している企業と設定していない企業が明確に分かれます。着手金をとっていない企業や着手金が少ない企業については基本的には設定されています。次のフェーズである買収監査はM&A仲介会社にも大きな負荷がかかるため、これ以降は費用が発生してしまいます。
成功報酬(最終契約締結、決済完了後)
買収監査が終了し、最終条件の調整が終了し最終契約締結・決済完了後に成功報酬が発生します。買い手企業から株主(事業譲渡の場合は企業)の口座に入金があった後に支払う費用となります。
ほとんどのM&A仲介会社は成功報酬の計算に以下のレーマンテーブルを採用しています。
※レーマンテーブルについて
レーマンテーブルは棒グラフにするとわかりやすいのですが、試算元の数値を棒グラフで表し、各階層ごとに料率が定められてるテーブルを指します。
ここで重要なことは、この試算元が各仲介会社によってバラバラという点です。
貴社での手数料はどのくらい差が出るのかにつきましては、当社までお問合せいただければ各社手数料比較シートをお送りさせていただきますので是非御用命いただければと思います。
”得意な業界があるかどうか”でM&A仲介会社を選定する
譲渡企業様にとって、M&A仲介会社の担当者に期待することは「買い手企業を見つけてくる力があるかどうか」「自社や自社の業界をよく理解してくれているか」なのかと思います。
この2点を満たすためには、M&Aにおいて業界に精通しているかどうかが重要かと思います。
代表した企業様をご紹介させていただくと東証1部に上場するM&Aキャピタルパートナーズ株式会社は調剤薬局業界に強いM&A仲介会社でも有名です。M&AキャピタルパートナーズのIRを読むと調剤薬局のM&A成約案件が多いことが読み取れます。
業界に強ければ、
・業界特有の論点把握
・買い手探索の早期化
の2点が望まれるため、失敗しないM&Aにより一歩近づけるものかと思います。
医療・介護・薬局業界に特化したM&A仲介会社
製造業に特化したM&A仲介会社
飲食業界に特化したM&A仲介会社
不動産業界に特化したM&A仲介会社
建設業界に特化したM&A仲介会社・サイト
IT業界に特化したM&A仲介会社・サイト
“得意とする性質”でM&A仲介会社を選ぶ
ベンチャー企業を得意とするM&A仲介会社
赤字企業を得意とするM&A仲介会社
”エリア”でM&A仲介会社を選定する
M&Aにおけるステップは非常に多く、M&A担当者のフットワークが軽いことが非常に重要となります。多くのステップを早期にこなしていくためにはやはり近場に担当者が常にいる状況が望ましいです。以下地域ごとのM&A仲介会社をご紹介いたします。
全国主要都市に拠点があるM&A仲介会社
株式会社日本M&Aセンター(東証1部)
株式会社ストライク(東証1部)
M&Aキャピタルパートナーズ株式会社(東証1部)
山田コンサルティンググループ株式会社(東証1部)
東北に拠点があるM&A仲介会社
東海に拠点があるM&A仲介会社
名南M&A株式会社
株式会社ユナイテッド・フロント・パートナーズ
中国・四国に拠点があるM&A仲介会社
九州に拠点があるM&A仲介会社
まとめ | おすすめしたいM&A仲介会社の選び方
売り手企業様にとって、M&Aでの売却は一生に一度あるかないかのことですのでやはり大手のM&A仲介会社を選択することが無難であるかと思います。
もし手数料の観点から小規模、もしくは中堅のM&A仲介会社を選ぶ場合は、できるだけ着手金が発生しない仲介会社を選ぶことをおすすめします。
以下フォームよりご相談いただけますと無償にて最適なM&A仲介会社をご紹介させていただきます。