最も重要なのはM&A仲介会社の選定!M&Aの流れ・フローをわかりやすく解説

M&Aの流れ

初期的な相談窓口

M&Aの初期的な相談は誰にすればいいのでしょうか。
結論から申し上げますとM&A専門業者にまず初めに相談すべきです。

初めは税理士、会計士、または銀行に相談したくなりますが、彼らは中堅中小企業のM&Aに携わったことがほとんどありません。もし携わったことがあるとしても、1件や2件といったところでしょう。

彼らに相談する際には、「中堅中小企業のM&Aに携わったことがあるか」を確認しましょう。数少ない実績とその事例をもとに相談してもオーナー様にとって参考にならないケースが大半です。

中堅中小企業様のM&Aは規模・業界によっても条件の考え方が変わったりと一概にひとくくりとすることは難しいです。

上記背景により、もし仮に会計士の先生、税理士の先生、銀行員に相談をしたところで、最終的にはM&A専門業者を紹介されることになります。

しかしそのM&A専門業者も業務提携を結んでいるだけの企業であってオーナー様にとって最適なM&Aの仲介会社かと言うとなかなかそんなことはありません。

最終的に事業を売却するM&A専門業者については必ず自分で選定をすべきです。

M&A仲介会社の選定(実績比較)

まずはM&A仲介会社の選定が必要です。
オーナー様によっては、不動産のように複数社に依頼をする方もいらっしゃるようですが、M&Aは絶対にどこか1社に依頼をすべきです。
理由は2点あります。

1.情報管理を徹底するため
M&Aで最も気にすべきは情報漏洩であり、情報管理の徹底は絶対です。オーナー様はM&Aに対して柔軟な考え方をされていますが、従業員の方や取引先はM&Aについて未だにネガティブな考え方をされる方もいます。

従業員の方や、取引先の方がM&Aの情報を伝達する度にネガティブな噂となり、挙句には従業員の離職(転職)、取引先剥落につながります。

所以に各社に依頼をするとどこの企業から、誰から情報が漏洩したのかを全く追うことができなくなってしまいますので信用のできる仲介会社、担当者を選別しましょう。

2.買い手から見え方が悪くなるため
複数社に依頼をすると、買い手1社に対して複数社から譲渡企業の情報が提案されることになります。

そうなると買い手企業からは「この会社売り急いでいるな」と足元を見られてしまいます。持ち回り案件として見られないためにも、M&A仲介会社を1社に限定しましょう。

簡単な振るいがけとして、自社と同様の規模・同様の業種について成約の実績があるのかどうかで判断をしていくのがよいかと思います。

同様の実績がなかったとしても、成約件数が多ければノウハウにて補填できるところは多分にありますのでまずは、成約実績にて比較を行います。

以下直近年度でのM&A仲介会社大手・中堅各社の成約実績の比較となります。
【年間成約実績表】

会社名年間成約件数累計成約件数
日本M&Aセンター885件6,000件超
M&Aキャピタルパートナーズ139件1,500件超
ストライク134件566件
ONDECK24件200件超
山田コンサルティンググループ112件500件超
FUNDBOOK45件84件
M&A総合研究所非公表非公表
経営承継支援非公表非公表
スパイラルコンサルティング未掲載7件
CLARIS CAPITAL6件29件
FORVAL非公表非公表
FPG非公表非公表
INTEGROUP非公表非公表
M&Aトラスト非公表非公表
WASEDA M&A PARTNERS非公表107件
RESTART非公表非公表

実績非公表の企業が多く目立ちますが、上場していない限りにおいては成約件数を開示する必要はありません。成約件数もお客様の秘密情報に当たりますので、多くの非上場の中堅仲介企業では実績は公表されておりません。

M&A仲介会社の選定(費用選定)

次のステップとして、上記背景も踏まえた上でそれぞれのM&A仲介会社での手数料を比較いたします。

選定した仲介会社の中で、能力の高い人材の選定

上記実績や手数料を鑑みて、仲介会社を選定した後にはその選定した仲介会社の担当者を選んでいきましょう。

担当者の選び方としては第一に「無理やり感」が無いこと、第二に「誠実な対応」をしてくれることかと思います。

M&Aの仲介会社では、基本的には個人の業績連動型にて給与・賞与のインセンティブ設計になっているためその担当者の数字が厳しければもちろん態度や対応に無理やり感が出てきます。優秀な担当は数字ができていますので、無理やり感はありません。

ただ優秀な担当を探していくということは同じ仲介会社の何度も「チェンジ」を繰り返さなくてはなりませんのでオーナー様の不安になってしまいます。

業界に精通したM&A Doでは、各社の優秀な担当をご紹介することが可能です。お気軽にご相談ください。

秘密保持契約

優秀な担当者を決めた後には、仲介会社との秘密保持契約(守秘義務契約)を締結しましょう。タイミングは仲介会社によって異なりますが、仲介会社から買い手企業候補先のネームを開示されるため、「直接交渉の禁止」の条項が入っていることがほとんどです。

提携仲介契約の締結

秘密保持契約を締結した後にはM&A仲介会社との提携仲介契約を締結しましょうこの提携仲介契約とはあくまでM&Aの候補先を探すための契約であるので、必ずM&Aをしなければならないというような契約ではないのでご安心ください。

仲介会社によってはこの提携仲介契約締結の段階で着手金が発生する場合がありますので、先ほどの仲介会社の選定の際にしっかりと見極めておきましょう。

よくM&Aは結婚に例えられますが、この提携仲介契約の締結はいわゆる結婚相談所に登録するような契約というところで覚えておきましょう。また仲介会社によってはこの提携仲介契約の中に秘密保持契約を含む場合もございますので契約の順序については仲介会社各々にご相談ください。

譲渡準備

提携仲介契約を締結した後には、①買い手企業への提案書の作成②精緻な株価算定の為に仲介会社に対して資料を提出する必要があります。
財務面・法務面網羅的に仲介会社にて把握するため相応の量の資料が必要となります。

上記資料の作成をもって、今後買い手候補先に提案する条件を仲介会社と調整していきます。

買い手への提案フェーズ

仲介会社との条件面の相談が終わった後には、実際に相手に提案するフェーズとなります。
相手が出てくるタイミングは天に任せるのみとなりますので、果報は寝て待てといったものでじっくり候補先がでてくるのを待ちましょう。
平均して約半年ほどとM&A関係者は言います。

この提案フェーズでは売り手オーナー様は「いつ相手がでるのであろう」「譲渡の情報が出回っていないだろうか」と不安になることと思います。ここがオーナー様にとっては正念場となります。

こんな時に何も知らない取引先や従業員の方が「社長、会社売ったらどうでしょうか」と冗談交じりで言ってきたりすることがあります。

会社を売る、M&Aなどの言葉に過敏になってしまっており、冷静な対応ができないかもしれませんが「前に声がかかったことがあるが、今は考えてないよ」とぴしゃりと言い返しましょう。

TOP面談・買い手候補先選定

上記の買い手提案フェーズを経て、候補先が出てきた場合には経営陣同士・社長同士の面談となります。

面談の内容としては改めて売り手企業様からは【譲渡背景】【事業内容】について話していただき、その後買い手企業様から【買収背景】【事業内容】について詳しく話していただきます。

その後質疑応答の時間が設けられ、基本的には金銭的な交渉はしないことになっています。その後の金銭的な交渉については、M&A仲介会社を通して後日調整することとなります。

※買い手候補先が上場企業の場合
買い手候補先の中には、上場企業が手を挙げることも少なくありません。
もし上場会社が手を挙げられた際には以下の2点に注意しましょう。

①買い手候補企業の株取引を行わないこと
上場会社の買い手の場合ネットを立ち上げればすぐに株取引が可能になります
基本的にM&Aは株式譲渡のスキームがメインであるため、「今回株を買ってもらうから」ということで、買い手候補企業の株式を買ってしまうとインサイダー情報を仕入れて株を買ったことになりM&Aが前にも後ろにも進めなくなることが起きてしまいます。
ですのでご家族も含め、上場会社が相手の場合は、株取引は絶対に行わないことを注意しましょう。

②売却(M&A)を行ったことを周知しなくてはならない。
買い手候補企業は上場企業であるため、株主に対してディスクロージャーを行わなければなりません。ですので、上手企業様の会社名。売上高営業利益といった情報が、周知されてしまいます。

買い手が中堅中小企業の非上場会社の場合だとM&Aは秘密時に始まり秘密時に終わりますが、相手が上場会社の場合は秘密事に始まり、開示に終わるということを心がけましょう。

基本合意契約締結

TOP面談を経て、TOP面談後に買い手企業から株式評価金額を含めた条件提示がなされます。
売り主様が承諾されれば、基本合意契約を締結します。
内容としては売り主様が他の候補先と話を進めないようにすることを定める独占交渉権を買い手に付与する契約となります。

なんだか難しいそうですが、結婚でいうと結納にあたります。
今後浮気せずに1対1で話を進めていきましょうという契約です。
逆にいうと結納までは浮気し放題となりますので、条件面含めて慎重に候補先を選定しましょう。

買収監査(デューデリジェンス:DD)

基本合意契約の締結が終わると買収監査へと進みます。買収監査はM&A仲介会社は実施せず買い手側が選定した機関が譲渡企業本社・支社、もしくは譲渡企業本社近くの公民館を借りて1~3日間行います。

買収監査の内容は大まかに労務・法務・税務の観点から調査があります。いわゆる粉飾がないか、簿外の負債・資産がないかを確認されます。売り主オーナー様にとっては、この買収監査は事前の資料収集や当日の資料収集・インタビュー対応にて体力的にも心労的にも大きな負担がかかります。最終の譲渡に向けたあと一歩の辛抱です。

最終契約締結・決済

買収監査が終了し、ようやくM&Aの最後の一歩です。
最終契約には大きく2つの種類があります。1つは会社まるごとを譲渡する株式譲渡契約、もう一つは会社の一部の事業を譲渡する事業譲渡契約の2つがあります。

どちらの契約でも必ずチェックしておくべきポイントは表明保証事項です。

表明保証とはある事項について真実であることを表明し保証する条項です。
先ほどの買収監査にて簿外債務など完全に発見することが困難で調査を尽くしてもなかなか見つけることができないよう手については売主に簿外債務は一切ないということを表明し、保証するというのが表明保証の例としてあります。

いわゆる買い手のリスクを軽減する事項になりますので売主にとって不利になっているケースが多々あります。

この点はM&A仲介会社の担当とよく相談し、よく説明を受けましょう。譲渡後にトラブルにならないよう、絶対に気を付けるべき点であると言えます。

株式譲渡の場合は、取引先との契約なども含めての譲渡になりますので、事業譲渡とは違い、買い手にとってはリスクを抱えたまま。会社を譲り受けることになりますこの表面保証をなくすということはなかなかできないと思いますがこの表明保証の時効をどれだけ売主にとってリスクのない形に交渉していくのかがM&A仲介会社の腕の見せ所といったところだと思います。

この表明保証についてM&A仲介歴1年目、2年目といった若手の担当が交渉するには不十分です。
経験の部分でノウハウが溜まっておりませんですので、譲渡の際のリスクを最小限するためには、必ずM&A仲介会社の中でも優秀な担当に依頼をすることが必要不可欠になってきます。
我々M&A窓口では、各社の優秀な担当を売主様にご紹介することが可能ですので、お気軽にご相談下さい。

そして最終の契約を締結した後には、株式の対価を受け取ることが可能です。
株式の対価は個人の口座に振り込まれ、この後にM&A仲介会社に手数料として成功報酬を払います。

従業員・取引先開示

最終契約の内容によっては、従業員のキーマンへの開示・重要な取引先への開示が決済の条件となることがあります。
開示の方法としては、従業員への開示は買い手・M&A仲介会社の担当が同席するケースが大半です。

取引先への開示についても同様ですが、M&A仲介会社が同席しないケースも多くあるようです。特に従業員への開示をはやまり不適切な方法で開示を行うと従業員のモチベーション低下・従業員の離職につながりかねませんので、慎重な開示を心掛け、M&A仲介会社ともよく相談しましょう。

引継ぎ

引継ぎの形式には様々なパターンがありますが、社長(もしくは会長)に継続勤務いただくケースが大半です。
継続勤務いただく日数は企業ごとに異なりますが、おおよそ半年以上になることが多いです。継続する際の役職ですが、社長として続投いただくか、会長・顧問といった形で残るケースが多いです。
しかし、オーナー様がご高齢・もしくはご病気であり即座の退任を希望される場合は即座の退任が可能です。

まとめ

M&Aはオーナー様にとって、人生で一度あるかないかのこと。手数料の高い安い・大手かどうかでM&A仲介会社を決めては会社の最後が良くない形になってしまいます。
あくまで担当者を信頼できるかどうか、その人に人生を任せてもいいのかという観点で依頼をしましょう。

著者について

株式会社M&A Do 代表 濱田啓揮
慶應義塾大学理工学部卒業後、大手M&A仲介会社に入社。主には譲渡希望企業様を担当。
その後独立し、大手M&A仲介会社で培った知識を生かし、譲渡企業様向けに最適なM&A仲介会社を紹介する。
Mail: hamada@ma-mado.com
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