Last Updated on 2024年1月5日 by 記事監修者 : 濱田 啓揮

事業者向け貸金業の企業の倒産・廃業状況まとめ

2020年から2021年にかけて、日本全国で事業者向け貸金業の企業が倒産や廃業する事例が相次いで報じられています。その中でも、特に大規模なものを以下にまとめます。

・東京都内に本社を置く事業者向け貸金業の企業は、2020年11月に倒産を発表しました。同社は、金利が非常に高いことが問題視され、総量規制の施行によって業績が悪化したとされています。

・大阪府に本社を置く事業者向け貸金業の企業は、2020年12月に民事再生手続きを開始しました。同社は、事業拡大に伴って多額の借り入れをしていたことが原因だとされています。

・北海道に本社を置く事業者向け貸金業の企業は、2021年1月に倒産を発表しました。同社は、新型コロナウイルスの影響によって顧客の支払いが滞るようになったことが深刻な財務状況を招いたとされています。

・福岡県に本社を置く事業者向け貸金業の企業は、2021年2月に経営破綻しました。同社は、不正融資や架空融資などの問題が浮上し、経営環境が悪化したことが原因だとされています。

以上、事業者向け貸金業の企業の倒産や廃業状況の一例です。これらの事例から、同業界は厳しい経営環境にあることがうかがえます。

事業者向け貸金業の企業が清算する際の注意点 3選

1.清算に必要な手続きや書類を把握すること
企業が清算する際には、多くの手続きや書類が必要となります。たとえば、財産目録作成や債権者への通知、産業再生機構への届け出、税務署への申告などがあります。清算をスムーズに進めるためには、これらの手続きや書類について事前に把握しておくことが重要です。

2.債権者との交渉を適切に行うこと
清算には、債権者に対する債権の支払いが必要です。債権者との交渉には、債務の額や返済方法などを適切に把握し、債権者との話し合いを進めることが重要です。特に、多数の債権者がいる場合には、その折衝が難航することもありますので、十分な備えが必要です。

3.税務処理を適切に行うこと
清算に伴い、法人税や消費税などの税務処理が必要となります。清算においては、通常の事業運営とは異なる課税ルールが適用されることもあるため、税務処理には十分な知識や経験が必要となります。適切な税務処理を行うことで、税法上のリスクを回避し、スムーズな清算を進めることができます。

事業者向け貸金業の企業が廃業する際の注意点 3選

1. 消費者に対する責任を持って手続きを行うことが重要です。
事業者向け貸金業は、消費者金融とは異なる点がありますが、廃業時にはそれぞれの顧客に対して責任を持って手続きを行う必要があります。顧客への返済案内や債務整理に関する相談対応など、貸金業者としての責務を果たすことが求められます。

2. 法令に基づく手続きを厳守する必要があります。
貸金業者は、日本銀行令や貸金業法など、法令に基づいた手続きを遵守する必要があります。廃業時にも、借り手や債権者に対して適切な連絡や手続きを行う必要があります。不適切な手続きを行うと、法的トラブルに発展することもあるため、注意が必要です。

3. スタッフやパートナー企業に適切な説明を行う必要があります。
廃業に伴い、スタッフやパートナー企業にも影響が及ぶ場合があります。そのため、適切な説明や手続きを行う必要があります。スムーズな手続きを行うことで、社会的信用を保てるだけでなく、再出発をしやすい環境を整えることができます。

事業者向け貸金業の企業が会社を畳む際の注意点 3選

1. 法律的手続きを遵守すること

事業者向け貸金業の企業が会社を畳む際には、法律的手続きを遵守することが重要です。たとえば、貸金業法に基づく解散手続き、会社法に基づく会社整理手続き、労働法に基づく従業員の処遇などが挙げられます。これらの手続きを遵守することで、スムーズかつ合法的に会社を畳むことができます。また、法律に基づかずに会社を畳いた場合、取引先や従業員から損害賠償を請求されることもあります。

2. 事業譲渡や合併を検討すること

会社を畳む際には、事業譲渡や合併を検討することも重要です。事業譲渡は、会社の財産や事業を他社に売却することで、債務の清算や従業員への処遇などを含めた解散手続きよりもスムーズに会社を畳むことができます。また、合併は、他社との統合によって事業を継続させることができるため、会社の価値を維持できる可能性があります。ただし、事業譲渡や合併の場合も、法的手続きや契約の取り決めが必要です。

3. 業務継続の影響を分析すること

会社を畳む際には、業務継続の影響を分析することも重要です。たとえば、借り入れやクレジットカードの利用をしている顧客や、融資を受けている事業者がいる場合には、事前に対応策を考える必要があります。そして、畳んだ後も対応できるような体制を整えることが重要です。また、従業員の就職先を見つけることや、取引先との付き合いを継続することも検討する必要があります。

事業者向け貸金業の企業がM&Aで会社を売却すべき理由3選

1. 経営資源の効率的活用
M&Aは、企業間の資源・知識・技術などの交換を通じて、経営資源の効率的な活用が可能になることがあります。特に貸金業のような金融業界では、厳格化する規制や競争の激化など、外部環境の変化が激しく、先進的な技術やシステムの導入が必要となります。M&Aによって他社の技術力やノウハウを得ることで、企業価値の向上や市場シェアの拡大が期待できます。

2. 強固な市場地位の確立
M&Aは、競合他社との差異化を図り、競争上の優位性を維持するためにも有効な手段です。事業を統合することで、それぞれの企業が保有する顧客層や商品ラインナップを拡大することができます。また、新規顧客の獲得や企業間の協業によって、売上高の増加やコスト削減につながることもあります。

3. 事業拡大の推進
M&Aは、現在の事業拡大に限界を感じている企業にとって、新たな市場に進出するための戦略的選択肢の一つとしても有効です。例えば、海外市場に進出する場合、現地の企業との提携や買収によって、現地のルールやマーケットを理解し、効率的にビジネスを展開することができます。また、新規事業を展開するための投資や人員の確保も、M&Aを通じて可能になります。

以上、貸金業の企業がM&Aで会社を売却すべき理由として、経営資源の効率的活用、強固な市場地位の確立、そして事業拡大の推進が考えられます。ただし、M&Aは慎重な検討が必要であり、企業の戦略的目的やリスクについて、十分な分析が必要です。

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